ヒョンデ・シェル・モビスWRT(ヒョンデ・モータースポーツ)のドライバーであるティエリー・ヌービルは、WRC世界ラリー選手権第7戦『サファリ・ラリー・ケニア』でヒョンデi20 Nラリー1を駆り総合8位となったが、ラリーの拠点となったナイバシャで行われた聴聞会の後、イベント・スチュワードによって当該ラウンドでの失格処分を下された。
スチュワードは、クラーク・オブ・コースから独自の調査でサファリ・ラリー主催者に上げられた報告書の結果を要約した。同報告書内には、ラリー期間中、スペシャルステージ(SS)として使用されるルートを無許可の人物が走行していることが目撃された事例が記載されていた。
【正式結果】2023年WRC第7戦サファリ・ラリー・ケニア SS19後
当該人物は無許可で私有地を走行し、2日間に2カ所でオフィシャルに静止を求められた。スチュワードに提出された証拠では、この人物とヌービルとのつながりが指摘されている。
この件について聴聞会で尋ねられたヌービルは、スチュワードに対し、特定された人物を認識していること認めた。また、いくつかのスペシャルステージで特定の懸念事項(石が動いた場所など)を特定するために、この人物のサポートを受けたことを即座に認めた。
この行為は2023 FIA WRCスポーティング・レギュレーション第35条4項2号に抵触するもの。同規定には次のように記されている。
『競技会特別規則書の発表後、エントリーしているクルーに関係のある一切の者がラリーのスペシャルステージのルートを通るあるいは通過することは(徒歩は除外)、競技長およびFIAラリー部門の明確な許可を得てのみ可能である。この規則はスペシャルステージが終了するまで適用される(抜粋)』
ヌービルは失格裁定により、総合8位で得るはずだった選手権ポイント4点と最終パワーステージで稼いだボーナスポイントの5点、計9ポイントを失い、ドライバーズランキング2位から5位に後退している。
■10位フィニッシュのソルベルグにもペナルティ
ラリー最終日、6月25日(日)深夜に発表されたスチュワードの裁定には、オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組の処分も認められた。
先代モデルのシュコダ・ファビア・ラリー2エボでサファリ・ラリーを戦い抜き総合10位でフィニッシュした同ペアは、割り当てられた26本よりも1本多くタイヤを使用していた。このため2分間のタイムペナルティが科されている。
なお、総合11位となったマーティン・プロコップ(フォード・フィエスタ・ラリー2)が21歳のノルウェー人ドライバーから約11分の後れを取っていたため、このペナルティは総合順位に影響せず。ソルベルグは元僚友ヌービルの失格を受け総合9位に浮上している。
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ケニアの法律に抵触する違反行為で失格、こりゃ悪質だ