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リカルド更迭は、RBの”即座の”パフォーマンス向上を目指した策にあらず……全ては2026年以降のレッドブルのため

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リカルド更迭は、RBの”即座の”パフォーマンス向上を目指した策にあらず……全ては2026年以降のレッドブルのため

 レッドブルは、ダニエル・リカルドを先日のシンガポールGPを最後にRBのマシンから降ろし、次戦アメリカGPからはリアム・ローソンをそのマシンで走らせることを決定した。

 この決断は、リカルドのパフォーマンスが優れなかったことが最大の要因であると言われているが、実際にはそれが主な原因ではないかもしれない。それよりも、レッドブルが2026年からのドライバーラインアップを検討する上で、先手を打ったということではないだろうか?

■ダニエル・リカルドのF1キャリアは本当におしまいなのか? F1ライター陣が斬る

 少し時間を巻き戻してみよう。昨年途中からアルファタウリ(現RB)のマシンにリカルドを乗せたのは、レッドブルとしてはある意味オーディションだった。

 レッドブルのドライバーであるセルジオ・ペレスは、2023年シーズン後半から特に不調に陥っていた。そのためレッドブルは、リカルドが昨年のイギリスGP後のテストで見せたのと同じ速さをアルファタウリで見せ続ければ、ペレスの調子が戻らなかった場合には、交代させることもできると期待していた。

 しかしオランダGPのフリー走行でクラッシュした際、リカルドが手首を骨折。代役としてF1デビューしたリアム・ローソンが、5レースのみの参戦ながら印象的な活躍を見せたことで、物語は違う方向に進んでいった。

 ペレスの不調は2024年も続いたが、リカルドの成績も不安定であり、レッドブルに復帰を決断させることができなかった。夏休み前には、ペレス更迭がさらに現実味を帯びたが、それでもレッドブルは、シーズン後半もペレス続投を決定した。

 レッドブルは、マックス・フェルスタッペンとは2028年まで、ペレスとは2026年まで契約を結んでいる。にもかかわらずレッドブルの首脳陣は、2026年のドライバーラインアップをどうするかということを、改めて考え始めている。

 いずれのドライバーも、契約が満了するまでチームにとどまるという保証はない。フェルスタッペンは最近のレッドブルの内輪揉めやスタッフの離脱、そしてパフォーマンスの低下に懸念を抱いており、他のチームに移籍する可能性もあるとされる。また、F1から完全に引退してしまう可能性もゼロではない。ペレスとしては、レッドブルにとどまるためには、もっと良い成績を残す必要がある。

 これらのことを考えれば、レッドブルはプランBを検討しておく必要があるのは間違いないだろう。

 チームとしては、ふたつの面で万全体制を整えておかなければいけない。

 まずは、他のチームのトップクラスの才能の去就を、注意深く見守ることだ。だからこそレッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、メルセデス所属のジョージ・ラッセルが獲得のターゲットになる可能性があると発言し、騒ぎを起こしている。

 しかしレッドブルが特にすべきことは、現在抱えている若手ドライバーの中で誰が適任なのかを見極めることであり、そのための唯一の方法は、今すぐに比較を始めることだった。そのため、リカルドの契約を打ち切り、ローソンを起用することにしたのだ。残り6戦でローソンを角田裕毅と比較し、どの程度優れているのかを探ろうとしているのだ。

 ペレスの不安定さは終わりを見せておらず、2026年どころか2025のシートについても不安視されている。シーズン終了までにペレスの状況が好転しなければ、レッドブルは必要に応じて最善の代替策を用意しておかねばならない。

 レッドブルは角田について、フェルスタッペンのチームメイトとしては相応しいとは考えていないようだ。しかしその一方で、ローソンにいきなりレッドブルのシートを任せるのも大きなリスクであると言える。

 さらにペレスとの契約を打ち切り、ローソンも期待に応えられるだけのパフォーマンスを発揮できなければ、レッドブルとしてはふたりのドライバーを探さねばならないかもしれない。そう考えれば、レッドブルがリカルドとの契約を解除したのは、避けられぬことだったかもしれない。

 もちろん、リカルドに今シーズンを完遂させられるチャンスを与えられればよかったのだが、今のレッドブルにとってはそのための時間があまりにも足りない。

 ローソンを今後活かしていくためにはどうすればいいか、それをできるだけ早く確かめる必要がある。すぐにトップチームのドライバーとして起用しても問題ないのか、あるいは成長のためにはもっと時間が必要なのか……ということだ。

 また、レッドブルは他のジュニアドライバーをどうするのかという議論もある。アイザック・ハジャーはFIA F2で良い仕事をしているし、岩佐歩夢はスーパーフォーミュラで毎戦のように表彰台を争っている。

 レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコ博士は、motorsport.comの姉妹サイトであるMotorsport-Total.comのインタビューで次のように語っている。

「リカルドは、RBで適切なパフォーマンスを見せればレッドブル・レーシングに来るチャンスがあるとして復帰したんだ」

 そうマルコ博士は語った。

「しかしもっと広い視点で見なければいけない。我々には若いドライバーが大勢いる。ハジャーやローソン、そしてイワサがいる。彼らをどこにもランク付けしていない。そして我々は、将来を見据えなければいけない」

「また比較もしたい。ローソンはユウキと比べてどこに位置しているのか? 将来、我々の2チームのドライバーの組み合わせはどうなるのか? ということだ」

 RBのドライバーラインアップを入れ替えたのは、すぐに成績を上げるためではない。重要なのは、レッドブル陣営にとっての18ヵ月後……つまり2026年に何が起きるのかということなのだ。

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みんなのコメント

2件
  • fum********
    このような記事はf1ファンなら誰でも書けそう。もう少し取材に基づいた記事を書けないものだろうか?
  • tai
    マックスないしはペレスがレッドブルを去ったときに昇格させられるドライバーを早期に見極めておきたいということなのだろう。角田くんもホンダの関係で2026以降どうなるかわからないし、はっきり言ってレッドブルのドライバーのバッファはかなり薄い中でマックスも辞めそうな気配もあるので相当焦っているのでは。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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