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【ワケあり車なのに】ランボルギーニ・ミウラP400 オークションで8652万円 コロナ禍をうっちゃる人気

掲載 更新 35
【ワケあり車なのに】ランボルギーニ・ミウラP400 オークションで8652万円 コロナ禍をうっちゃる人気

“時代を越えた”ミウラ

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

【画像】ワケありの、ランボルギーニ・ミウラP400【詳細写真】 全10枚

photo:RM Sotheby’s

ランボルギーニのクラシック・モデルの中で、別格の存在として高い人気を誇るのがミウラである。

ランボルギーニ初のミドシップ・ベルリネッタとして1966年に登場したミウラは、伝統の12気筒エンジンをミドに横置きで搭載する斬新なレイアウトが特徴だった。

基本企画はジャンパオロ・ダラーラ、エンジンの基本設計はジョット・ビッザリーニ、それパオロ・スタンツァーニがモディファイし、デザインは当時ベルトーネに在籍していたマルチェロ・ガンディーニが手掛けるという、アンチ・エンツォ陣営の英知を集結した1960年代を代表するスーパースポーツといえた。

ミウラのスタイリングはどのクルマにも似ていない。低く流麗、かつ官能的で、ガンディーニらしい時代を先取りした独創的なデザインは、新た時代の到来を告げるものだった。

存在感の高さから一見すると大きく見えるが、3サイズは4360×1760×1055mmと現代のCセグメント車とほぼ同じ全長ながら、スリムで低かったのである。

そんな注目のミウラが、RMサザビースのオンライン・オークションに姿を現した。

コレクション放出のP400

今回出品されたのはベースグレードといえるP400で、フランスでスポーツカーを集めていていたマルセル・プチジャン氏のコレクション放出車である。

プチジャン氏はレーシング・ドライバーであるとともに熱烈なエンスージアスト。

フランスのドイツ国境近くにあるストラスブールにコレクションハウスを設け、1960年代から各国のあらゆるスポーツカーを買い集めミュージアムに収めてきた。

今回紹介するミウラP400は、シャシー・ナンバー3111が与えられ57番目に製作されたもの。1967年9月2日にパリのランボルギーニ・エージェントのヴォワチュール・パリ・モンソーにデリバリーされ、デモカーとして使われていた。

1968年に映画「個人教授」の劇中車として起用されたヒストリーを持つ。

その後1969年に、TVプロデューサーに売却されアルザス地方で登録。

1979年には、プチジャン氏が購入して彼のコレクションに加わる。当初はドライビングを楽しんでいたようだが、近年はほとんど動くことはなかったという。

そのことが、オークション主催者が発表している予想落札額に影響することになる。

ワケありの理由とは

たしかに、オークションに姿を現したプチジャン・コレクションのミウラP400は、使いこまれた好ましい状態にありオリジナルをよく保っていた。

しかし大きな問題があった。

それは長年クルマを動かしていなかったため、そのままでは乗れない状態だったことである。

旧いクルマを直している方ならお分かりだろうが、長らくエンジンをかけていないとオイルがすべて下がってしまい、最悪の場合シリンダー内壁やカムシャフトに錆が出てしまい、そのまま始動するとダメージを与えてしまう。

またウォーターホース類も熱が入らないと劣化が進み、そのまま始動して水温が上がるとホースが裂けて爆発してしまうことも考えられる。このほか、ブレーキ関係のオーバーホールや、ホイールベアリングのグリス交換など手を加えるところは多い。

ある意味バーンファインド車を蘇えらせるのと同じ手間が掛るのである。

また館内で移動したときに当てたのかリアフェンダーのフレアの塗装がはげ落ち、このほかにも小さな傷や割れが見られるが、ボディの基本的なダメージは見られなかった。

予想最低額を上回る落札

ランボルギーニ・ミウラはコレクターズカー・オークションに結構出てくるように思えるが、2018年は4台、2019年はわずか1台が出品されただけ。

今年は1月のアリゾナで一挙に3台が姿を見せた。2台がP400Sで、その中の1台が1億3792万円で落札され、残りの1台はSVで、こちらは1億5371万円で終えている。

改めて見直すとP400は意外とオークションに出てこない存在で、最近では2018年のアールキュリアル・ルマン・クラシック・オークションに出ただけで、その時は1億848万円で落札されている。

プチジャン・コレクションのミウラP400は、要整備のワケあり車ということから、主催者の予想落札額は8330-9520万円と発表されていた。

オンライン・オークションが終えてみれば、やっぱりミウラは強かった。

予想最低額を上回る8652万円で落札されたのである。

展示用エンジン、2000万円超え

ミュージアムカーであったことと、銀幕の中を駆け抜けたヒストリーが評価されたわけだ。

もし単に寝ていたヒストリーの無いP400であれば、ここまで上がらなかったことだろう。

このミウラP400と共に、プチジャン・コレクションからP400のディスプレイ用のエンジンも出品された。

こちらはシャシー・ナンバー3156のP400に積まれていたエンジン・ナンバー1388のユニットで、ブロックにダメージがありエンジンとして復活させるとなると多額の費用が必要だ。

こちらもワケありでディスプレイ用となるが、オークションを終えてみれば滅多に出てこない希少品だけに2033万円という驚きの額で落札された。

腐っても鯛ではないが、車両もエンジンも、ミウラ人気が完全に定着していることを物語る結果だった。

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みんなのコメント

35件
  • >主催者の予想落札額は8330-9520万円と発表されていた。
    >予想最低額を上回る8652万円で落札されたのである。

    見事に予想通りでしかないじゃないか。
  • エンジンオーバーホール、レストアの費用を入れるとどれくらいかかるのかな!?まさに、金が有り余ってる人しか手に入れられないな。
    元中日の山本昌さん、もう一台いかがですか?笑
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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