■見た目や走行性能だけじゃない?大径ホイールが増えた理由
近年、スポーツカーや高級車を中心に、ホイールの大径化が進んでいます。19インチや20インチのホイールを純正装備する車種も現れていますが、大径化は見た目の良さ以外にも、意外なメリットがあるといいます。どのようなメリットがあるのでしょうか。
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いまから約30年前の平成初期は、15インチや16インチがスポーツカーの一般的なホイールサイズでした。たとえば、日産「スカイラインGT-R(R32型)」は16インチ、マツダの「RX-7(FC型)」は15インチでした。
しかし、現代では日産「スカイライン」が19インチ、レクサス「LS」では20インチホイールを選ぶことができます。両車種ともスポーツカーというよりは、高級車にあたる価格帯のクルマです。
ひと昔前のスポーツカーよりも大きなホイールを装着するのには、どのようなメリットがあるのでしょうか。近年の大径ホイール化について、ホンダ広報部は以下のように話します。
「大径ホイールが高級車やスポーツカーなどに採用される理由はふたつあります。まずひとつ目は、走行性能の向上を目的とする制動力の強化です。
ブレーキのローターは外径が大きいほど制動性能が向上します。大きなブレーキローターを取り付けるためには、サイズの大きいホイールが必要不可欠なのです。
ふたつ目は、クルマを洗練された見た目にすることです。ホイールのインチサイズが大きく、扁平率が低いタイヤを装着することで、アグレッシブでスポーティなイメージを与えることが可能です」
※ ※ ※
最近ではクルマの高性能化に伴うブレーキの大型化や、デザイン性によるメリットがあることから、コンパクトカーや軽自動車でもホイールの大径化が進んでいます。
たとえば、トヨタの初代「ヴィッツ」は13インチでしたが、最終型のヴィッツや、「ヤリス」に名称変更した新型モデルでは15インチに大型化。また、初代「カローラ」では13インチでしたが、新型カローラのセダンでは16インチとなっています。
さらに、平成初期の軽自動車のホイールは、660ccになったスズキ「アルト」が12インチ、そのスポーツグレードである「アルトワークス」でも13インチでしたが、現在の軽自動車を代表するホンダ「N-BOX」は14インチ、ホンダの軽スポーツ「S660」は前輪15インチ、後輪16インチです。
ホイールの大径化について、トヨタの販売店スタッフは以下のように話します。
「ヴィッツは初代に比べると車体が大きくなっています。それに合わせ、タイヤとホイールサイズを大きくし、見た目のバランスを整えています。また、初代と比べて車重が重くなったこともあるかもしれません」
クルマは走行性能や安全装備などの技術が進歩するごとに、ボディサイズは巨大化しています。実際に、初代ヴィッツは全長3610mm×全幅1660mmでしたが、現行3代目ヴィッツでは全長3945mm×全幅1695mmまで拡大しています。
ホイールの大径化には、ブレーキの大型化、デザインなどの見た目、さらに車重の増加といった理由もあるようです。
■電気自動車もホイールの大径化!? 専用の特殊タイヤとは?
ホイールは不必要に大きくすると燃費の悪化を招くこともあるとされています。近年のクルマにおいて燃費はとても重要なポイントですが、ガソリン車だけではなく、電気自動車でもホイールは大径化されています。
電気自動車の日産「リーフ」は16インチ、BMW「i3」では、20インチホイールを装着。ガソリン車以上に燃費(電費)に対してシビアな電気自動車において、なぜホイールが大径化されるのでしょうか。
i3に装着されるタイヤ「ologic(オロジック)」を開発するタイヤメーカー、ブリヂストンの担当者は以下のように話します。
「オロジックはタイヤ幅を狭くすることで空気抵抗を低くすることを目的としています。正面から当たる面積を減らすことで、結果として低燃費を達成できるのです。
また、ホイールを大きくして、タイヤ内部の空気圧を高圧化する、タイヤが路面と接しているときの変形を小さくできるため、転がり抵抗を低減できます」
オロジックのタイヤサイズは155/70R19となっており、19インチの大径ホイール用のタイヤです。しかし、タイヤ幅は非常に狭くなっています。
狭いタイヤ幅と、大径ホイールのもたらすタイヤのたわみの少なさが、電気自動車にも大径ホイールが採用される理由のようです。
また、BMW販売店のスタッフは以下のように話します。
「電気自動車は、ホイールが小さいとアクセルを踏み込みすぎた場合に、ホイールスピンしてしまう可能性があります。それを防ぐために大径化しているとされています」
※ ※ ※
電気自動車はモーターで動いているため、ガソリン車のように強くアクセルを踏めば一気に加速してしまいます。
加速するための力が強すぎればスリップ(ホイールスピン)してしまうため、力を受け止めるために大きなホイールを装着する必要があったようです。
この力はトルクと呼ばれ、身近な例では止まっている自転車をこぎ出すときの力に例えられます。トルクが大きいほど、少ないアクセル量でクルマが加速できます。
最新のエンジンや電気自動車のモーターが発する大きなトルクで効率よく走るためにも、大径ホイールの装着が進んでいるようです。
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みんなのコメント
特にミニバン、、、アフター物のホイールは20インチとか履いてても
タイヤは訳のわからんアジアンタイヤのミニバンが多いような…