今季創設のWTCRワールド・ツーリングカー・カップに向け、アルファロメオ・ジュリエッタTCRを投入するミュルザンヌ・レーシングは、先日のファブリツィオ・ジョバナルディとの契約に続き、そのチームメイトに元F1ドライバーのジャンニ・モルビデリの起用を発表。ドライバー、チーム、マシンともにオールイタリアン体制で臨むことが明らかになった。
WTCC世界ツーリングカー選手権とTCRインターナショナル・シリーズが統合し、2018年からFIAのカップ格式シリーズとして世界選手権に次ぐ位置付けとされたWTCR。
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TCR規定車両で争われる同シリーズに、イタリアの名門チューナーであるロメオ・フェラーリ製のマシンを投入するミュルザンヌ・レーシングは、新シリーズ参入に際してF1のスクーデリア・イタリアやミナルディ、フットワーク、ザウバーなどで活躍したベテランイタリア人に白羽の矢を立てた。
現在50歳のモルビデリは、F1引退後はツーリングカーの舞台で成功を収めており、イタリア国内のスーパースターズでは2度のチャンピオンを獲得。WTCCの前身となるETCCヨーロッパ・ツーリングカー選手権時代からも活躍を演じ、WTCCとなった2年目の2006年にはNテクノロジーのアルファロメオ156もドライブしている。
その後もオーストラリアのV8スーパーカー(現VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカー)へのゲスト参戦やWTCCでの活動を続け、2015年からはTCRインターナショナル・シリーズにフル参戦。ウエスト・コースト・レーシングのフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRで戦ってきた。
「こうして世界的なレベルのツーリングカー・シリーズに戻ってこれたことは本当に幸運で名誉なことだ。ロメオ・フェラーリ製のアルファロメオ・ジュリエッタTCRをドライブするということで、このような権威あるブランドのロゴを背負って走れることは、イタリア人として本当に喜ばしいこと」と、喜びを語ったモルビデリ。
「これは新たな挑戦であり、WTCRには世界的なマニュファクチャラーとトップドライバーが揃っている。私はミュルザンヌのチームを信頼しているし、この最高レベルのチャンピオンシップで多くの偉大なチームに対して戦いを挑むことを楽しみにしている」
自身もTCRインターナショナルにドライバーとして参戦した経歴を持ち、今季からロメオ・フェラーリのオペレーションマネージャーに就任したミケーラ・セルッティは、伝説のツーリングカー・ドライバーであるジョバナルディと、モルビデリのドライバーペアリングは「グリッド上でも最高レベルの布陣」だと自信をみせた。
「ファブリツィオとともに、ジャンニが我々のプログラムに参加してくれたことを心からうれしく思います。間違いなく彼らはシリーズのなかでもっともエキスパートで、経験豊富なふたりと言えるし、このことがまさに我々のマシンの可能性を実証するために必要なものだった」とセルッティ。
「ミュルザンヌ・レーシングにとっては1年ぶりのフルシーズンになるけれど、このような高いレベルのシリーズで競争力を発揮できるよう、ふたりの貢献と活躍に大いに期待しています」
チームは合わせて技術部門の責任者に、かつてWTCCでジェームス・トンプソンの専属エンジニアを務めたマルコ・コロボーロを起用することも発表している。
また、TCRインターナショナル時代のフォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCRから今季アウディRS3 LMSの2台体制にスイッチし、TCR王者ジャン-カール・ベルネイとBTCCイギリス・ツーリングカー選手権を3度制したゴードン・シェドンを起用する名門チームWRTも、新たなマシンカラーリングをまとったマシンを公開すると同時に、2018年体制を発表。
チームWRTは、TCRインター時代からのパートナーであるエナジードリンク・ブランド、レパード・ナチュラルからの支援を継続。さらにロシアの石油企業であるルクオイルと共同タイトルスポンサー契約を結び、新たにアウディスポーツ・レパード・ルクオイルとして参戦する。
また、ベルネイ、シェドンがシーズンで使用するカーナンバーも発表され、TCR王者ベルネイが69、シェドンが52をチョイスしている。
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