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最終日を前にタナクが首位浮上。2番手後退のブリーン、再逆転での初優勝なるか/WRCスウェーデン

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最終日を前にタナクが首位浮上。2番手後退のブリーン、再逆転での初優勝なるか/WRCスウェーデン

 北欧のスウェーデンで開催されているWRC世界ラリー選手権第2戦ラリー・スウェーデン。2月11日(土)の競技3日目はSS9~15が行われ、前日の首位クレイグ・ブリーン(ヒョンデi20 Nラリー1)を逆転した、Mスポーツ・フォードWRTのオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)がトップに立っている。10日(金)のアクシデントでデイリタイアとなった勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、このデイ3で再出走し総合40番手となっている。

 スウェーデン北部のウメオを拠点に、さらに北側のエリアで計7本のSSが設定され、今大会最長の126.22kmで争われたデイ3。わずか2.6秒差で土曜日を迎えた首位ブリーンと2番手タナクにとっては緊張の糸を緩めることのできない長い一日となった。

タナクを追う2番手ブリーン「差は大きいが全力を尽くす」/WRC第2戦スウェーデン デイ3後コメント

 自身初のWRC総合優勝に向けて後続とのマージンを稼ぎたいブリーンは、オープニングのSS9でステージ3番手、続く今大会最長28.25kmのSS10“フロダ1”ではベストタイムを刻み、タナクとのタイム差を5.7秒に拡げた。

 しかしSS11以降ペースが鈍ったブリーンとは対照的に、午後のループではタナクが好タイムを連発した。エストニアのドライバーはSS11から3ステージ連続でセカンドベストを並べた後、SS13でブリーンがタイヤトラブルでタイムを失ったことも手伝いその差をコンマ5秒とした。

“勝負のステージ”となったSS14では、今度は2019年王者にタイヤトラブルが襲いかかった。ブリーンと同様に左フロントタイヤのバーストに見舞われたタナクは、フィニッシュ直前にオーバーシュート。しかしながらライバルを2.8秒上回る3番手タイムで同ステージを走破し、総合トップの座を奪っている。

 また、3日目最後のSS15もタナクが先着。ブリーンはSS13から続く共通ハイブリッドシステムの問題もあってタイムを失い、ライバルから6.3秒遅れた。最終的に両者のギャップは8.6秒となっている。

「チャレンジングな一日だった」と語るのは、ラリーの最終日を前に総合首位に躍り出たタナク。

「タイヤをキープして最後のふたつのステージでタイムを稼ぐ計画だったのだけど、タイヤを失ってしまった。さらに最終ステージは片方のタイヤがスタッドなしで走らなければならなかった」

「ラリーが終わるまで決して快適ではない。まずはフィニッシュを目指そう」

 トップ争いから15秒前後遅れて総合3番手につけていたエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)はSS13最終盤、右フロントタイヤのバーストから左コーナーで大きくはらみアウト側のスノーバンクに捕まってしまった。このアクシデントによって7分以上を失った彼は順位を9つ下げ、総合12番手に後退している。

■ロバンペラとヌービルが表彰台を争う

 ラッピの脱落により総合3番手争いは、僚友のティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)と、“現王者”カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)の両名によって展開されることに。

 この日、SS13までにそれぞれ2回ずつステージウインを飾った両者のギャップは、同ステージ終了時点で3.7秒だった。続くSS14はヌービルがベストタイムを記録した一方、ロバンペラは3.7秒遅れた。ふたりが同タイムで並んだ状態で迎えたSS15、ここでもヌービルが速さを見せ一番時計をマーク。対する現王者はタイヤの摩耗から3.8秒の遅れを取り4番手に順位を下げることとなった。

 また、トヨタ陣営ではエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)も苦戦を強いられた。彼はデイ3を総合4番手でスタートしたが、クルマに自身を持つことができずペースが思うように上がらなかった。SS12ではスピンもあり6番手に後退。ラッピのアクシデントにより5番手に浮上したが、前日からポジションをひとつ落としてデイ3を終えることとなっている。

 総合6番手はMスポーツ・フォードのピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)だ。彼の後方にはWRC2クラスの上位を争うオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)、オーレ・クリスチャン・ベイビー(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)、サミ・パヤリ(シュコダ・ファビアRSラリー2)、ニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアRSラリー2)が続いた。

 前日のSS5でロールをともなうクラッシュを喫し翌SS6でデイリタイアとなった勝田は、チームによって修理されたクルマで再出走を果たした後、計7本のSSを走破して総合40番手につけている。

 競技最終日となる12日(日)はSS16からSS18の3SSで争われる。まずウメオの北側に設定された全長26.48kmの新ステージ“バスタービック”でSS16、SS17が連続で行われた後、デイ3の最後に行われたSS15の再走ステージ“ウメオ2”で最終パワーステージが実施される。3本のSSの合計距離は63.04km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は223.98kmだ。

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