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ボルボV90リチャージ・プラグインハイブリッドT8 AWDインスクリプション試乗 正統派ボルボのマナー

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ボルボV90リチャージ・プラグインハイブリッドT8 AWDインスクリプション試乗 正統派ボルボのマナー

PHEVにテコ入れ

今から5年前の2017年にボルボが発表した電動化の宣言には多くの人が驚かされたはずだ。

【画像】正統派ボルボのマナー【V90リチャージ・プラグインハイブリッドT8 AWDインスクリプションを細部まで見る】 全98枚

2年後の2019年にはすべてのラインナップを電動化すると宣言したのだ。

当時のボルボは「新世代ボルボ」としてすでに勢いづいていた。

それでも電動化と呼べるものは前輪をガソリンエンジンで、リアを電気モーターで駆動するT8ツインエンジンがあるだけ。

それもエコのためというより、非力な2L直4エンジンにスーパーチャージャーとターボでありったけのドーピングをして、フラッグシップに仕立て上げる方策としてのハイブリッドに感じられた。

けれどそこから今日までの「自動車界電動化必至」の流れはご存知のとおり。

当のボルボは日本市場では目標よりも1年遅れてしまったが、2020年にはラインナップのすべてを48VマイルドハイブリッドやPHEVによって電動化することに成功していたのだった。

そんなボルボの電動化ブランドに向けた次なる一手が、昨年登場したボルボ初のBEV、C40リチャージだ。

さらに今年1月には90シリーズと60シリーズのプラグインハイブリッドモデルの改変を発表している。

つまりT8やT6と銘打ったモデルの大幅改良である。

今回試乗したV90リチャージ・プラグインハイブリッドT8 AWDは、ビッグマイナーチェンジともいえる変更が施されたV90シリーズのトップモデルである。

普段はガソリンいらず?

ニューSPAプラグインハイブリッドと名付けられたボルボの新PHEVシステムにはかなり大きな変更が施されている。

2L直4エンジンからはスーパーチャージャーが外され、その低回転域の穴を埋めるため、CISG(クランク・インテグレーテッド・スターター・モーター)の出力が46psから71psにアップしている。

同時にリアモーターも87psから145psまで増強。さらに走行可能距離をのばすため駆動用のリチウムイオンバッテリーの容量は約60%のアップとなり、以前は45kmだったEVモードの走行可能距離(等価EVレンジ)が75kmにまで増加している。

45km(実際はもっと短いはず)では、自宅でよほどきっちりと充電をしておかないとすぐに「普通のガソリン車」になってしまいそうなもの。

その点、75kmもあれば現実的に「近場の普段使いはガソリンいらず」というEVライフを送ることが出来そうだ。

今回V90の試乗は都内から箱根までの行程だった。

都内で走りはじたとき、ワンペダルドライブの自然なドライブフィールに驚かされた。

シフトレバーでBポジションを選び、センターディスプレイでクリープを「オフ」にすると、スロットルペダル1つでスピードを完全にコントロールできるようになる。

ドライブモードは「ハイブリッド」だが、優先してモーター走行をおこなってくれるので、都内の下道を走る限り、運転感覚はBEVそのもの。

つまりガソリン車よりはるかに静かで、スロットルの踏みはじめから力強いのである。

ワゴンこそボルボの正統派

東名高速に入ってペースが上がりエンジンが介入しはじめても、V90リチャージ・プラグインハイブリッドT8 AWDの静けさは変わらない。

2130kgという重めの車重は、しっとりとした乗り心地を生み出しているだけでネガティブな印象はない。

深くスロットルを踏み込むとT8らしい462psの合計出力が炸裂するが、ターボの谷間をモーターが埋めている感じで、マナーの良さは変わらない。

今回の100kmほどの試乗で最も感心させられたのは、VEM(ビークル・エネルギー・マネージメント)という機能だった。

ナビで行く先をセットすると、PHEVのエネルギー消費を予測し最適化してくれる機能で、目的地に着いたときにきっちり電力を使い切ってくれる。

とばして走ったらガソリンばかり減って電力が余っていたといったことがないのだ。

またパワートレイン以外にもう1つ、インフォテインメントがこれまでのSENSUSからグーグルインフォテインメントに変わったことも使い勝手に変化をもたらしている。

コンソールの表示もより直感的なものに代わり、音声認識やナビの精度も向上していた。

今回はV90と同時にやはりパワートレインが刷新されたV60にも試乗したのだが、個人的にはV90の印象が良かった。

余裕のある室内空間や落ち着きをはらった走行マナーが、740とか960といった角ばった往年のボルボ・ワゴンを彷彿とさせるからかもしれない。

今どきのクロスオーバーモデルも魅力的だがボルボといったらやっぱりステーションワゴン! 

いまだにそう信じているアラフィフ以上のクルマ好きにとって、着実に電動化が進んだV90シリーズのトップモデルは最高の選択肢に違いない。

ボルボV90リチャージ・プラグインハイブリッドT8 AWDインスクリプションのスペック

価格:1054万円
全長:4945mm
全幅:1890mm
全高:1475mm
ホイールベース:2940mm
車両重量:2130kg
パワートレイン:直列4気筒1968cc+モーター
最高出力:318ps/6000rpm
最大トルク:40.8kg-m/2200-5400rpm
最高出力(モーター):52kW(71ps)/3000-4500rpm(前)+107kW(145ps)/3280-15900rpm(後)
最大トルク(モーター):16.8kg-m/0-3000rpm(前)+31.5kg-m/0-3280rpm(後)
充電電力使用時走行距離:75km
ギアボックス:電子制御前進8速オートマティック

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みんなのコメント

2件
  • サイズはやや大きいけど、すごく快適
    クロスカントリーは特に素晴らしい乗り心地
  • オーナーです。
    普段乗りは全くガソリンを使いません。
    電欠しても不安は無いし、心強い相棒です。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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