名車「ディーノ」の復活! フェラーリ初の6気筒ロードカー誕生
フェラーリが新たな量産ミッドシップカーシリーズを発表した。プラグインハイブリッド(PHV)の296GTBだ。
「跳ね馬ネーミング」の伝統に則って素直に解読すれば、排気量2.9リッター(実際には2992cc)の6気筒エンジンを積む、グラントゥーリズモ・ベルリネッタ(クーペ)である。
ここ数年、6気筒モデル開発はずっとマラネロのウワサだった。1960年代後半から70年代初頭に人気を博したディーノ復活かと騒がれた。モデル名にこそ共通性(ディーノ206&246GTB)を感じるものの、実際にはフェラーリ初の6気筒ロードカーになった。
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296GTBは、マルチシリンダーモデルの弟分ではない。実質的にはF8シリーズの後継車としてラインアップに君臨するだろう。もっとも、F8のルーツは308GTBである。これはディーノ246GTBの後継車だったから、ディーノの子孫が再びV6を積んだ、ともいえる。
システム最高出力830ps! EVとして25km走るプラグインHVスポーツ
新開発V6のバンク角は120度だ。全長を短く、軽く、重心を低くするためのお手本のような設計で、両バンクの間にツインターボを搭載した、ホットVレイアウトである。最高出力は663psを発揮。リッター当たり221psは、跳ね馬史上最強スペックになる。
296GTBは、このF163型エンジンと8速DCTとの間に167psとパワフルな電気モーターを組み込んだ。システム総合出力は、何と830ps。床下には7.45kWhのバッテリーを配置する。満充電で25km、最高速度135km/hのEV走行を可能とした。
推定140kgのシステム重量も何のその、パワーウェイトレシオは1.77kg/psにすぎない。これはF8の1.82kg/psを下回る。フィオラノ(テストコース)のラップタイムは、F8より1.5秒速い1分21秒をマークするという。
スタイリングは魅力的。最近のフェラーリらしくシンプル路線だ。空気の流れを活用する手法で、派手なスポイラーや面構成から卒業。296GTBの造形に1960年代の跳ね馬が備えていた美しい面影を重ね合わせたファンは多いに違いない。
フェラーリに限らず、スーパーカーの世界もいよいよPHVが常識になる。そして2025年以降にはフルEVも登場する。大排気量自然吸気からBEVまで、すべてのパワートレーンを楽しむことのできる幸せな時代にわれわれは生きている。
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8/25 8:28