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エントリーグレードでも特別感 マセラティ・グレカーレ GTへ試乗 2.0L直4マイルドHV

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エントリーグレードでも特別感 マセラティ・グレカーレ GTへ試乗 2.0L直4マイルドHV

2.0L 直4マイルド・ハイブリッドで300ps

マセラティをしっかり支えることが期待される、中型のラグジュアリーSUVがグレカーレ。ステランティス・グループに属する伝統の上級ブランドとして、ポルシェやランドローバー、メルセデス・ベンツなどから顧客を引っ張ってくるという使命がある。

【画像】エントリーグレードでも特別感 マセラティ・グレカーレ GT 強豪揃い 他銘柄のSUV 全178枚

トップグレードのトロフェオからリリースが始まった市場もあるが、英国へは先日ご紹介したモデナと、エントリーグレードのGTから上陸する。AUTOCARがグレカーレのGTへ試乗するのは、今回が初めてだ。

このSUVへ設定されるエンジンは、現在のところ2種類。トロフェオには3.0L V型6気筒ツインターボガソリンが搭載される。最高出力は528psに達し、マセラティという響きに相応しいユニットだ。

モデナとGTに積まれるのは2.0Lの直列4気筒ターボガソリンで、電圧48Vのスターター・ジェネレーター(ISG)による、マイルド・ハイブリッド。恐らく古くからのクルマ好きには、トライデントのマークからは想像できないようなエンジンだと思う。

GTの場合、最高出力は300psで、最大トルクは45.8kg-m。正直なところ、もう少し大きな数字が並んでも良いかもしれない。

かといって、面白みのない直4エンジンというわけではない。ステランティス・グループ内のアルファ・ロメオやジープにも搭載される、グローバル・ミディアムT4と呼ばれるユニットだが、独自の改良が施されている。

燃費より動力性能や扱いやすさを優先

ターボは低回転域でのレスポンスを損なうことなく、高回転域で高いブースト圧を生み出す特性を得ている。立ち上がりを鋭くするため、電動スーパーチャージャーも追加されている。その結果、グループ内の他のモデルより最高出力は高い。

ベルト駆動されるISGのアシストも加わり、燃費性能もおろそかになっていない。駆動用バッテリーの容量も、ひと回り大きいという。

マセラティは、動力性能や扱いやすさを優先して、この4気筒エンジンを仕立てたと主張する。マイルド・ハイブリッドによるエネルギー効率の向上は、順序としてはその次だったとか。

GTとモデナには、共通して知的な電子制御による四輪駆動システムが搭載される。ただし、モデナではリミテッドスリップ・デフが組まれるのに対し、GTには備わらない。

またリア・トレッドはモデナより狭く、アダプティブダンパーが組まれるスポーツサスペンションも装備されない。アダプティブダンパーと車高調整可能なエアスプリングによるスカイフック・サスペンションは、両車にオプション設定される。

グレカーレの基礎骨格をなすのは、アルファ・ロメオ・ステルヴィオも採用するジョルジオ・プラットフォーム。生産ラインも共有するという。

実際、グレカーレのインテリアや操作系のレイアウトを観察すると、ステルヴィオと通じる部分を発見できる。ステアリングホイールの大きさも同じらしい。それでも、前後の乗員空間にはゆとりがあり、荷室は広い。内装の素材も明らかに上級だ。

高級感漂うインテリアと乗り心地

グレカーレのシートとダッシュボードを包むレザーや、装飾用のウッドパネルには高級感があり、見た目もスタイリッシュ。ベーシックグレードのGTながら、車内には特別な雰囲気が漂う。

皮肉的な人は、ステルヴィオの特別仕立て、グラン・リュクスと呼ぶかもしれない。だが、それ以上のラグジュアリーさがあると思う。

加えて、エネルギー効率も悪くない。スポーティなドライブモードを選ばず、丁寧に右足を傾けている限り、一般道でも燃費は11.0km/Lを超える。ブランドらしく、少し活発に飛ばしても9.0km/L以上は得られる。

マイルドとはいえ、ハイブリッドの燃費としては振るわないかもしれない。しかし0-100km/h加速を5.6秒でこなす、車重1870kgのSUVとして褒めていいだろう。マセラティのオーナーが、強い不満を感じることはないはず。

エアサスやアダプティブダンパーが備わらないグレカーレ GTとはいえ、乗り心地や操縦性も優れている。試乗車にはオプションの20インチ・ホイールが履かされていたが、それ以外は標準仕様のまま。それでも適度に柔軟で、身のこなしは軽快だった。

路面からの入力を巧みに処理しつつ、過度なソフト感はなく、姿勢制御は洗練されている。速度域を問わず姿勢制御はタイトで、大きなボディを見事に制御。贅沢感すら匂わせる、落ち着きが備わっている。

高速域では、減衰力が若干足りないのか、大きなコブで僅かに弾むような仕草も感取された。ホイール・サイズを1インチ下げるだけで、効果はあるだろう。

エントリーグレードでも訴求力は高い

操縦性に関しても、このクラスのSUVとしてはバランスがいい。ジョルジオ・プラットフォームへ期待する通りといえる。

ステアリングはアシスト量が強めで、感触は薄め。それでも操舵に対して、フロントノーズはリニアでシャープに反応する。コーナーではボディロールも抑えられ、充足感が高い。絶対的な速度域は少し低めだとしても、活き活きとした走りを味わえる。

2.0L直列4気筒エンジンは充分なレスポンスで、清々しいパワーデリバリーを叶えている。大柄なSUVとして、動力性能に不足はない。ただしサウンドは単調で、ドラマチックさは薄けれど。

マセラティらしいキャラクターやスポーティさは得ていないが、高級SUVのエントリーグレードとして、強い不満を抱くほどではない。しっかり仕事をこなすユニットだ。

もし速さと興奮を求めるなら、トロフェオなど違うグレードを検討した方がいいだろう。マセラティは、バッテリーEV版のグレカーレ・フォルゴーレの開発も進めている。

とはいえ、豪華な中型SUVをお探しで、周囲とは異なるブランドをお考えなら、グレカーレの訴求力は間違いなく高い。エントリーグレードのGTであっても。

マセラティ・グレカーレ GT(英国仕様)のスペック

英国価格:6万1570ポンド(約991万円)
全長:4847mm
全幅:1979mm
全高:1667mm
最高速度:239km/h
0-100km/h加速:5.6秒
燃費:10.9-11.5km/L
CO2排出量:198-208g/km
車両重量:1870kg
パワートレイン:直列4気筒1995ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:300ps/5750rpm
最大トルク:45.8kg-m/2000-4000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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