先進的な急速充電技術を搭載
スウェーデンの自動車メーカーであるポールスターは、2025年に発売予定の新型EVとしてポールスター5を米国で公開した。バッテリーの寿命を低下させることなく、わずか5分で160km分の充電が可能だとしている。
【画像】最高出力880ps超の高級セダン、スウェーデンから登場【ポールスター5を写真でじっくり見る】 全22枚
この急速充電技術は「XFC(エクストリーム・ファスト・チャージング)」と呼ばれ、ポールスターと、同社が出資しているイスラエルの電池開発企業ストアドット(StoreDot)との共同開発によるものだ。ストアドットは、5分でフル充電できる携帯電話でXFCのパイオニアとなった。ポールスターによると、XFCは既存の駆動用バッテリー技術に応用でき、大幅な設計変更を必要としないという。
XFCは現在テストエンジニアリングの段階にあり、両社は2024年にポールスター5の実物大プロトタイプで実証する計画だ。
ストアドットのドロン・マイヤースドルフCEOは取材に対し、「従来のリチウムイオンを使用し、急速充電に適応させるという点で画期的だ」と語った。同社はシリコンアノードを使用したリチウムイオンパウチセルを製造しているが、ハードケースのプリズムセルへの使用も検討している。
スーパーカー級の剛性を確保
ポールスター5は、2基の電気モーターによる四輪駆動で、最高出力886psと最大トルク91.6kg-mを発生する。リアモーター単体で612psを発生するほか、800Vのアーキテクチャを備えている。
ポールスターのトーマス・インゲンラスCEOは、ポールスター5を「自社を定義するプロジェクト」と表現し、「その先進的なデザインと先進的なエンジニアリングは、ポールスターの未来を決定づけました。わたし達は素晴らしい才能を持ち、真に象徴的なEVを創造することができます」と述べた。
デザインのベースとなったのは、2020年に公開されたコンセプトカー「プリセプト」だ。このコンセプトの特徴であった超スリムなデジタルサイドミラー、逆開式のリアドア、特大のアルミホイールは量産化に至らなかったようだ。
ポールスターは以前、クラス最軽量となるまったく新しいプラットフォームにより「スーパーカーレベル」のボディ剛性を得るとしていた。ボディは主にボンデッドアルミで構成され、その他の部分は熱間成形、冷間成形、ダイキャスト、押し出しアルミニウムで作られている。
チーフエンジニアのデイブ・ケイン氏は「スーパーカーレベルのねじり剛性は、クラスをリードする乗り心地とハンドリング・ダイナミクスの基本」と語る。バッテリー容量は未定だが、プラットフォームに統合される。
研究開発部門の責任者であるピート・アレン氏は、ポールスター5の目標は「クラス最高レベルのダイナミクスを実現することであり、それは構造から始まる」とした。そのために、ボディは「2ドア・スポーツモデルのようなカーボンファイバーレベルのねじれ剛性」を実現しているという。
スポーティな走りと快適性を追求
ポールスター5の「ライバル」の1つは明らかにポルシェ・タイカンであり、同社はベンチマークとして開発拠点に1台保有していると見られている。一方で、スポーツカーのようなハンドリングだけを追求するのではなく、より日常的な快適性にも重きを置いている。
「魅力的であるだけでなく、快適でなければならない」と車両エンジニアリング担当ディレクターのスティーブ・スウィフト氏は言う。「わたし達はダイナミクスも快適性も、どちらか一方を犠牲にすることなく進めていきます」
ボディ底部のエアロダイナミクスはモータースポーツに由来し、全体的に空気抵抗を抑えるボディ形状となっている。
アレン氏は「(EVとしては)非常に低い車高です。バッテリーを持たない内燃エンジン車ほどではないにしても、それに近い。そこが特別な課題でした」と語っている。
ポールスター5の開発作業では、未来の市販車が念頭に置かれた。新しいプラットフォームには「多くの拡張性」があるとスウィフト氏は言う。「まずクルマから始めて、他の製品に目を向け、一度の設計でどれだけ多く遊べるかを考える。それが未来の一部であることは間違いありません」
このプラットフォームをベースとする2番目の市販車としては、オープントップのポールスター6がある。ポールスター5と並んで、2026年から同じ工場で製造される予定だ。
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みんなのコメント
だし矢張り発火する可能性大ですね。全固体電池車が
TOYOTAから発売されるまでガソリンエンジン車で待
ってます。