ロールス・ロイスのデザイナーを招聘
中国共産党の上層部が乗る、リムジンなどを主に手掛けてきたホンチー(紅旗)。国有自動車メーカーの中国第一汽車(FAW)傘下にあるブランドで、その名前も由来を示している。1958年に設立され、中国版ロールス・ロイスと評されることもある。
【画像】欧州へ上陸 ホンチーE-HS9とニオES8 競合する純EV SUVと比較 全115枚
自動車の普及が進む中国だが、L5をはじめとするLシリーズ・リムジンは、今もまだ特別階級向け。市民向きのモデルとなるのが、Hシリーズだ。デザインはドイツ御三家やジャガーに似ているモデルも多いが、2020年には20万台の販売台数を記録したという。
2018年、FAW社はカリナンなどを手掛けたロールス・ロイスのデザイナー、ジャイルズ・テイラー氏を招聘。デザイン・ディレクターとして、新しいホンチーのスタイリングを任せることにした。
テイラーが着任してから最初の量産モデルとなるのが、今回ご紹介する純EVのE-HS9。その写真に、カリナンの面影を感じるという読者もいらっしゃるだろう。
欧州上陸も進行中で、すでにノルウェーでは販売がスタートしている。今後、販売拠点は欧州各地に広がる予定だという。日本でも、大阪にエクスペリエンス・センターをオープンしている。
E-HS9の全長は5209mm、全幅は2010mmと巨大。フロントグリルだけでも、相当な存在感がある。スタイリングはやや従来的なもので、純EVであることを匂わせる部分も少ない。
素材は期待値以下でも豪華な見た目の車内
そんな大柄なSUVへ近づいてみると、小さな仕掛けがあった。Cピラーのクロームメッキ部分にLEDが内蔵してあり、充電状態を示すインジケーターとして機能するという。
ボタン式のドアハンドルを押して車内へ乗り込む。インテリアは、造形的には豪奢に見えるが、素材の質感は期待ほどではないようだ。キルティング加工されたレザーが印象的ながら、部分的に合成皮革も用いられている。
センターコンソールのソフトパッドも、クッション材の厚みが薄い。ウッドパネルもフェイク素材に見えた。
とはいえ、パワーシートの座り心地はとても良い。ヒーターだけでなくベンチレーションやマッサージ機能も内蔵されている。これらの操作は、ダッシュボード前面を占拠する大きなタッチモニターで行う。エアコンと同様に。
ドライバー側には、メーター用モニターが内蔵されている。ステアリングホイールのボタンやスクロール・ダイヤルを介して、表示情報やドライブモードの変更ができる。
ダッシュボード中央のモニターは、インフォテインメント用。インターフェイスは文字が中心の構成で、中国語表記のため筆者には難しかった。助手席側のモニターは、個別のエンターテイメント用だ。
ドアパネルのポケットなどには、間接照明があしらわれている。だが、もう少し細部まで気を配っても良いだろう。
不満のない加速力にスムーズな乗り心地
ノルウェーで販売されるE-HS9は、3列の6シーター。2列目はフロントシートのように独立タイプなものの、マサージ機能はない。そのかわり大きなアームレストが付く。ちなみに中国で売られるフラッグシップは、リアシートを優先した2列4シーター仕様となる。
リアシート用としてセンターコンソールの後端に、独立したエアコンの操作パネルとUSBの充電ポートが用意されている。3列目シートへの乗降はリアドアからだが、あまりスムーズではない。
3列目の足もと空間は2列目のスライド位置によるが、頭上空間は充分に確保されている。6名乗車の状態でも、荷室容量も使えるサイズが残る。3列目シートの折りたたみは、電動でワンタッチで済む。
公道へ出てみると、巨大なボンネットが前方に広がり、ボディの大きさを実感させられる。全長5mを超えるものの後輪操舵システムがなく、角を曲がると一層その感覚が強められる。車重も2610kgと軽くない。
E-HS9の質量を考えれば、加速力は充分に納得できる。エアサスペンションを装備し、乗り心地はスムーズ。アクセルペダルを深く踏み込むと、フロントノーズを持ち上げるテイクオフ・スタイルを取る。
ステアリングホイールの重み付けは、多くの中国車と異なり軽すぎない。反応も正確だと感じた。
回生ブレーキの効きは調整できるが、最も強力な設定にしても明確に減速感は強まらない。ワンペダル・ドライブは不可能だ。
欧州仕様では課題の一部を解決
巨大なサイズに存在感のあるスタイリングで、市街地では間違いなく人目を引くE-HS9。しかも中国価格は、車格や豪華さを考えれば比較的お手頃といえる、63万9800元(約1153万円)に設定されている。
ただし、ソフト加工されたプラスティック製部品やシートの素材など、ラグジュアリーさという点では水準以下。装備も充実しているとはいえず、ヘッドアップ・ディスプレイはフラッグシップのみの設定となっている。
0-100km/h加速はメーカー値で4.9秒がうたわれているとはいえ、ドライバーが楽しいと感じるドライビング体験ではない。興奮度は低いといえる。
欧州仕様のホンチーE-HS9では、これらの課題の幾つかが改善されるという。最終的な仕上がりいかんでは、スムーズに欧州市場へ上陸することも難しくはなさそうではある。
ホンチーE-HS9 フラッグチャン・エディション(中国仕様)のスペック
中国価格:63万9800元(約1153万円)
全長:5209mm
全幅:2010mm
全高:1731mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:4.9秒
航続距離:465km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2610kg
パワートレイン:ツインAC永久磁石同期モーター
バッテリー:99.0kWh
最高出力:216ps(フロント)+330ps(リア)
最大トルク:−
ギアボックス:−
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みんなのコメント
このデザインならデザイナーって必要ないんじゃないの?
レットリボン軍かと思った(笑)