ポール・ループ・シャタンによると、アルピーヌは今週のル・マン24時間レースのハイパーポールに進出したことで、今季デビューした新型LMDh車両アルピーヌA424の「大きな可能性」を示した。
このフランスのメーカーは、水曜日夜の予選でのサプライズとなった。
燃料不足で再出走できず/ソフトとミディアム“10秒差”/空港シェイクダウンへetc.【ル・マン24時間木曜Topics】
シャタンは35号車をドライブして4番手タイムを記録。ドリス・ファントールのBMW Mハイブリッド V8が記録したトップタイムから、わずか0.407秒差につけたのだ。
姉妹車36号車でアタックしたニコラ・ラピエールも、セッションの最後に吸気の問題でタイムを伸ばせず、予選9番手とハイパーポールにはわずかに届かなかったものの、同様のポテンシャルを示したと言える。
アルピーヌA424は、今季からWECに参戦を開始した新型LMDhマシン。BMW MハイブリッドV8も同様に1年目でのハイパーポール進出を決めたが、こちらは車両としてはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権で1年先行してレース経験がある。
シャタンは、土曜日に決勝が行われるWEC世界耐久選手権第4戦のスターティンググリッドの上位8位以内にアルピーヌ35号車が入ることを保証したラップを振り返り、これほど競争力のあるラップを走れたことにまったく驚かなかったと語っている。
「もちろん、ハイパーポールに進出できてとてもうれしい」とシャタンは語った。「クルマが初めてコースに出て以来、チーム全員が懸命に努力した結果だ」。
「チームがル・マンに向けて最高のクルマを作ろうと懸命に努力してきたことは分かっているし、クルマには大きな潜在能力があることも示した」
「ル・マンの予選では、常に適切なタイミングで良いスリップストリームを得るには少し運が必要だけど、ニコ(ラピエール)のおかげでそれができた」
「もちろん、ハイパーポールはあるが、最終的にはレースに集中する必要がある。それが大事だ」
「チームにとって本当にいいことだ。彼らはそれに値する」
アルピーヌが予選でトップ10に2台入ったことについて、ラピエールは次のように付け加えた。
「素晴らしいことだ。ここに来てから、パフォーマンスのレベルは高く、これは良いニュースだ」
「他のトラックで走ったときに、このトラックが僕らのクルマにかなり合うことは分かっていたが、それを確認できてうれしい。僕らは最高速が速く、高速コーナーでもかなり強い」
「とはいえ、最も難しい部分はまだこれからだと分かっており、トラブルのないレースができると100%確信しているわけではない」
ラピエールは、走行初日のフリープラクティス1で35号車アルピーヌがコース上で停止した原因となったのと同じエアインテークに問題が生じたため、予選での努力が制限されたと説明した。
「同じエリアにふたつの問題が生じた場合は、確かに心配だ」とラピエールは認めた。
「だが、いまは多くの人が関与しており、チームには多くの力があるので、今週末までに解決できることを願っている」
一方、チーム代表のフィリップ・シノーは、アルピーヌのレースでの目標は、予想以上の予選結果によって影響を受けておらず、ハイパーカーデビューの最大の目標は依然として完走であると主張した。
「ミスや技術的な問題がなく良い結果を出せれば、良い結果を達成できると思う」とシノー。
「だが、表彰台について考え始めるのは間違いだ。主な目標はレースを完走することだ」
ラピエールもシノーの意見に同調し、次のように述べている。
「僕らは同じ方針を維持する必要がある。僕はレースに出て、良い結果を得たいと何よりも思っている。機会があれば、それをつかみたい」
「だが、まずは今年は学ぶ必要がある。ペースは良いが、僕らはまだ学習の年であり、世界最大のメーカーのいくつかと戦っているんだ」
「僕らは謙虚さを保ち、興奮しすぎず、ラップごとに取り組んで、それが僕らをどこに導くかを見なければいけない」
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