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突如デビュー、スズキ「ワゴンRスマイル」! 丸目+四角いボディのスライドドア車

掲載 更新 39
突如デビュー、スズキ「ワゴンRスマイル」! 丸目+四角いボディのスライドドア車

ワゴンRより背が高く、スペーシアより低い

スズキは2021年8月27日、新型軽自動車「ワゴンRスマイル」を発表した。発売は9月10日からで、価格は下記のとおり。トランスミッションは全車CVTで、ターボ車は設定されない。

ホンダの商標とバッティング!? スズキ「ワゴンRスマイル」のネーミングの顛末

・ハイブリッドX…159万2800円(FF)/171万6000円(4WD)
・ハイブリッドS…147万2900円(FF)/159万6100円(4WD)
・G…129万6900円(FF)/142万100円(4WD)

ワゴンRスマイルは全高が1695mmで、いわゆるハイト系。スズキ社内では「ワゴン」タイプと呼ばれるカテゴリーに分類される。この全高は背の高い「ハイトワゴン(こちらもスズキ社内での呼称。一般的にはスーパーハイト系と呼ばれる)」のスペーシア(全高1785~1800mm)とワゴンR(全高1650mm)の間に位置している。全高がワゴンRに近いことからワゴンRの名を冠しているが、パッケージングやメカニズムの多くはスペーシアをベースとする。

ワゴンRスマイルのポイントはスライドドアを設けたこと。軽乗用車市場におけるスライドドア車の新車販売は、軽ハイトワゴンの増加によって2018年度以降、過半数を占めるほどの人気ぶり。スズキによると軽ワゴン車の購入希望ユーザーのうち4割以上(女性は半分)がスライドドア車を希望しているという。

こうした動向に先手を打つ形で、「ワゴンタイプのスライドドア車」を投入したのがダイハツ。2016年9月にムーヴ キャンバス(全高1655mm)を発売した。スズキはこの1年ほど後にワゴンRスマイルの企画・開発をスタートさせたというから、ムーヴ キャンバスをかなり意識したのは間違いないだろう。ちなみに、ムーヴ キャンバスの2020年1~12月の販売台数(届出台数)は5万7183台で、ムーヴ シリーズの約55%を占めている。


「スライドドア車が少ない」という課題から

「時代の流れとして、販売の主力が昔はアルトだったのが、ワゴン系(ワゴンRなど)になって、今はハイトワゴン系がメインストリームになっています。そのハイトワゴンのキーアイテムといえるのがスライドドアです。生まれたときからスライドドア車に慣れ親しんだ世代が増えていて、もうスライドドアの利便性は外せないという人が増えてきたのではないかと思います。

そんななか、スズキのラインアップは他社さんに比べて、スライドドア車がわりと少ないという点が課題でした。ハイトワゴンのスペーシアもおかげさまで好調ですので、スライドドア前提で、スペーシアにもう1つの柱を追加できないかというのが企画のスタートでした。その結果、選ばれたのがワゴンRクラスの少し背が低いタイプです」(四輪デザイン部 四輪先行デザイングループ 新居武仁氏)

開発コンセプトは、高いデザイン性とスライドドアの使い勝手を融合させた新しい軽ワゴン。自分らしさを表現できる私のための新しいスライドドアワゴンを目指して、内外装のデザインには特に力を入れた。


性別や年齢に関係なく普遍的なデザインを意識

外観は、女性を意識したムーヴ キャンバスに対して性別に関係なく、子育て前や子育て後の世代がターゲット(ちなみに子育て層はスペーシアが担当)にし、普遍的なデザインを採用した。デザイン開発前にターゲットユーザーに対して市場調査を実施。シンプル志向の高まりとともに、単純なシンプルではなく、洗練と暖かみをうまく融合させたデザインが今後の主流になるという点に着目したという。

エクステリアデザインは、水平基調のボディの上に、キャビンが乗るシンプルな立体構成デザインを採用している。

「プロポーションを見ていただくと、このクルマはベルトラインが高くてキャビンが小さいという特徴を持っています。ある意味、骨太でスポーティな感じにも思える、ちょっと変わった見え方のクルマだと思います。また、丸目のヘッドライトがボディサイドからショルダー後端までつながる、優しく味わいのある面形状もこのクルマの見どころの1つです」(新居氏)

この丸目のヘッドライトは、スズキでは軽自動車初の厚肉インナーレンズの導光材を用いたもので、上質感を表現するチャームポイントである。


インパネやドアトリムにも特徴あり

インテリアは豊かな丸みを持つダッシュボードと、手曲げの塗装鉄板のようなツヤを表現した大きなカラーパネルを採用。インパネやドアトリムには、職人が手作業で張り込んだような革のシボや、長さが微妙に異なって自然に見える疑似ステッチを施し、ルーフの内張りには大きめのキルティングの表現を取り入れている。

「今回インテリアでは、インパネやドアトリムに疑似ステッチや革のシボを施していますが、そのリアリティの追求やカラーパネルなどのカラーのマッチングに相当時間をかけました。こうした細部の吟味などを含め、けっこう楽しくデザインをさせていただきました」(四輪デザイン部 四輪インテリアグループ マネージャー 辻村隆光氏)


全12色のボディカラーに加えて、4つのスタイルを提案

ボディカラーはハイブリッド系に設定する8種類の2トーンカラー、そのほかモノトーンカラー4種類と全12種類のカラーを設定。ホイールキャップ、インテリアのカラーパネルとコーディネートさせた。アクセサリーも含めて4つのスタイル(ブリティッシュ/エレガント/カリフォルニア/モダン)のコーディネートを設定した点もポイントだ。

「新色のコーラルオレンジメタリックは、難しい色域でかなり苦労して作った色です。また、室内にカッパーのアクセントを加えていますが、色合いもかなり吟味しております。赤みに振ると可愛くなりすぎてしまいますし、かといって彩度を落とすとチタンのようになり、違った見え方をしてしまいます。その点にもこだわっていますので、ぜひ注目していただければと思います」(四輪デザイン部 四輪インテリアグループ 邉田紘一氏)


ターボ車は未設定…街乗りを重視

パワーユニットはマイルドハイブリッド車(ハイブリッドX、ハイブリッドS)と純ガソリン車(Gグレード)を設定。スペーシアやワゴンRでは、ハイブリッドにターボ車を設定しているが、今回の新型車では設定がない。この点について、チーフエンジニアを務める高橋正志氏は「このクルマのコンセプトである、街乗り重視でパーソナルユースという点を考えたときに、スペーシアよりも重量を軽く(スペーシア:850~950kg/ワゴンRスマイル:840~920kg)しているので、経済性・燃費(WLTCモード:22.5~25.1km/L)を考えるとNA一本でまずは勝負してみて、お客様の声をお聞きして、また次に判断したい」と説明している。

安全装備では、夜間の歩行者も検知するデュアルカメラブレーキサポート、後退時ブレーキサポート、前後誤発進抑制機能、ハイビームアシストなどを全車標準装備。ハイブリッドX/Sに設定される「セーフティプラスパッケージ(4万6200円高)」には全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール、ヘッドアップディスプレイ、標識認識機能を採用している。

そのほか、装備面ではメーカー設定のナビゲーションとして、ハスラーやソリオ同様に9インチメモリーナビゲーション(18万7000円高)を用意。全方位モニターには「すれ違い支援機能」をスズキで初採用。これは狭い道でのすれ違い時に、左側サイド/フロント映像をモニターに映し出す新機能だ。

グレード体系は、メッキなど上質な加飾や充実した装備を搭載した最上級グレード「ハイブリッドX(FF:159万2800円/4WD:171万6000円)」、マイルドハイブリッドや両側パワースライドドアなどを装備した「ハイブリッドS(FF:147万2900円/4WD:159万6100円)」、唯一の純ガソリン車となるベーシックグレード「G(FF:129万6900円/4WD:142万100円)」の3グレードを設定している。


豊富なボディカラー一覧

ボディカラーは、下記12種類を用意。

●2トーンカラー(ハイブリッドX ※4万4000円高/ハイブリッドS 2トーンルーフパッケージ装着車 ※6万500円高)
・フェニックスレッドパール+ブラック2トーンルーフ
・インディゴブルーメタリック2+ホワイト2トーンルーフ
・アーバンブラウンパールメタリック+ウッディブラウン2トーンルーフ
・コーラルオレンジメタリック+アーバンブラウン2トーンルーフ
・オフブルーメタリック+ホワイト2トーンルーフ
・シフォンアイボリーメタリック+ホワイト2トーンルーフ
・ピュアホワイトパール+ブラック2トーンルーフ
・ブルーイッシュブラックパール3+ホワイト2トーンルーフ
●モノトーンカラー
・オフブルーメタリック
・インディゴブルーメタリック2
・ピュアホワイトパール
・ブルーイッシュブラックパール3


ワゴンRスマイルのスペックをチェック!
■新型ワゴンRスマイル「ハイブリッドX」グレードの主要諸元
全長×全幅×全高:3395mm×1475mm×1695mm
ホイールベース:2460mm
トレッド:前1295mm/後1300mm
最低地上高:150mm
車両重量:870kg
エンジン型式:R06D
エンジン種類:直列 3気筒
ボア×ストローク:61.5mm×73.8mm
総排気量:657cc
圧縮比:12.0
エンジン最高出力:36kW(49ps)/6500rpm
エンジン最大トルク:58Nm(5.9kgm)/5000rpm
燃料タンク容量:27L
モーター型式:WA04C
モーター種類:直流同期電動機
モーター最高出力:1.9kW(2.6ps)/1500rpm
モーター最大トルク:40Nm(4.1kgm)/100rpm
駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF(前輪駆動)
サスペンション形式:前ストラット/後トーションビーム
ブレーキ:前ディスク/後L&Tドラム
ホイール:14インチスチールホイール+フルホイールキャップ
タイヤサイズ:155/65R14

〈文=ドライバーWeb編集部〉

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みんなのコメント

39件
  • スマイルを見るとキャンパスがより一層カッコよく見える
  • ファービーみたいな顔が気持ち悪くて生理的に受け付けない。
    キャンバスもモデル末期だから車自体は勝っているんだろうけど、可愛いからキャンバス選んでいた女の子達の選択肢になるかどうか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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