マクラーレンF1のチーム代表であるアンドレア・ステラは、9月1日に開催されたF1第16戦イタリアGPでのチームの戦略を説明するのに苦労した。比較的簡単に達成されると思われたモンツァでのワン・ツー・フィニッシュが、シャルル・ルクレールとフェラーリによって阻まれたためだ。
オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がオープニングラップの途中で僚友のランド・ノリスからリードを奪おうと強引に動いたことは、いわゆる“パパイヤ・ルール”がかなり脆いものであることの表れだった。
3位ノリス「フェラーリと違い、1ストップは無理だった」ピアストリのオーバーテイクには驚き「クラッシュしていたかも」
一方、レースの終盤でピアストリに対して「ノリスを先に行かせるように」との指示が出なかったことは、レッドブルのクリスチャン・ホーナー(チーム代表)とヘルムート・マルコ(モータースポーツ・アドバイザー)のふたりを含む多くの人々にとって腑に落ちないことだった。彼らレッドブルの首脳陣が、フェルスタッペンがタイトルを争うライバルに対し追加の3ポイントを失わなかったことを喜んでいたのは明らかだろう。
ピットウォールで順位を入れ替える旨の指示を出すことが検討されたのかと尋ねられたステラは、「そのようなことは考えていなかった」と認めた。「レース中、ランド(・ノリス)がチャンスをつかめるよう他の方法を検討したが、ポジションの入れ替えは検討しなかった」
「なぜなら我々はルクレール(フェラーリ)にできるだけプレッシャーをかけ、最終的にはロックアップのような、シケインのひとつで左フロントタイヤに問題を起こさせるよう仕向けるつもりだったからだ」
それでも、3台のマシンがルクレール、ピアストリ、ノリスの順でフィニッシュラインに到達したとき、ピアストリが順位を譲るよう求められなかった理由の説明にはならない。2位でも3位でもピアストリにとって実質的な違いはなかったはずだからだ。結局のところ、彼はチームメイトに勝利をプレゼントするように求められたわけではなかった。
ステラは、ノリスにはトップに躍り出るチャンスが何度か与えられたと示唆していた。そのためノリスがドライバーズタイトル獲得の唯一の希望であることが、今や明確になっているのかステラに尋ねるのは理に適ったことだった。彼は当初「両ドライバーとも数字的にその状態にある」と述べていたが、すぐに「数字の面から見ればランドが明らかにベストポジションにいる」と認め、次のように明言した。
「我々はマックス・フェルスタッペンと戦っているので、もしひとりのドライバーをサポートしたいのであれば、間違いなくベストポジションにいるドライバーを選ばなければならないと思う。また、ランドはザントフォールトでもここでもポールポジションを獲得するなど非常に好調だ」
「どちらかといえば、ランドに関してはポールポジションを活かすことができるように、レース上の細かい部分を調整する必要がある。おそらくそれは彼の役に立つだろう。今日の彼の最初のラップを見れば分かると思う。一緒に見直してみれば、もっとうまくできた点がいくつかあったはずだ」
ナンバーワン・ドライバーの地位についての議論に加わることを拒否したステラは、「ここでのレース前の会話で、我々はドライバーズ選手権の観点からランドが最高のポジションにいることをすでに認めていた」と述べた。
「我々はオスカー(・ピアストリ)と話をするし、ランドとも話し合う。また一緒に会話もする。それによって我々の交戦ルールを定義している」
そして最後に、同氏はふたたび断言した。「最初のラップを振り返る必要があるが、我々がランドとともにチャンピオンシップに挑戦したいという事実は別として、それは適切かつ詳細に、具体的な方法で行われなければならない」
「ビデオを考慮に入れ、ドライバーの期待は何だったのか、そしてこの状況から何を学んで将来の状況を調整できるか見極める必要がある」
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