現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 原因は「お客さまファースト」! 腰痛がタクシードライバーの職業病となるやむにやまれぬ事情

ここから本文です

原因は「お客さまファースト」! 腰痛がタクシードライバーの職業病となるやむにやまれぬ事情

掲載 17
原因は「お客さまファースト」! 腰痛がタクシードライバーの職業病となるやむにやまれぬ事情

 この記事をまとめると

■日本のタクシーは5ナンバーサイズが基準であり後席のスペースは限られている

知られざるタクシー業界のルール! 新人が「銀座には近寄るな」と指導されるワケ

■後席の足もとを少しでも広くするために乗務員は前席を前方に調整している場合が多い

■無理な姿勢で長時間乗車を強いられるため多くの乗務員は独自に自己防衛をしている

 後席の足もとを少しでも広くするための努力

 法人タクシー車両の中心が、都市部ではトヨタJPNタクシー、地方部ではトヨタ・クラウンコンフォートや同クラウンセダンということもあり、日本のタクシー車両は5ナンバーサイズが原則といっていいだろう。

 個人タクシーでは車両もバラエティに富んでおり、3ナンバーサイズの車両も目立っている。しかし、JPNタクシーやトヨタ・カローラツーリング、ホンダ・フリードなど、5ナンバーサイズの個人タクシー車両も見かけることがあり、個人的にはなんともいえない違和感を覚える。

 逆に法人タクシーでも、ハイヤー業務も行っている事業者では、ハイヤーで使っていたクラウンロイヤルサルーンやトヨタ・カムリなど3ナンバーサイズセダンも使っていたり、トヨタ・アルファードやエスクァイアなどをミニバンタクシーとして使っていることもある。

 2017年から2018年にかけ、クラウンコンフォート、クラウンセダンの後継としてJPNタクシーへ移行するまでは、5ナンバーサイズセダンがタクシー車両のスタンダードであったので、車内スペースはJPNタクシーに比べても窮屈であった。

 日本のタクシーでは後席にお客を乗せる(多人数乗車の場合は助手席も使う)ことが原則になるので、乗客に窮屈なイメージを与えないためにも、後席足もとスペースを可能な限り確保する必要があり、そのためまず助手席はシートスライドを一番前もしくはそれに近い位置にしている乗務員がほとんど。

 長時間乗車することになる乗務員は独自の自己防衛をしている

 運転席についてもマイカーでは運転しやすいベストポジションとなる位置よりも前めにシートスライドを設定するケースがほとんど。シートバック(背もたれ)も寝かしすぎると乗客に圧迫感を与えるので、垂直に近い位置で乗務するように指導されているようである。

 筆者もたまに乗り合わせたタクシーの運転席背もたれが結構寝ていたりすると、なんともいえない違和感を覚えることがある。理想的なドラポジよりも「利用客ファースト」といったシートポジションがタクシーでは要求されるのである。JPNタクシーになってからは室内高も高いし、セダン系に比べれば窮屈な印象は薄くなったが、やはりシートバックが目立って寝ていれば「?」と思う利用客も多いだろう。

 昭和のころに国民的と言ってもいいほど高い視聴率を誇った、ポリスアクションドラマでカースタントを担当していたスタントマンに話を聞いた時、「いつもスタントに使うタクシーとして使われていたセドリックは、ビニールレザーのシート表皮がやぶれ、スプリングがはみ出しているようなものばかりだった」といった話を聞いたことがある。

 かつてY31セドリックタクシーに乗務していた人によると、「新車として納車されたばかりはまだいいのですが、とにかくシートのへたりが早かったですね。そのため、乗務員の多くは自分用のクッションやシートバックに装着する腰をサポートするクッションのようなものを乗務時にシートに装着していたましたが、それでも腰痛に悩まされる乗務員も多く、腰痛はタクシー乗務員の持病のようなものでした。夏場はシート表皮がビニールなので、数珠というか丸いコロコロのついたものをシートバックにかぶせ通気性を良くさせたりもしていました」と語ってくれた。

 さらに、Y31セドリックよりはクラウンコンフォートのほうがシートが多少良かったようで、会社にセドリックからクラウンコンフォートにして欲しいと言ったこともあったようだ。クッションなどを忘れて乗務した時もあったそうだが、20時間ほど乗務して車庫に帰ってきたときはあまりに身体への負担が大きくて歩くことができず、地べたを這いずりまわっていたとも語ってくれた。

 乗客を意識すれば、ベストともいえないシートポジションともなり、シートの座り心地も長時間乗務を十分意識したものとは言えないタクシー車両のシート。乗務員はそれぞれ独自にクッションなどを用意して自己防衛しているのが現状となっている。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

メルセデスが好発進、ハミルトンがトップタイム。RB勢は下位に沈み角田裕毅19番手|ラスベガスGP FP1
メルセデスが好発進、ハミルトンがトップタイム。RB勢は下位に沈み角田裕毅19番手|ラスベガスGP FP1
motorsport.com 日本版
ヤマハとホンダがコラボ展示! バイクSFアニメ『Tokyo Override』劇中車の『YZF-R1』&『CB1300』が渋谷に登場
ヤマハとホンダがコラボ展示! バイクSFアニメ『Tokyo Override』劇中車の『YZF-R1』&『CB1300』が渋谷に登場
レスポンス
6速MTあり! 日産が「“新”フェアレディZ」を発表! GT-Rの「湾岸ブルー」と「“伝説”のパープル」設定! “改良型”登場も「また抽選」? 受注再開で販売店にも反響
6速MTあり! 日産が「“新”フェアレディZ」を発表! GT-Rの「湾岸ブルー」と「“伝説”のパープル」設定! “改良型”登場も「また抽選」? 受注再開で販売店にも反響
くるまのニュース
バスがズラ リ並ぶ「壮観すぎる光景」今年も再び!? ピーク時は“1時間あたり50便”運行へ 人気の航空祭輸送で
バスがズラ リ並ぶ「壮観すぎる光景」今年も再び!? ピーク時は“1時間あたり50便”運行へ 人気の航空祭輸送で
乗りものニュース
なぜか自販機になると買いたくなる不思議! 24時間365日買えるソフト99の「洗車用品自販機」が便利な上にファンキー!!
なぜか自販機になると買いたくなる不思議! 24時間365日買えるソフト99の「洗車用品自販機」が便利な上にファンキー!!
WEB CARTOP
F1ラスベガスFP1速報|ルイス・ハミルトンがトップタイム記録。角田裕毅は19番手
F1ラスベガスFP1速報|ルイス・ハミルトンがトップタイム記録。角田裕毅は19番手
motorsport.com 日本版
「めっちゃカッコいい」新型レクサス『ES』のデザインにSNSで反響
「めっちゃカッコいい」新型レクサス『ES』のデザインにSNSで反響
レスポンス
藤原とうふ店がWRCラリージャパン参戦!? WRC2グリアジン、愛する『頭文字D』フルカラーリングは「僕の夢だった」
藤原とうふ店がWRCラリージャパン参戦!? WRC2グリアジン、愛する『頭文字D』フルカラーリングは「僕の夢だった」
motorsport.com 日本版
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
くるまのニュース
角田裕毅のマシンが“グリッター”カラーに。RB、ラスベガスGP用スペシャル・リバリーを発表
角田裕毅のマシンが“グリッター”カラーに。RB、ラスベガスGP用スペシャル・リバリーを発表
AUTOSPORT web
フォルクスワーゲン「ティグアン」発売! 3代目に進化した全長4.5mの“VWで一番売れている”SUVはどう進化?
フォルクスワーゲン「ティグアン」発売! 3代目に進化した全長4.5mの“VWで一番売れている”SUVはどう進化?
VAGUE
台湾では「輪行」不要!? 国鉄で広がる自転車の旅はちょっと不思議な感覚
台湾では「輪行」不要!? 国鉄で広がる自転車の旅はちょっと不思議な感覚
バイクのニュース
カーメイト、改良版サイクルアタッチメント、釣り竿収納ホルダーの新製品が発売!
カーメイト、改良版サイクルアタッチメント、釣り竿収納ホルダーの新製品が発売!
レスポンス
美しい! 速そう!! カッコいい!!! 幻の日産フラッグシップ「Q80インスピレーション」市販可能性
美しい! 速そう!! カッコいい!!! 幻の日産フラッグシップ「Q80インスピレーション」市販可能性
ベストカーWeb
めっちゃカッコいいぞ!?? スズキ新型SUVをトヨタへ供給&日本導入ってマジか
めっちゃカッコいいぞ!?? スズキ新型SUVをトヨタへ供給&日本導入ってマジか
ベストカーWeb
【SHOEI】システムヘルメット「NEOTEC 3」に新グラフィックモデルの「ANTHEM(アンセム)」が設定された!   
【SHOEI】システムヘルメット「NEOTEC 3」に新グラフィックモデルの「ANTHEM(アンセム)」が設定された!   
モーサイ
軽快スポーツフルフェイス「Z-8」シリーズに新グラフィック「YAGYO」が追加!パーツ怪異イラストがかわいい!  
軽快スポーツフルフェイス「Z-8」シリーズに新グラフィック「YAGYO」が追加!パーツ怪異イラストがかわいい!  
モーサイ
「青の位置が矢印の信号機」ってなんだ? 更新で消えゆく超激レアモデルだった! 【信号機マニア・丹羽拳士朗の偏愛日記 #1】
「青の位置が矢印の信号機」ってなんだ? 更新で消えゆく超激レアモデルだった! 【信号機マニア・丹羽拳士朗の偏愛日記 #1】
くるくら

みんなのコメント

17件
  • 運転席についてもマイカーでは運転しやすいベストポジションとなる位置よりも前めにシートスライドを設定するケースがほとんど。

    事故らないのが第一だし
    タクシードライバーがそんな気遣ってますかね?
  • FFになってだいぶ楽になったと思うけど。
    こっちは冬雪や凍結あるから、安全性優先して4WDタクシーをよく見かける。
    デリカタクシーおるで
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

311.0566.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24.9479.0万円

中古車を検索
セドリックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

311.0566.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24.9479.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村