カタルニア・サーキットで開催されているF1第10戦スペインGP。大会2日目の予選セッションではマクラーレンのランド・ノリスがポールポジションを獲得した。RBの角田裕毅は17番手だった。
2024年のF1スペインGPは初日に続き2日目もドライコンディション。現地16時からスタートした予選では、気温24度、路面温度38度。快晴だった初日からは路面温度が大きく下がった。
■マクラーレンF1、モータホームでボヤ騒ぎが発生……関係者は無事避難。2日目走行への影響は不明
■どうしたRB? 2台そろってノックアウト|Q1
上位15台を決める18分間のQ1はゆっくりとした出だしになった。これまでのフリー走行から、Q1突破が厳しいとみられていたマシン5台がまずコースへ出て、最初のタイム計測を行なった。
残りの15台は15分を切ったところからの出走。Q2に向けて着実に駒を進めるべく、コースへ出ていった。今回が母国戦となるフェラーリのカルロス・サインツJr.とアストンマーティンのフェルナンド・アロンソはピットアウト時にスタンドからの大きな拍手で迎えられた。
全車が1回目のタイム計測を終えたところでトップに立っていたのは、フェラーリのシャルル・ルクレール。レッドブルのマックス・フェルスタッペン、マクラーレンのランド・ノリスがそれに続いた。これで多くのドライバーは一度ピットへ戻った。
ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンが比較的空いたコース上でのアタックを終える中、Q1突破が確実なトップ5を除くドライバーが最終アタックのために再度コースインした。
ここでメルセデスのルイス・ハミルトンが1分12秒143を記録してトップへ。最近はQ1落ちが続いていたレッドブルのセルジオ・ペレスも8番手でQ2に進出した。
パフォーマンスが接近する中団グループでは、今回アルピーヌやキック・ザウバーなどが速さを見せており、この2チームは2台揃って進出。予選職人との呼び声高いハースのニコ・ヒュルケンベルグもQ1を突破した。
一方もう1台のハース、ケビン・マグヌッセンは、15番手ギリギリ通過となったアストンマーティンのランス・ストロールに0.056秒届かず16番手となった。
また今週末はアップデート投入も苦しむRBは、Q1で3セットのソフトタイヤを投入したものの、角田が17番手、ダニエル・リカルドは18番手。同じく苦戦を強いられているウイリアムズの2台もノックアウトとなった。
■やっぱり速い? フェルスタッペンがトップ通過|Q2
トップ10入りを決める15分間のQ2も静かな出だしに。ほとんどのドライバーがガレージでタイミングを待ったため、序盤はユーズドタイヤを履くストロールの専有走行状態となった。
残るドライバーもセッションが10分を切ろうかというところでコースイン。Q2最初のタイム計測を行ない、1分11秒653を叩き出したフェルスタッペンがノリスやサインツJr.を退けてトップに立った。ここでハミルトンは13番手だったが、これはユーズドタイヤでのタイム。新品タイヤでのアタックに向けてピットへ戻った。
新品タイヤを履いたストロールがトラフィックの無いコース上でアタックを終える中、フェルスタッペンやノリス、フェラーリ勢を除くドライバーがコースに。Q2最後のタイム計測を行なった。
ここでメルセデス勢はタイムを更新。トップのフェルスタッペンが記録したタイムには届かなかったものの2~3番手につけた。
これでレッドブル、メルセデス、マクラーレン、フェラーリ、アルピーヌの5チームが2台揃ってQ3へ。アロンソは10番手となったアルピーヌのエステバン・オコンに0.019秒届かず11番手。Q2敗退となった。
Q2ではアロンソ以下、バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)、ヒュルケンベルグ、ストロール、周冠宇(キック・ザウバー)が姿を消した。
■覚醒ノリス、絶品アタックで魅せる|Q3
ポールポジションを決める12分間のQ3。まずタイム計測を行なったのはペレス。ユーズドタイヤで1分13秒061のターゲットタイムを記録した。それをフェルスタッペンが1分11秒673で上回りトップに立ち、その後も新品タイヤ勢がタイムシート上位に名を連ねた。
ユーズドタイヤ勢の中ではアルピーヌのピエール・ガスリーが7番手で最上位。マクラーレンのオスカー・ピアストリはターン10でのトラックリミット違反によってタイム抹消となった。
最終アタックに向けて、残り3分を切るところで全車がピットアウト。もちろん、各車とも履いたのは新品のソフトタイヤだ。
先頭でアタックを行なったペレスは1分12秒061と大きくタイムを伸ばせず。それに続いたピアストリはターン12でグラベルに飛び出し、ノータイムのままピットインを余儀なくされた。
フェラーリ勢は自己ベストを叩き出すも、フェルスタッペンが最初に記録したタイムには届かず。そのフェルスタッペンは1分11秒403を記録して2番手以下との差を広げ、ポールポジション確実かと思われた。
しかし最後にスピードを見せつけたのはノリス。フェルスタッペンを0.020秒上回る1分11秒383を叩き出した。
最後にアタックを行なったのはメルセデス勢だったが、フェラーリ勢を上回ったもののトップ2には届かず。ハミルトンが3番手、ジョージ・ラッセルが4番手だった。
結局、今季のマイアミGPでF1初優勝を挙げたノリスが、ここでキャリア2回目(2021年ロシアGP以来)のポールポジションを獲得となった。
今回の予選では、2番手フェルスタッペン、3番手ハミルトンと、トップ3には異なる3チームが並んだ。4番手以下はラッセル、ルクレール、サインツJr.、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)、ペレス、オコン、ピアストリというトップ10となった。
エミリア・ロマーニャGPやモナコGP、カナダGPとここ数戦は苦しい状況も目立ったレッドブル。オーソドックスな常設サーキットでのスペインGPではシーズン序盤の力を取り戻すかもしれないという声もあったが、予選でマクラーレンに土をつけられる形となった。ペレスの8番手という結果も、レッドブルが楽な立ち位置にはいないということを示唆している。
ここ2年の絶対王者VS打倒目指し鼻息荒いライバルたち……日曜日の決勝レースでも激しい優勝争いが期待できそうだ。
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