2022年1月の東京オートサロンでワールドプレミアされたトヨタGAZOO Racingの『GR GT3コンセプト』。トヨタ/レクサスのどの現行生産車にも似ていないフォルムを持つこの車両は、その車名どおりFIA GT3規定に合わせてすでに開発が進められており、将来的にはGT3車両が参戦可能な世界中のレースで走ることが期待されている。
現在、トヨタ/レクサスのGT3車両といえば、日本のスーパーGT・GT300クラスや、北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTDプロ/GTDクラスに参戦しているレクサスRC F GT3がある。
東京オートサロン2022開幕で初披露。TOYOTA GAZOO Racing『GR GT3コンセプト』は「勝てるGT3」を目指す
北米での活動を担うレクサス・モータースポーツ・マネージャーのジェフ・バルと、TRD-USAプレジデントのデビッド・ウィルソンによれば、このコンセプトカーは将来のレクサスGT3車両に向けた「インスピレーション(ひらめき・刺激)」の役目を果たす可能性があり、RC F GT3の後継車両となることに「かなりの自信を持っている」と語っている。
GR GT3コンセプトは、次にレクサスによってもたらされる何らかのレースカーの“サイン”であるのかとSportscar365から尋ねられたウィルソンは、次のように答えた。
「簡単な答えは『イエス』だ。点と点をつないで考えるなら、かなり楽観的になることができる」
「そこには、レクサスRC F GT3の後継車両があるものと確信している。そのスケジュールということになると、我々はまだ知らないがね」
「今年(のIMSA)は、RC Fでの6年目になる。最後のEvo(エボルーション/進化)は2020年だったと思う。歳老いてきているが、FIAのホモロゲーション・サイトを見てみれば、この車両が2026年まで公認されていることが分かるだろう」
「それ(2026年までRC F GT3を走らせる)は、最悪のケースだ。それよりもかなり前に、新しいものを目にしたいと思っている」
トヨタの新しいGT3車両のデビュー時期は発表されていないものの、バルはそれが2024年になる可能性があることを示唆している。
「それ(2024年のデビュー)が我々のターゲットだ」とバルはSportscar365に対し語っている。
「彼ら(トヨタ)は車両の開発という点では、大きな進歩を遂げている。我々は2024年(のデビュー)と、それ以前のテストを望んでいる」
現時点で不透明なことは、参戦車両のブランドだ。北米以外ではホンダとして参戦しているアキュラNSX GT3と同様に、特定の地域で異なるバッヂをつけることができるかどうか、という点である。
「(北米では)フロントとリヤに、『L』が付くことを期待している」とバルは述べている。
「だが、それはGAZOO RacingのGT3コンセプトだ。TRDとレクサスとトヨタが複雑に入り組むここ(北米)でなされれてきた、多くの議論と非常によく似ている。レクサスのバッヂがつけられるのかどうか、確かなことは言えない」
「我々はそうなることを祈っている。『F』という呼称には、高い公平性がある。とりわけ、トラック上で順調な成果を挙げているいまは、なおさらだ」
■RC F GT3でトヨタが得た“重要な教訓”
ウィルソンは、IMSAウェザーテック選手権における近年のレクサスの成功のレベルの高さが、トップレベルのスポーツカーレースにおける同ブランドの「長期的な未来を確実にした」と語っている。
「北米のレクサスと、レクサス・インターナショナルは、このブランドにとってコンペティションがいかに重要であるか、そしてパフォーマンスの観点からはその背後にある信頼性を築き上げることがいかに重要かを理解している」とウィルソン。
「過去何十年にもわたって、我々はこれらの適合を行い、レースをしてきた。あっという間に過ぎた日々だった。その意図は、我々のコンペティターが、何十年もしてきたようにレースをすることだ。私にとっては、それが基本だ」
「そこに長期にわたって強力な基盤があることは確かであり、それは素晴らしいことだ」
量産車をベースにGT3仕様を作り上げたRC Fとは異なり、次世代のGT3車両は将来の量産モデルと並行して設計および製造されることを、ウィルソンは示唆している。
「私は、現在レースをしている車両(RC F GT3)について、多くのことを話してきた。また、その車両のおかげで、GT3車両を世に送り出すための正しい方法についてトヨタが世界的に重要な教訓を得たことについても話してきた」
「残念ながら、RC Fでは、レース車両は後から考えられたものだ。生産車が最初にあり、『では、このクルマでレースをしようか』という考えだった」
「今回、我々がありがたく感じていることは、企画書の最初の行を書くよりも前に、それがGT3車両であると示すことを(トヨタが)決断したことだ」
「いま確かに言えることは、そのコンセプトから発生するもの、そしてその背後にある何かは、非常に意図的かつ、非常に戦略的に行われるはずだ、ということだ」
「それについてトヨタが世界的に発信する準備ができたとき、さらなることが明らかになるだろう」
ウィルソンはさらに、次のように続けた。
「我々のパートナーシップと、レクサスRC F GT3への継続的な開発への貢献からもたらされるもうひとつの効用は、我々が日本の同僚から得られる信頼をさらに増しているということだ」
「我々は日本サイドと定期的に話し合い、レースから学んだ知恵を提供し、仕様設計の観点からそれを確かなものにできるよう助けている。この先どうなるにせよ、我々は正しい場所に立っている」
「我々にとって最も重要なことは、開発に参加することだ。それは我々が獲得したリスペクトであり、北米への敬意であり、それらがグローバルなGT3カーにとっていかに重要であるかということだ」
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でも、もうそんな壁をどうこう云ってる時代場合じゃない…いいアイデア、工夫してかないとモタスポが成り立ってかない…柔軟さが求められてる