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AMG最強で初のPHEV メルセデスAMG GT 63 S Eパフォーマンスへ試乗 トルク149.3kg-m 後編

掲載 更新 7
AMG最強で初のPHEV メルセデスAMG GT 63 S Eパフォーマンスへ試乗 トルク149.3kg-m 後編

内燃エンジン版と遜色ない敏捷性

メルセデスAMG初のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)となる、GT 63S E パフォーマンス。車重2380kg、全長5054mmのサルーンが披露するロケットダッシュには、息を呑む。300km/hまで、ためらうことなく加速していく。

【画像】AMG最強で初のPHEV GT 63 S Eパフォーマンス 欧州の競合サルーンと比較 全141枚

そのたくましさは尋常ではない。エネルギーを路面へ展開する四輪駆動システムの完成度も、卓越といっていいだろう。

回生ブレーキの能力も優秀。時によってはエンジンの余力で充電可能で、ケーブルをつながずにバッテリーの電気を回復できる。サーキットで試したところ、2周ほど穏やかに周回すれば、フルアタックへ充分な充電量が得られるようだった。

これだけの動力性能だから、コンフォート・モードでも乗り心地は基本的に硬い。しかし、路面の粗野な凹凸などは、迅速に変化するアダプティブダンパーが巧みに吸収してくれる。

高速域でのしなやかさも印象的。高速道路でも、車内の平穏を保ってくれる。

一方で、劣化したアスファルトや継ぎ接ぎに対しては、少々過敏。大きな接地面を持つタイヤからは、ロードノイズが盛大に発生する。全体的に素晴らしい長距離ツーリングでの印象を、低めてしまっていた。

ステアリングホイールの反応は、切り始めからシャープ。重たいPHEVだとしても、GT
63 S 4ドアクーペと遜色ない敏捷性を備えている。意欲的に進路を変えていく振る舞いには、舌を巻く。

パワーステアリングは電動機械式。手のひらへ伝わってくるフィードバックも、充分あるように感じた。

リアが重くなり50:50へバランス改善

高速でコーナーへ突っ込んでいくと、明確にボディロールが生じるが、巧みに抑制されている。旋回を始めた段階から徐々に角度が増していくため、限界が迫っている状況も把握しやすい。

タイヤはミシュラン・パイロットスポーツ4が標準。四輪駆動システムの恩恵もあり、グリップ力にも事欠かない。

スポーツからスポーツ・プラス、レースへと、ドライブモードを引き締めるごとにレスポンスが高まり、クルマとの一体感も深まっていく。シャシーの能力を探るほど、リアタイヤ主導に調整された操縦性も濃くなっていく。

つまり、楽しさも増していく。駆動用モーターやバッテリーで加算された重さが消えることはない。それでも、アクセルペダルの踏み加減でコーナリング姿勢を変化させることも可能だ。

常にトラクション状態を監視している四輪駆動システムの4マテック+は、通常のメルセデス・ベンツとは設定が異なる。テールスライドと同時に、積極的にフロントタイヤ側へ駆動力を分配する。

その結果、安心感のあるニュートラルな挙動が維持される。スタビリティ・コントロールの効きが弱い状態であっても。

PHEV化で興味深い点が、前後の重量配分。リア側にコンポーネントが追加されたことで、54:46から50:50という理想値へ整ったらしい。

「動的能力という点では、PHEVは内燃エンジンのみのモデルを超えていません。しかしリア側のウエイトが増えたことで、全体的なバランスは改善されています」。とハーマンが説明する。

更なる興奮度と加速力が上乗せ

ブレーキディスクは、軽いカーボンセラミック。フロントが420mm、リアが380mmという大径で、たくましいブレンボ社製のキャリパーが挟んでいる。

その制動力に疑いようはないが、4段階に効きが変化する回生ブレーキも搭載されており、ソリッドな感触はやや薄い。ドライブモードを切り替えると、ブレーキペダルを踏んだ時の重さも変化するようだった。

メルセデスAMG初のPHEV、GT 63 S Eパフォーマンスの英国価格は、17万3655ポンド(2900万円)から。内燃エンジン版のGT 63 S 4ドアクーペから、3万1800ポンド(531万円)も遠い存在となっている。

その追加予算に見合う内容かどうかは、ドライバーによって感じ方が変わりそうだ。見た目の違いは、エンブレムを除いて、僅かに手が加えられたフロントバンパーと20インチか21インチのアルミホイール程度となっている。

インテリアの差異も小さい。モニター式のメーターパネルに追加された、PHEVに関する表示程度に留まる。

それでも、メルセデスAMG GT 63 S Eパフォーマンスの訴求力は明らか。駆動用バッテリーとモーターが追加されたことで、これまで充分に高性能だった4ドアサルーンは、新次元といえる動的能力を獲得している。

ダイナミックな個性や、グランドツアラーとしての快適性は変わらない。そこへ、更なる興奮度と加速力が上乗せされたのだから。

メルセデスAMG GT 63 S Eパフォーマンス(欧州仕様)のスペック

英国価格:17万3655ポンド(2900万円)
全長:5054mm(通常4ドアクーペ)
全幅:1871mm(通常4ドアクーペ)
全高:1442mm(通常4ドアクーペ)
最高速度:315km/h
0-100km/h加速:2.9秒
燃費:12.7km/L
CO2排出量:−
車両重量:2380kg
パワートレイン:V型8気筒3982ccツインターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:6.1kWh
最高出力:843ps(システム総合)
最大トルク:149.3kg-m(システム総合)
ギアボックス:9速マルチクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

7件
  • リアのバカ面なんとかならんか?
    ドイツのメーカーはプライド高過ぎて造り手のエゴしか感じない
    フロントはオラオラ
    リアは能面
    気持ち悪い
  • シックスライトの失敗作を継続するのね
    これクーペと言っても厚みあるから全然スタイリッシュじゃ無いんだよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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