ブガッティの次のステップ
text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)
【画像】ブガッティ・チェントディエチ、ラ・ヴォワチュール・ノワール、ディーヴォ、シロン、シロン・スポーツ、シロン・スーパースポーツ300+【比べる】 全44枚
2019年のブガッティのハイライトは、なんと言っても史上最高速490km/hを達成したシロン・スーパースポーツ300+だ。
いま、ラインナップへの2つ目のモデル投入の可能性を含む、新たなチャレンジの時期に来ている。
わたし達はCEOのステファン・ヴィンケルマンと向かい合い、同社の将来について聞く機会を得た。
ーーシロン・スーパー・スポーツ300+で480km/hの壁を突破しましたが、次の目標は何ですか?
「パフォーマンスの先駆者であるため、すべてのタイプのパフォーマンスを1台のクルマでカバーすることは困難です」
「シロンのベースモデルはすでに素晴らしいクルマですが、最高のパフォーマンスを発揮するクルマを作りたければ、300+で行ったように縦加速度と最高速度を選択する方法と、ダウンフォース、ハンドリング、軽量化と横加速度に焦点を当てる方法があります」
「このレベルのパフォーマンスで両方を組み合わせることは不可能なので、1つを選びました」
「今は違うものに取り組んでいます。何だと思いますか?」
ーーシロンのほかのバリエーションや特別エディションでしょうか?
「バリエーションは必要です。それがなければカスタマーは満足しないでしょう」
「特別版? いいえ、もう特別版は出したのでそれはありません」
「今年、約束通りディーヴォの販売を開始します」
ブガッティの方向性
ーーブガッティのような会社は、どのように収益を上げるのですか?
「常にサプライヤーと対話し、コストとプロセスの削減に努めています」
「1台のクルマから多くのものを引き出す必要があります」
「シロン・スポーツ、スーパースポーツ、ディーヴォ、チェントディエチ、ラ・ヴォワチュール・ノワールでの取り組みで、効果が出ています」
「簡単なタスクではありません。投資額が非常に大きく、ボリュームは少ないため、常に高いリスクを負っています」
ーーいま業界は非常に速いペースで進んでいますが、ブガッティは独自のレールを進むのですか?
「わたし達は、ほかの高級車ブランドとはまったく異なる課題を抱えています」
「より多くのモデル・バリエーションを導入するならば、今後のモデルにデジタル化、電動化などを検討しなければならないでしょう」
ーー自動運転についてどう思いますか?
「今のところ、ブガッティに必要だとは思っていません」
「何かをするとき、1番初めに導入する必要はありませんが、最高でなければならないと考えています」
「わたし自身は自動運転が好きですが、ブガッティのカスタマーは自動運転を求めてはいないでしょう」
ーーデジタル化の最も重要な要素は何ですか?
「基本的な運転に関するもので、モバイルオフィスではありません」
「ドライバーが安全かつベストな方法で目的地に到達するのを助ける、交通状況や天気予報のようなものでなければなりません」
ーーいまどんなクルマをお持ちですか?
「パナメーラ・スポーツ・ツーリスモを持っています」
「ブガッティの新しいモデルもよく乗ります」
「年に一度クルマを交換するのですが、アウディで長く働いていたので、RSが好きです」
現在のブガッティのラインナップ その1
シロン
ブガッティ初の現代的なモデル、ヴェイロンの後継モデルであるシロンは、2016年ジュネーブモーターショーで発表された。
0-97km/h加速は2.4秒、リミッター作動時の最高速度は420km/h、8.0LクアッドターボW16エンジンを搭載している。
価格は240万ユーロ(2億9000万円)から、500台の限定生産となっている。
スーパーカー、シロン・スポーツ2018年には公道を走行できるスーパーカー、シロン・スポーツが登場した。
カーボンファイバーを広範囲に使用することにより18kg軽量化することに成功している。
より硬いサスペンションとトルクベクターシステムで、タイトなコーナーでのハンドリングを改善している。
シロンの標準モデルに、40万ドル(4300万円)のプレミアムがついている。
シロン・スポーツ110ansブガッティ2019年、ブガッティ・ブランドの誕生110周年を記念して、限定版シロン・スポーツ110ansブガッティが発表された。
シロン・スポーツをベースとして、カーボンファイバーのボディワークを使用し、リアスポイラー下側にフランス国旗が描かれている。20台の限定販売。
シロン・スーパースポーツ300+シロン・スーパースポーツ300+は、最高速度300mph(482km/h)をマークするために開発された。
1600psにパワーアップされた8LクアッドターボW16エンジンが搭載される。
高速走行を想定し、エアロダイナミクスを最適化した新しいフロントとリアバンパー、より長い比率に修正されたギアボックス、カーボンファイバーボディパネルを含む大幅な変更が加えられている。
2021年半ばから30台の限定で販売される予定。
現在のブガッティのラインナップ その2
チェントディエチ
EB110へのオマージュとして設計されたチェントディエチは、シロンより20kg軽量で、シロン・スーパースポーツ300+とエンジンを共有している。
販売価格は800万ユーロ(9億7000万円)で、合計で10台が生産されている。
ラ・ヴォワチュール・ノワール
タイプ57SCアトランティックをモチーフにデザインされたラ・ヴォワチュール・ノワールは、シロンをベースにした1台限りの特別限定モデルだ。
カーボン繊維で作られた手作りのボディが特徴で、シロンと同じ8.0Lエンジンを搭載している。
AWD駆動システムとデュアルクラッチギアボックスに改良を加え、よりリラックスした運転を可能にした。
販売価格は1250万ポンド(17億円)で、これまでで最も高価な新車となった。
ディーヴォ
ディーヴォはシロンに続き公道を走行できるスーパーカーとして開発された。
シロンと同じ出力を持っているにもかかわらず、ナルド・サーキットでのテストでは、シロンより8秒も速い記録を出している。
エアロダイナミクス性能の向上と、シロンのような格納式ではなく、固定されたリアスポイラー使用して、90kg以上のダウンフォースが生成される。
40台の限定生産で、開始価格はシロンの約2倍の500万ユーロ(6億1000万円)。
2018年のペブルビーチ・コンクール・デレガンスでの発表に先立ち、40人のシロンのオーナーに売却されている。
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みんなのコメント
普通の車と違うのはさることながらフェラーリやランボルギーニなどのスーパースポーツなどともちょっと違う
筑波の全開アタックでどのくらいなのかな?