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2002年の排ガス規制が命運を左右した!? 平成レトロカーの分岐点

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2002年の排ガス規制が命運を左右した!? 平成レトロカーの分岐点

 今も変わらない独特の輝きを放ち続ける平成のレトロカーたち。その魅力に目を奪われるたびに我々は考える。彼らが正統進化した姿を。出会うことは叶わなかった「次期型」のシルビアやRX-7……。

 それらの出現を阻んだのは「平成12年排出ガス規制」。平成レトロカーの分水嶺となったあの排ガス規制を通して、魅力あるレトロカーたちの命運を振り返る。

2002年の排ガス規制が命運を左右した!? 平成レトロカーの分岐点

※本稿は2022年9月のものです。
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年10月10日号

■規制対応を見送り姿を消したクルマたち

日産 スカイラインGT-R(R34型)…RB26DETTを搭載する第二世代GT-Rの最終モデルとなったR34型は、2002年8月の排ガス規制猶予期間満了をもって販売を終了した。その後GT-Rは2007年にR35型で復活するが、世界観はガラリと変化した

 平成レトロカーといってもその範囲は幅広い。いま改めて手に入れて乗るというのであれば、現実的なのは2000年前後以降のモデルということになろう。

 平成レトロカーを語るうえで、絶対に忘れてならない出来事がちょうど20年前の2002年8月末にあった。

 そう、強化された排ガス規制への対応を見送ったクルマたちが、同年8月31日をもって生産を終了したのであった。

 この時生産、販売を終了したのがR34型スカイラインGT-R、A80型スープラ、FD3S型RX-7、S15型シルビアなどであった。

 この要因となった『平成12年排出ガス規制』が施行されたのが2000年10月1日のことであった。

 それまで適用されていた『昭和53年排出ガス規制』から約70%も排ガスを低減する、低公害に則した厳しい規制。

 具体的にはNOx(窒素酸化物)が0.48g/km→0.08g/km、CO(一酸化炭素)が2.70g/km→0.67g/km、HC(炭化水素)が0.39g/km→0.08g/kmというもの。

 施行日よりも前に認可を受けていたクルマの生産猶予期間とされたのが2002年8月31日だったのだ。

 もちろん、各メーカーの技術力をもってすればこれら各車もパフォーマンスを落とすことなく排ガス規制をクリアすることはできた。

 だが、いずれもエンジン本体の基本設計が古く、また、時代的にスポーツモデルの販売が低調化していた。

 そのため、多額なコストをかけて排ガス対応をするよりも、その開発資源を人気の高まっていたミニバンや、今後の投入が必須とみられたハイブリッドパワーユニットなどの開発に充てたほうが有益と判断され、生産を終了していったのであった。

 トヨタはスープラの販売を終了したことで、このあとしばらく2ドアスポーツモデルがラインナップされない期間が続くこととなった。

■スポーツモデルは1000万オーバーの超高額車に

日産 シルビア(S15型)…S14型では3ナンバーサイズとなったボディを絞って、再度5ナンバーサイズとなったS15型シルビア。直4、2Lターボは250psを発揮し、FRらしい操縦性が味わえた。販売期間は4年弱と短く、レアな存在となる

 この排ガス規制問題があったため、これら平成レトロカーのなかでも特にクルマ好きにとって魅力的なクルマたちは、いずれも最終モデルでも20年以上前の生産車ということになってしまったのだ。

 スポーツモデルは2010年代になって国内各メーカーから新型車が登場してくるのだが、R35GT-Rにしても2代目NSXにしても、レクサス RCやLCなどにしても、1000万円級の超高額車になってしまい、おいそれとは手が出せない存在となってしまった。

 その意味でも2002年8月の排ガス規制による生産終了は、大きなターニングポイントになったと言って過言ではない。

 一方でホンダNSXは排ガス規制を見越して1997年のマイチェン時にいち早く対応。

 1999年9月には当時の低公害車「優-低排出ガス」認定を受け、2002年8月以降も継続して販売されたし、同じくホンダのS2000は最初から排ガス規制に適応した2LNAの超高回転型エンジンを開発して対応した。

 フェアレディZはVG型エンジンを搭載するZ32型を2000年9月に生産終了して一時期消滅していたが、新世代VQ型エンジンを搭載するZ33型が2002年7月30日に登場して、まさに平成時代の国産スポーツモデルの世代の移り変わりを印象付けた。

 このように、平成レトロカーは2002年8月を境に「旧世代」と「新世代」が明確に入れ替わるのだ。

【番外コラム01】2002年8月を乗り切ってた平成レトロスポーツモデル

ホンダ NSX

ホンダ S2000

 初代ホンダ NSXは1990年の登場。1997年には排ガス対応を完了し、2005年まで販売。S2000は1999年4月に排ガス対応して新規投入された。

【番外コラム02】さらに2002年8月以降にデビューした平成レトロスポーツモデル

日産 フェアレディZ(Z33型)

 日産 フェアレディZはZ32型が2000年9月に販売を終了したのち、Z33が登場する2002年7月30日まで不在となるも、排ガス規制に対応して復活した。

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みんなのコメント

21件
  • うちの車は規制前の98年式、エンジンはSR16。現行の車で乗り換えたいと思えるのってないんだよなあ。
  • 古き良き時代いいね!
    今販売している車で乗りたいのがない・・・
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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