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ポルシェ、早くも『963』のアップデートに着手。信頼性の確保に動く/WEC&IMSA

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ポルシェ、早くも『963』のアップデートに着手。信頼性の確保に動く/WEC&IMSA

 ポルシェは、WEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の2024シーズンに向け、今季デビューさせた新型LMDh車両『ポルシェ963』の信頼性関連のアップデートを展開する予定だ。同ブランドのLMDhファクトリー・モータースポーツ・ディレクターによれば、これはいくつかの主要な分野に焦点を当てた開発であるという。

 ウルス・クラトルはSportscar365に対し、ポルシェはマルチマチックと共同開発したハイパーカーの“変更”を進めており、特定の条件下で特定のコンポーネントを再ホモロゲートできるLMDhプラットフォームの利点を活用しようとしていると述べた。

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 いわゆる“エボ・ジョーカー”が5回まで認められているLMH(ル・マン・ハイパーカー)ホモロゲーションカーとは異なり、LMDhレギュレーションでは、FIA国際自動車連盟、ACOフランス西部自動車クラブ、IMSA、そして他のメーカーの承認を必要とする別のプロセスでのみアップデートが認められている。

「それはルールセットの中にあり、プロセスは我々がアイデアをもってガバナンス機関に働きかける必要がある。それが承認されるか、されないかというものだ」とクラトルは説明する。

「我々は何をすることが許されているかを知っており、それを利用しようとしている」

「私たちにはそれらの可能性があり、明らかにそれらの可能性を使用するだけだ」

「何ができるかって? 私たちはルールの範囲内で新しいものをホモロゲートすることが可能だ。このウインドウの外では、ソフトウェアやセットアップを行うことができる」

「我々がしなければならないことは、(ライバルメーカーのLMH/LMDhマシンに)追いつくために自分たちのクルマとパッケージをもっと理解することだ。私たちは望んでいる場所にまだたどり着けていない。我々は一歩ずつ道を進んでいるが、まだまだ道のりは長い」

 クラトルは、先月末にスパ・フランコルシャンで数日間の走行を終えたヨーロッパベースのテストカーに、すでに新しいコンポーネントが搭載されていることを認めた。

 一方、アメリカでは最近になって2台目のテストカーが完成。ステアリング、ブレーキ、エンジンの信頼性を向上させることに重点を置くと思われる開発フェーズにおいて、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツに柔軟性を与えている。

■アップデート後も外観は変わらない

「私たちは、すでにそれらのテストを開始している。なぜなら、それが進むべき道かどうかを知っておく必要があるためだ」とクラトルは述べた。

「私たちの弱点は、やはりクルマのドライバビリティにある。パフォーマンス面では全体を再ホモロゲートするほどではないが、信頼性の問題がある。基本的には、それが我々が取り組んでいる主なことだ」

「MGUには信頼性があり、それはハイブリッド・パートナーとも協力しているが、クルマ側にル・マンや他のレースでも見られるように問題がある」

「これらは、私たちがライバルメーカーに追いつかなければならない領域だ」

「パフォーマンスではなく信頼性の問題だ。再ホモロゲーションが可能なのは、まさにそのウインドウであり、それこそが我々が取り組まなければならないことなんだ」

 LMDh規定に従いアップデートはポルシェ・ペンスキーのファクトリーカーだけでなく、ポルシェのカスタマーチームが走らせるすべての『963』に適用される。

 クラトルは現在のエアロパッケージは2024年まで維持され、再ホモロゲーションは行われない見込みであるとし、クルマの外観に目立った変化はないと指摘した。

「信頼性を高めるという点では重要(なアップデート)だが、熱心なファンや人々がサーキットで目にしたときに(見た目で違いが)わかるようなものではない」と同氏。

「空力面で大きな変更はない。あくまでもメカニカルなものだ。重要なのは信頼性だからね」

「繰り返しになるが、クルマはエアロウインドウ内でホモロゲーション登録がなされているため、私たちは車体のアップデートなどは計画していない」

「それは我々の弱点でもない。パワーステアリングの不調といったような複数のトラブルがあり、信頼性の部分に解決すべき問題があるんだ」

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