現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > the「燃費」どこでも行けそうなホンダ「ADV160」の実走燃費は、どうだ!?

ここから本文です

the「燃費」どこでも行けそうなホンダ「ADV160」の実走燃費は、どうだ!?

掲載 10
the「燃費」どこでも行けそうなホンダ「ADV160」の実走燃費は、どうだ!?

 ちょっと気になるあのバイク。その燃費を毎回同じルートで市街地、高速道路、快走路(ツーリングシーン)を走り、その燃費ログをとるthe「燃費」企画です。今回は2023年シーズンに向けてフルモデルチェンジされた、ホンダのスクーター×アドベンチャーバイクという独自キャラで人気のモデル「ADV160」を連れ出しました。

 燃費は走り方、その日の気温、季節、気候条件(雨、向かい風、追い風)などによって影響されます。そこで毎回同じルート、同じライダーが交通状況に合わせて走り、その時の燃費ログをとっています。距離はオドメーターに出た数値、燃費データはメーターに表示される平均燃費を記載しています。

ホンダ「ADV350」公開 ADVシリーズ最新作登場!

 今回のバイク、ホンダ「ADV160」は、前作「ADV150」からのモデルチェンジ版です。「PCX」系にも搭載されるエンジンは、4バルブヘッドを持つ「eSP+(イー・エス・ピー・プラス)」で排気量は150時代から7ccの増量にとどまりますが、吸排気系の最適化やカムチェーンテンショナーの油圧化などを盛り込み、ホンダのお家芸でもあるダイナモスターターによるアイドリングストップ機構などは継続、パフォーマンスもグっと上げているのです。

 これが乗ってびっくり。150と比較すると、160はおろか、180と言われても納得のパワー感、トルク感なのです。

 排気量とパワーが上がれば、燃費だって厳しいわけですよね? と思うのが人情。カタログ記載の燃費データ、国土交通省届け出値(60km/h定地燃費値、2名乗車時)とWMTCモード値(クラス2-1、1名乗車時)を前作「ADV150」と並べて見ると次の通り。

「ADV160」52km/l42.5km/l

「ADV150」54.5km/l44.1km/l

 カタログ燃費では「160」の方がやや劣っています。では実走テストに出かけましょう。

 まずは市街地です。ルートは都内外苑周辺をスタート。国道246号の青山一丁目交差点から赤坂、永田町を経て皇居方向へ。そのまま皇居外周を左回りに走り、日比谷方向へ。途中、丸の内のオフィス街を回り、晴海通りで銀座、築地、豊洲を直進し、首都高湾岸線沿いの国道356号、東雲付近までを移動します。その距離12.1kmです。

 走行ルートは片側3車線の道路が多く、交差点には直進、右折信号分離型も多数あり、青信号が続くとスイスイと距離を稼げる反面、赤信号が続くと待ち時間、つまりアイドリング時間が長く、燃費に不利な傾向にあります。交通の流れに合わせるため空いている車線を選択することはありますが、すり抜けはしていません。

 アイドリングストップが装備される「ADV160」は、信号待ちで平均燃費が下振れすることがありません。この機構はすでに20年ほどの歴史があり、発電機を始動用モーターとして活用することで始動時の音も静か、信号待ちで停止したエンジンはアクセルを開けるだけで即座に再始動するため、発進もストレスフリー。何度乗っても惚れ惚れします。

 結果は43.4km/lでした。燃費計測地点からさらに別の場所へと市街地を19.4km移動し、合計31.6kmを走行した平均燃費は44.4km/lでした。136kgの車体は軽快さと安定感があり、スクーターとしての機動力を持ちつつ、走る楽しさも味わえる仕立てだったのです。

 最高出力12kW/8500rpm、最大トルク15N・m/6500rpmを生み出す小排気量エンジンで、136kgの車体と84kgのライダーを乗せて高速道路を移動します。100km/h巡航時のエンジン回転数をメーターから読みとると、おおよそ8000rpmキープ。アクセル開度にはまだ少し余裕がありますが、120km/h制限の区間でその速度で巡航することは難しそうです。

 それでも先代の150より高速道路ではゆとりが違います。ラクに100km/h維持ができました。それもちょっとした向かい風の中でです。先代は上り坂、向かい風ではアクセル全開でも100km/hキープができず、じれったい思いをしたことがあります。160も上り坂では余裕は少ないですが、それでも100km/h維持ができました。

 高速道路計測は2区間です。アクア連絡道の「木更津金田IC」から東に向かい、館山道のジャンクションから南下、終点「富浦IC」までの53.5kmという南下ルート、そしてツーリング燃費を計測し終えた戻り、館山道「富津中央IC」から「木更津金田IC」まで25kmの北上ルートです。

 往路、南下ルートでは制限速度が80km/hから100、80、70km/hと変化し、館山道に入ると基本的にアップダウンの連続です。後半は片側1車線となり、ペースが落ちて燃費的には楽になりますが、この日は基本的に向かい風でした。

 復路、北上ルートでは制限速度が100km/hから、アクア連絡道の80km/hとなり、南下ルート同様に館山道はアップダウンの連続です。この区間は追い風でした。

 平均燃費計の示した結果は、往路が41.4km/lで復路が41km/lとなっています。途中に見た燃費計の値では、100km/h巡航時が35km/lから36km/lで、80km/h巡航時が43km/lほどでした。8.1リッターの燃料タンクを持つ「ADV160」は、高速道路での安心航続距離は200~250kmと推測します。

 快走路での燃費は次の3区間で計測しています。区間1は館山道「富浦IC」出口近くにあるコンビニからスタート。国道127号、県道296号、「安房グリーンライン」を経て房総半島南端エリアまでの21.5km。区間2は南端エリアから国道410号と平行して海岸線のルートを走り、途中で国道410号と合流して北上、県道34号の交差点から「大山千枚田」までの38.4km。区間3は「大山千枚田」から県道34号まで戻り、保田(浦賀水道方向)を目差して途中県道182号「もみじロード」で北上。国道465号、国道127号を経由して館山道「富津中央IC」へと走る25.7kmです。

 どの区間も平坦路とアップダウン、ワインディングが混在し、房総半島でも人気のツーリングルートです。こうした快走路で「ADV160」はハンドリングの良さと適度なパワーによりツーリングを楽しめます。上り坂でもパワーとトルクがあるエンジンの恩恵で軽快さが途切れず、どの道も楽しく走れました。

 トータル85.7kmの快走路区間、その平均は51.2km/lでした。区間別では区間1が48.9km/l、区間2が52.3km/l、区間3は52.6km/lでした。

 以前「ADV150」の燃費ログを取材したとき、現在とルートの状況が異なるので参考比較ですが、市街地、高速道路(100km/h制限ではなく80km/h制限でした)、そして快走路の総平均は46.1km/lでした。

 同じルートで100km/h走行を含む176.2kmの総平均は45.2km/lという結果だったワケですが、100km/h巡行をするとてき面に燃費が悪化するのを知っているだけに、「ADV160」は健闘したと言えるでしょう。

■ホンダ「ADV160」燃費結果総合評価:☆☆☆☆★(ホシ4つ)市街地:43.4km/l高速道路:41.2km/l快走路:51.2km/l平均:45.2km/l

こんな記事も読まれています

セルジオ・ペレス、F1引退後の”インディカー参戦”には興味なし「怪我などせずにキャリアを終えたい」
セルジオ・ペレス、F1引退後の”インディカー参戦”には興味なし「怪我などせずにキャリアを終えたい」
motorsport.com 日本版
高すぎる「クルマの税金」が大変化? 「二重課税」や「ガソリン税」解消なるか! もはや“旧すぎる”「複雑な自動車税制」現状の課題は? 電動化の今こそ「変わるチャンス」か
高すぎる「クルマの税金」が大変化? 「二重課税」や「ガソリン税」解消なるか! もはや“旧すぎる”「複雑な自動車税制」現状の課題は? 電動化の今こそ「変わるチャンス」か
くるまのニュース
全長4mに「FR」採用! トヨタの「“6速MT”スポーツカー」が凄い! “4人乗り”で実用的な「小型クーペ」にクルマ好きから反響殺到! 市販化待望の「S-FR」とは
全長4mに「FR」採用! トヨタの「“6速MT”スポーツカー」が凄い! “4人乗り”で実用的な「小型クーペ」にクルマ好きから反響殺到! 市販化待望の「S-FR」とは
くるまのニュース
いよいよ始動 首都高の「老朽海底トンネル」造り替え 使われていない“裏ルート”が本線に生まれかわる!? 都市計画素案が公表
いよいよ始動 首都高の「老朽海底トンネル」造り替え 使われていない“裏ルート”が本線に生まれかわる!? 都市計画素案が公表
乗りものニュース
新規参戦キャデラックF1、ドライバーに米国人コルトン・ハータを起用? 有力候補と取締役のマリオ・アンドレッティ認める
新規参戦キャデラックF1、ドライバーに米国人コルトン・ハータを起用? 有力候補と取締役のマリオ・アンドレッティ認める
motorsport.com 日本版
成長する私の軌跡! 2度目の参加で見えてきたライディングスクールの必要性と重要性
成長する私の軌跡! 2度目の参加で見えてきたライディングスクールの必要性と重要性
バイクのニュース
“SUV”なんて言葉は似合わない! どんな悪路も走破可能 なのに室内には高級感が漂う「ラグジュアリーなクロカン車」3選
“SUV”なんて言葉は似合わない! どんな悪路も走破可能 なのに室内には高級感が漂う「ラグジュアリーなクロカン車」3選
VAGUE
V12エンジン復活!! 最高速345km/hの大排気量5.2L! 年間生産台数たったの1000台のみ[ヴァンキッシュ]登場
V12エンジン復活!! 最高速345km/hの大排気量5.2L! 年間生産台数たったの1000台のみ[ヴァンキッシュ]登場
ベストカーWeb
刺激的な純内燃エンジンの4L V8ツインターボはいまや希少!「メルセデスAMG GT」【野口 優のスーパースポーツ一刀両断!】
刺激的な純内燃エンジンの4L V8ツインターボはいまや希少!「メルセデスAMG GT」【野口 優のスーパースポーツ一刀両断!】
LE VOLANT CARSMEET WEB
【ROYAL ENFIELD】の新型「BEAR 650」を案内!“ヤンチャな走り”対応の60年代風スクランブラーなのだ  
【ROYAL ENFIELD】の新型「BEAR 650」を案内!“ヤンチャな走り”対応の60年代風スクランブラーなのだ  
モーサイ
「車線減少の手前で抜かされそうになり、負けじと加速したら鳴らされました。私が悪いんですか?」投稿に回答殺到!?「どっちもどっち」「いちいち喧嘩売るなよ」の声も…実際法律では誰が悪いのか
「車線減少の手前で抜かされそうになり、負けじと加速したら鳴らされました。私が悪いんですか?」投稿に回答殺到!?「どっちもどっち」「いちいち喧嘩売るなよ」の声も…実際法律では誰が悪いのか
くるまのニュース
スズキ、移動販売の支援アプリ「シュッパ」の提供開始 出店計画やレジ操作などを容易に
スズキ、移動販売の支援アプリ「シュッパ」の提供開始 出店計画やレジ操作などを容易に
日刊自動車新聞
角田裕毅、コンストラクターズランキング6位奪取に向け超重要なカタールへ「今回もまた、力強いレースができるはず」
角田裕毅、コンストラクターズランキング6位奪取に向け超重要なカタールへ「今回もまた、力強いレースができるはず」
motorsport.com 日本版
BYDが創立30周年記念式典を開催、1000万台目の新エネルギー車のラインオフを発表
BYDが創立30周年記念式典を開催、1000万台目の新エネルギー車のラインオフを発表
Webモーターマガジン
マジカルレーシングから BMW R1300GS(24)用ストリートボディワークが発売!
マジカルレーシングから BMW R1300GS(24)用ストリートボディワークが発売!
バイクブロス
“夜行寝台バス”は本当に成功するのか? 国交省「座席フルフラット化」が直面する3つの深刻課題とは
“夜行寝台バス”は本当に成功するのか? 国交省「座席フルフラット化」が直面する3つの深刻課題とは
Merkmal
【感動の動画】泥だらけのヴィンテージメルセデス、大洪水をほぼ無傷で生き延びた「メルセデスW123」の感動のストーリー
【感動の動画】泥だらけのヴィンテージメルセデス、大洪水をほぼ無傷で生き延びた「メルセデスW123」の感動のストーリー
AutoBild Japan
最上のおもてなしに、さらなるラグジュアリーをもたらす! ザ・ペニンシュラ香港に「ベントレー・ベンテイガEWB アズール」が登場
最上のおもてなしに、さらなるラグジュアリーをもたらす! ザ・ペニンシュラ香港に「ベントレー・ベンテイガEWB アズール」が登場
LE VOLANT CARSMEET WEB

みんなのコメント

10件
  • この手の記事は、カタログを説明しただけが多いけど。
    しっかり実測し、使い手だけがが感じる安心航続距離の感想を書いていて好感。
  • もう少し軽くて、もう少しバワーがあればなあ。カラーリングも150の方が良かった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村