39歳のチャンピオン、まさかの移籍
ルイス・ハミルトンが2025年にフェラーリへ移籍? 2月1日に突如発表されたニュースは、瞬く間に世界中を駆け巡った。
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非常にセンセーショナルな移籍であり、これが引き起こした波は今シーズン、そして来シーズンを通してF1界隈を揺るがすだろう。話題がまだホットなうちに、いくつかの大きな疑問について考えてみたい。
まず、なぜ移籍に至ったのか? 1月7日に39歳になったハミルトンは、これまで7度のチャンピオンに輝いたものの、8冠の新記録達成には時間が限られている。フェルナンド・アロンソは40代でも現役レーシングドライバーとして活躍できると証明しているが、それでも焦らないはずがない。
今回の決定は明らかに、メルセデスAMGに対する不信任投票である。無論、フェラーリに移籍したところでチャンピオン獲得の保証はない。しかし、ハミルトンはチャンスを天秤にかけ、すべてのチップを跳ね馬に賭けたようだ。
レッドブルへの移籍という手もあるかもしれないが、それは不可能だ。確かにレッドブルは最速のマシンを有しているが、ハミルトンとマックス・フェルスタッペンの組み合わせは、あらゆる関係者にとって非合理的だ。あまりに多くの歴史があり、あまりに多くの緊張があり、あまりに多くの頭痛と苦悩がある。現実的な選択肢とはなり得ない。
ハミルトンを納得させたのは何なのか? フェラーリは昨シーズン、メルセデスに3ポイント差で敗れ、レッドブルには遠く及ばなかったが、全体としては悪くなかった。
SF-23で5回のポールポジションを獲得したシャルル・ルクレールは、1周のペースがいかに重要でないかを浮き彫りにした。カルロス・サインツJr.はシンガポールで見事な勝利を収め、2023年にレッドブル以外でグランプリを制した唯一のドライバーとなった。
一方、メルセデスAMGは週ごとに調子が乱高下し、最終戦のブラジルGPでは競争力を期待されたものの、散々な結果に終わった。F1チームはサプライズを好むものではないが、昨シーズンのメルセデスAMGはサプライズが多すぎた。
チームは昨年初め、グラウンドエフェクト・レギュレーションに沿って導入したマシンコンセプトに固執するのは間違いだったと認めた。そこから教訓を得て、今季はまったく新しいアプローチを導入するという。
2024年型マシンのW15はまだ一度も出走していないが、ハミルトンは自身への信頼を失っている。数字に納得していないことは明らかだ。おそらく彼は失うものはほとんどないと考えたのだろう。
チームとの関係 なぜフェラーリへ
10年以上にわたるメルセデスとの関係に背を向けることについてはどうだろう?
2007年にマクラーレンに移籍して以来、ハミルトンは常にメルセデスを駆ってきた。生涯ブランド・アンバサダーになれるかもしれない。しかし、彼はそんな関係を必要としていない。
いつかハンドルを握れなくなったときに、実りある生活手段を見つけられるかどうかは心配することではない。彼はファン・マヌエル・ファンジオやスターリング・モスがいた世界とは別の世界に生きている。
彼をフェラーリに引き寄せたのは間違いなく、チーム代表として2年目を迎えるフレデリック・バスールである。2人の関係は古く、バスールは20数年前、F3とGP2時代のハミルトンの所属チームを率いていた。
そして、バスールはフェラーリを不振の時代から脱出させるべく、力強いスタートを切った。まだ道半ばだが、昨年は以前のようなオペレーション上のミスは減った。求心力のある存在だ。
しかし、フェラーリ側からすると、29歳の優秀なサインツよりも39歳のハミルトンを欲しがるのはなぜだろう? それは、ハミルトンがシーズンを通してこれまで以上に良い走りを見せ、トップに返り咲きたいというハングリー精神を証明したからである。マシンを与えれば、彼は必ず結果を出すだろう。
フェラーリは来年、ルクレールとの組み合わせでグリッド上に強力な布陣を敷くことになりそうだ。ハミルトンの存在はチームに活気を与え、さらにモチベーションを高めるだろう。また、バスールが切望している新しい技術責任者の採用の助けにもなるかもしれない。
では、今季はどうだろうか? ハミルトンは昨年8月にメルセデスと2年間の契約延長にサインしたばかりだが、そこには何らかの中断オプションがついていたようだ。今のところ、彼はメルセデスのドライバーのままだ。さぞ気まずいことだろう。
レーシングドライバーの忠誠心
このようなシナリオは以前にも見たことがある。アロンソは2006年シーズンを前にマクラーレンのドライバーとして発表されたが、ルノーとの契約を見送って陣営を変更したのだ。しかし、今回はどのような力学が働くかはまだわからない。
ハミルトンがサバティカル(長期休暇)に入り、即座にシートから降りれば、メルセデスF1チームにとって大きな混乱は避けられるだろう。しかし、この情勢でトト・ヴォルフが7冠の後任としていったい誰と契約できるというのか?
疑問は尽きない。ルクレールはどう反応するだろう? もし今季にメルセデスがフェラーリを圧倒したら? フェラーリのギャンブルが裏目に出て、ハミルトンが再びモチベーションを下げてしまったら? 彼に気力と意欲はあるのだろうか?
フェルスタッペンとレッドブルの終わらないロマンスが懸念される中、「ハミルトンがフェラーリに亡命」というストーリーは、F1に大いに必要とされていた “アドレナリン” となるだろう。メロドラマは続く。
最後に、レーシングドライバーを単なる従業員だと考えてはいけないということが、改めて証明された。ハミルトンのキャリアはメルセデスのおかげだと言う人もいるかもしれないが、実際のところ、恵まれているのはメルセデスだ。いずれにせよ、忠誠心というのは厄介なものである。
レーシングドライバーは、契約上はそうでなくても、精神的には常にフリーランスだ。彼らは常に勝つチャンスを得るために最善の選択肢を探し求め、それが古い友情や同盟関係を壊すことになっても受け入れる。
アイルトン・セナ、アラン・プロスト、ミハエル・シューマッハ、アロンソ、そして1950年代のファンジオでさえもそうだった。それが弱肉強食のF1の掟なのだ。
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