世界耐久選手権(WEC)第7戦富士6時間レースは、3時間が経過した直後にポルシェ6号車がフェラーリ50号車をオーバーテイクし、首位に立っている。
WEC富士6時間レースは、序盤の混乱が落ち着くと、首位のキャデラック2号車のアール・バンバーは安定したハイペースで周回を重ね、後続とのギャップを少しずつ開いていった。しかしスティント終盤には2番手BMWの15号車とのペースが逆転。一時は4秒以上あったギャップが縮まっていった。
■WEC富士6時間がスタート! 2周目にセーフティカー出動の波乱の幕開け
スタートから1時間が過ぎ、各車最初のルーティーンピット作業が始まる頃には、その差が2秒を切った。
しかしこのピットストップでポルシェ6号車が3番手から一気に2台を交わし、実質首位に浮上。キャデラック2号車、BMW15号車が2秒以下のギャップで先頭集団を形成し、その約9秒後方にトヨタの2台が続いた。
また、トヨタ勢はこのピットストップで左側の2輪タイヤ交換。7号車が8号車の前に出た。ポルシェ6号車のピット作業時間もトヨタ勢とほぼ同じであり、後からピットインした6号車や7号車が前のマシンをオーバーカットした形だ。
各車が最初のピットストップを済ませた後、1時間22分を過ぎたところでデブリ回収のためにバーチャル・セーフティカー(VSC)が出された。ここで、3番手BMW15号車やトヨタ勢含め、多くのマシンが再びピットイン。一方、首位6号車や2番手のキャデラック2号車はピットに入らず、戦略が分かれた。
そしてその後、VSCからセーフティカー(SC)先導に切り替わった。これでトヨタ勢は上位に追いつくことができた。
レース開始から1時間42分のところでリスタート。ポルシェ5号車がトヨタ8号車にターン1で仕掛けるが、オーバーテイクはできず。加速が遅れた5号車を、フェラーリ50号車がパス。50号車は勢いそのまま、メインストレートでトヨタ勢を次々とパスし、4番手に浮上した。
2番手キャデラック2号車、3番手BMW15号車、4番手フェラーリ50号車が三つ巴の接近戦を演じる中、首位ポルシェ6号車は4秒のリード。トヨタ勢は7号車が集団の5秒後方を追走した。
レース折り返し30分前のところで、ポルシェ6号車、キャデラック2号車が2度目のピットイン。ここで4輪タイヤを交換した。ペースが落ちていたトヨタ7号車もピットに入り、マイク・コンウェイからニック・デ・フリーズにバトンタッチした。
その他のマシンも続々とピットに入り、実質的なトップにはフェラーリ50号車(ニクラス・ニールセン)が浮上。ピットストップで3台をオーバーカットし、アウトラップで6号車のアンドレ・ロッテラーとのバトルを制した50号車が、首位でレースを折り返した。
しかしポルシェ6号車もそのすぐ背後に喰らい付き、3時間を少し経過したところで豪快にオーバーテイクを完了。首位に立ち、レース後半へと漕ぎ出していった。
BMW15号車と3番手を争っていたキャデラック2号車は、ターン1でランオフに飛び出し、右フロントタイヤにダメージ。スロー走行でピットに戻り、走行は再開できたものの13番手まで後退した。
トヨタ勢は、7号車が首位から18秒遅れの4番手。8号車はフェラーリ51号車を見事にオーバーテイクし、6番手に浮上してレース後半を迎えた。
LMGT3クラスは、TFスポーツ81号車コルベットがレース序盤のトップに。ユナイテッド・オートスポーツ59号車マクラーレンを抜いたアイアン・デイムス85号車ランボルギーニが2番手に浮上した。
表彰台圏内にいながら、チームメイトの59号車とのバトルでスピンした95号車マクラーレンは、再びスピンした後、スロー走行でピットに帰還。クラス最後尾まで後退した。
小泉洋史がドライブしていたTFスポーツ82号車コルベットは、他のマシンとバトルし、5番手付近までポジションを上げていたが、最初のピット作業の後にマシンをガレージに入れてしまった。後に走行を再開したものの、10周遅れとなってしまった。
2度目のSCの後にユナイテッド・オートスポーツ59号車がTFスポーツ81号車をパスし、クラス首位に浮上したが、レース折り返しを前に今度はアイアンデイムス85号車が59号車を交わし首位に。この3チームが上位でポジションを入れ替えながら周回を重ねている。
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