ミック・シューマッハーは、来季F1に復帰することを目指しており、現段階ではそれが不可能だった場合の選択肢については考えていないと語る。
シューマッハーは2021年にハースからF1デビューを果たしたが、翌2022年限りでシートを失うことになった。その後、2023年からはメルセデスF1のリザーブドライバーを務めつつ、今季からはアルピーヌのドライバーとして、WEC(世界耐久選手権)に参戦。ル・マン24時間レースにも初めて挑んだが、レース折り返しを待たずしてリタイアに終わった。
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そんなシューマッハーは、来季F1に復帰することを虎視眈々と狙っている。ただ2025年のF1シートの空きも残り少なくなりつつあり、状況的にはそう簡単ではないというのが正直なところだ。しかしシューマッハーは、WECに参戦したことで、チーム内での振る舞い方に関して学ぶべきことも多かったと語った。
「F1とハイパーカーのふたつを、本当に切り離して、挑戦することが重要だったんだ」
シューマッハーはそう語った。
「そのおかげで、F1の時に抱いていた、自己中心的な気持ちを持ち込まず、とてもオープンな気持ちで臨むことができたと思う。でも、成功したいから本当に真剣に取り組もうとしたんだ。成功するためには、チーム全体が同じ方向を向いて進んでいく必要があるからね。それが、僕らがやっていることだ」
「幸運なことに、経験豊富なチームメイトがふたりいて、僕が自己中心的になりすぎると、彼らが僕を引き戻してくれて『いいか? こういう風に考えろ』と言ってくれる。そのことは、本当に助けになるんだ」
「僕たちはかなり良いチームになっていると思う。基本的に僕は、チームの一員となって働くのが好きなんだ」
シューマッハーの今回のル・マン24時間でのチームメイトは、ニコラ・ラピエールとマシュー・バクシヴィエールのふたりである。
シューマッハー曰く、自己中心的になるようなことは、このアルピーヌの耐久チームに加わってから一度もなかったという。しかし、F1復帰を目指している身としては、その自己中心的な気持ちを忘れてはいけないと考えていると語る。
「チームの中では、そういうことはないと思う」
「でも、忘れてはいけないことがある。それは、僕がまだF1に復帰しようとしているということだ。これは僕にとって、大きな目標で、そういう気持ちは完全には失いたくないと思っている」
「チームとしての側面はとても重要だし、これまでのレースでも常にそうやってきた。どれだけのポテンシャルがあるのかというのを知るのは素晴らしいトレーニングになるものだけど、チームを正しい方向に導いていくのも重要なんだ」
「でも、コース上にいる他のドライバーに対しては、自己中心的になる必要がある」
F1復帰を目指すシューマッハーに、WECという選手権はどう映っているのか? それについて尋ねられたシューマッハーは、次のように語った。
「僕個人としては、リザーブドライバーとしてF1の仕事を続けられる可能性、F1チームとの繋がり、当時の僕にとって主な焦点であったイベントへの参加に基づいて選択したのが、WECだったということだと思う」
「WECは主にヨーロッパが拠点になっており、8レースもある。F1と組み合わせると、唯一可能なのがWECだったんだ」
来季F1に復帰できる自信はあるのか? 不可能だった時にはどうするのか? そう尋ねられたシューマッハーは、次のように語った。
「僕としては、自信があるのと可能性があるのとでは別のことだ」
「現時点では、自分がコントロールできることについて、集中して仕事をしている。F1のシートを手にできるかどうかは、僕がコントロールできるようなことじゃない。でも、そのために努力はしている」
「F1に戻れなかったら……その先の時はその時が来たら考える。今のところは、まだハーフタイムになる前だ。プランBについて考えるのは、ちょっと早いと思う」
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