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フェラーリ、ルクレールにピットストップさせなかった理由を説明「今日もまた、運が悪かった……」

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フェラーリ、ルクレールにピットストップさせなかった理由を説明「今日もまた、運が悪かった……」

 F1イギリスGPの決勝レース終盤にセーフティカーが出動した際、フェラーリは首位を走るシャルル・ルクレールをステイアウトさせ、2番手だったカルロス・サインツJr.のみをピットに呼び戻し、タイヤを交換した。これが原因となり、レース再開後にはサインツJr.がルクレールをオーバーテイクし、F1初優勝を成し遂げた。

 フェラーリはこの戦略について説明、ルクレールはより新しいハードタイヤを履いていたため、ステイアウトさせることを決めたという。

■最後まで諦めなかった! 悲願の初優勝を挙げたサインツJr.「忘れられない、特別な1日になった」

 ポールポジションからスタートしたサインツJr.は、一時レッドブルのマックス・フェルスタッペンに先行されるシーンもあったが、フェルスタッペンが問題に見舞われペースダウンした後は首位を取り戻し、チームメイトのルクレールを従えて周回を重ねた。

 ただ後方からは、復活の兆しを見せるメルセデスのルイス・ハミルトンが急接近。フェラーリは、サインツJr.とルクレールのポジションを入れ替えるなど、何らかの決断をする必要に迫られた。

 結局フェラーリは先にサインツJr.をピットに呼び戻し、ミディアムタイヤからハードタイヤに交換。ルクレールは6周後にピットに入り、やはりハードタイヤを履いたが、ふたりの順序は変わらなかった。

 しかしサインツJr.のペースが優れなかったため、チームはルクレールを先行させることを決断。1セット目のタイヤを使い続けるハミルトンに対抗しようとした。

 結局ハミルトンがピットストップを終えた段階では、ルクレール、サインツJr.、ハミルトンの順……勝負の大勢は決しつつあるように見えた。しかし残り14周というところで、セーフティカーが出動。ここでフェラーリはルクレールをステイアウトさせた一方で、サインツJr.はピットに呼び戻し、新品のソフトタイヤを履かせた。3番手ハミルトンもピットインし、ソフトタイヤに変えた。

 ルクレールをもってしても、すでに10周程度走っているハードタイヤでは、新品のソフトタイヤを履くチームメイトに抗えるはずもなく、レース再開直後にサインツJr.が首位に浮上。ただルクレールも意地を見せ、迫り来るセルジオ・ペレス(レッドブル)やハミルトンに対して必死の防戦。フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)以下を抑え、4位でフィニッシュした。

 ルクレールにタイヤ交換をさせなかった理由について尋ねられたフェラーリのマッティア・ビノット代表は、2台を同時ピットさせるには位置関係が近すぎたこと、そしてタイヤの使用履歴とポジションを考えると、ルクレールをステイアウトさせるのが適当だと考えたと説明する。

「2台を同時にストップさせるだけの十分な隙間はなかった。2台目のマシンがピットストップで時間を失い、コース上でもポジションを落としてしまうことになるからね」

 ビノット代表はそう語った。

「ではなぜ1台だけストップさせるのに、カルロスだけを止めることを選んだのか? それは、シャルルがレースをリードしていたからだ」

「しかも彼のタイヤは、カルロスのモノと比べて新しかった。6~7周は周回数が少なかったと思う」

「そしてカルロスは、ステイアウトして2番手を走っていたら、最初のいくつかのコーナーはポジションを維持するのが難しい状況になったはずだ。それが、我々がカルロスの方をピットに呼び戻すことを決めた理由だ」

「シャルルに関しては、最初の3~4周は厳しいと思っていたものの、ソフトタイヤのデグラデーションが大きいことを見込んでいた。しかしソフトタイヤは、我々が考えていたようには劣化しなかった」

 ビノット代表は、フェラーリのレース戦略に関する決断は、いつでも「正しく適切なモノ」であると主張する。今回もしミスが起きたとしたならば、一度ルクレールをステイアウトさせたにも関わらず、その後ピットインさせることだったと語った。

「もし我々がピットストップさせていたら、彼はおそらく、前を走るマシンと同じソフトタイヤを履き、4番手だっただろう」

 そうビノット代表は言う。

「彼はレース再開後にポジションを取り戻すことができただろうか? それは分からない。後から考えて、別のこともできたと言うだけなら、いつでも簡単なことだと思う」

「我々は快適にレースをリードしていた時に、またもセーフティカーが出動してしまったんだ」

 ビノット代表はレース後、ルクレールと話し、「今回も不運だった」と慰めたという。

「彼が失望していて、不満を感じているということを知った。それは理解できる。彼は非常に速く快適に走りレースをリードしていた際に、セーフティカーが出てしまったんだからね」

「そしてマックス(フェルスタッペン)が問題を抱える中、彼がリードしていた。今日は彼にとって、チャンピオンシップの面では絶好のチャンスだったんだ」

「しかしセーフティカーが出動し、彼はレースを走り切るのを苦労した。それによって彼が失望しているのは間違いない」

「彼に会った時も、がっかりしていた。しかし私が彼に言ったのは、レース序盤は素晴らしいラップを走ったこと、そして素晴らしいレースをしたということだ」

「セーフティカーが退出した後、彼がポジションを守るためにやったディフェンスは、実に素晴らしかった。だから彼には、落ち着くようにと言ったんだ」

「今日もまた運が悪かった。我々は残りあとわずかというところでリードしていたのに、セーフティカーが出てしまった。これは不運なことだった。そしてそれは、彼が失望しすぎないように努めた理由だ」

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みんなのコメント

3件
  • どこかで一勝させる事がスペインのサンタンダール銀行との約束で、ルクレールのお陰で要約掴んでくれたポールからのスタート、もうチャンスは無いのでルクレールには悪いが、サインツに人生最初で最後の優勝を味あわせてあげた全てスポンサーへの忖度w
    まぁ余程この後のレースで、ルクレールのPUにトラブル無くやる自信があるのだろう
  • ルクレールが嫌いだから
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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