バイク名の最後にRやRR、SP、Sといったアルファベットが付くケースは多い。レーシングだったりスポーツだったりスペシャルの略だったりするそれらのモデルは、装着されるパーツが豪華であったり、よりレーシングマシンに近かったりで、価格を含めて上級仕様となっている。
前回紹介したドゥカティのハイパーモタード950にもSPバージョンが存在する。スタンダードモデルをベースに前後のサスペンションをオーリンズ製に換装。ストローク量とともに作動性もアップされている。またホイールをマルケジーニ製アルミ鍛造ホイールに、装着タイヤもハイグリップとなるディアブロスーパーコルサSP V3に換装している。
ベースとなる950もなかなかスパルタンなキャラクターを持っており、サーキットで走らせてもなんら不満はないレベルなのだが、よりハードな走りを求める人のために用意されたのがこのSPなのである。
今回のテストは1周2km弱のサーキットで行なった。テスト車両は保安部品が全て外され、エギゾーストはアクセサリーで用意されているテルミニョーニ製に換装されていた。ベースモデルに対し6馬力程のパワーアップだ。走りにより集中出来るパッケージングといえるだろう。
ベースモデル比、20mmアップした890mmのシート高はさすがに高く、165cmの身長では両足のつま先すら接地させることは難しい。これはまずいとサッサとクラッチミートし、コースイン。走行を始めると、STDに対してあきらかに軽く、左右の切り返しも俊敏であることがわかる。重心の高さからくる不安感もないわけではないが、足回りのグレードアップによる信頼感がそれを帳消しにする。
コースを覚えたところで、速度を少しずつ上げていく。最新のこのモデルは6軸のIMU(慣性測定ユニット)を搭載し、トラクションコントロールやウィリーコントロール、そしてコーナーリングABS等、きめ細かなライダーアシスト機能を装備している。だから電子制御を信頼してわざと限界を超えさせ、その反応をベースに操作方法を調整出来るのだ。この恩恵は大きい。
例えば加速力。120馬力程度のマシンなど、いまの世の中には全く珍しいものではない。しかし、このモデルのダッシュ力は数値から想像できる速さを大きく超えている。しかもステップ位置が低めでシート高も高いため、うまく下半身でマシンをホールドすることが出来ない。だからフル加速をしようものなら、フロントがフッと軽くなり「ウィリーコントロールがなければバク転してしまうのでは?」と、そんな考えが頭をよぎるほどだ。
暴れ馬に乗るような感覚ではあるが、しばらく格闘しているうちに、なんだかライディングが無性に楽しくなってきた。体重移動しやすいシートを上手くホールドしつつ、最良のシッティングポイントを探しだせたことが大きかったのだろう。通常はあまり意識しないハンドルでの入力も、タイトなコーナーや切り返しでは積極的に使うことでマシンをクイックに倒し込んで行くことが出来る。サスペンションの吸収性も良いし、タイヤの絶大なグリップ力によって安心感もある。しっかりと乗りこなせさえすれば、どんどん暴れ馬が生き生きしてくる。
ここ最近のドゥカティは乗り易い。万人向けのセットアップを重視したマシンが増えてきていた。もちろん、それは多くの場合歓迎すべきことである。しかし、こういった過激なモデルに乗ると、自分がずいぶんと歳を取って、怠けているような気にさせられてしまう。
純粋に走りを楽しむためのマシン、ハイパーモタードSPに乗り、刺激的な走りを味わう。これは大人の男性にとって、とても魅力的でとても幸せなのではないだろうか。
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