■車中泊愛好者に狙い撃ち? 日産の“やや”コンパクトミニバン「NV200バネット」の魅力とは
日産にはコンパクトミニバンがありません。しかし「NV200」はそれに近いパッケージです。
【画像】「えっ…!」日産「小型ミニバン」これです。画像を見る!
どのようなユーザーが購入しているのでしょうか。
ホンダは、「フリード」をフルモデルチェンジし、2024年6月に発売しました。
トヨタも2024年5月末に「シエンタ」を一部改良しています。
どちらも「コンパクトミニバン」に属するモデルで、ボディサイズも近いためライバルとみて良いでしょう。
車体サイズが小さいながらも、最大7人が乗れる室内空間を有しており、多人数での移動や大きな荷物、車中泊といった様々な活用方法が模索できるため人気の高いモデルとなっています。
一方で日産にもミニバンのラインアップはあります。
まずはフラッグシップに「エルグランド」があり、中核モデルに「セレナ」があります。
特にセレナはヒットモデルとなっています。「e-POWER」というシリーズハイブリッド方式を採用したグレードが人気です。
日産にはこのように、「大」と「中」のミニバンはあります。しかし、フリードやシエンタのような「小」がありません。
かつては、「キューブキュービック」「ラフェスタ」などがありましたが、現在で小に近いモデルとして「NV200バネット」というモデルがあります。
基本的には商用車として使われているNV200バネットですが、商用グレードの「VAN」のほか、最大7人乗りに対応するグレード「WAGON」が実はラインアップされています。
NV200バネットのボディサイズは、全長4400×全幅1695×全高1855mm(最大サイズ)というもの。
セレナよりもひとまわり小さいため、特に「WAGON」については、日産のコンパクトミニバンと捉えても良さそうです。
ただ、フリードのボディサイズ(全長4310×全幅1720×全高1485mm ※最大値)よりは大きくなります。
ちなみにエンジンは1597ccの直列4気筒ガソリンで、最高出力83kW(113PS)/5600rpm・最大トルク150kW(15.3kgm)/4000rpmというスペックを持っています。
トランスミッションはATですが、従来のトルコン式4速を装備しています。商用車ベースなので、耐久性も重視しているといえます。
ちなみにNV200の発売は2009年4月2日。15年選手のロングセラーモデルです。しかし、デザイン面で古さを感じないのは、デザイン性が優れているからといえます。
ボンネットからフロントウインドウにかけて緩やかな斜面を描いているため、欧州の商用車のような雰囲気を持っていますが、それもそのはず、NV200はグローバルモデルとしてデザインされています。
WAGONはVANに比べて乗用車に近い装備がなされています。
主な標準装備は、カラードバンパー&ドアハンドル、フロントグリル、電動格納式リモコンドアミラー、フォグランプ、UVカットグリーンガラス、4スピーカー、インテリジェントキーなど。
7人乗りの「16X-3R」は3列シート車で、3列目は横に跳ね上げることが可能です。2列目も折りたためるため、NV200らしい積載性はそのままだといえそうです。
“ややコンパクトミニバン”といえそうなNV200バネットは、実際に販売店にどのような反響があるのでしょうか。
関東圏の日産販売店担当者は次のように話します。
「アウトドアをなされる人でNVバネットを購入してキャンピングカー仕様にする人はいらっしゃいます。
ただファミリーカーという使い方ではデザインは商用バンであるため、シエンタやフリードといった乗用車と比べますと無骨な外装になってしまいます。
さらに内張が金属なため雨の音などがうるさく響いてしまい、人を乗せるクルマというよりかは、やはり荷物を乗せるクルマとなっています。
NV200バネットとシエンタやフリードと比べるお客様は多くはありませんが、比較してNVバネットを購入された人もいます。
そのような人は値段が安かったり、荷物の容量が多かったり、エンジンがその2車種と比べて強かったりという点を比較してNV200バネットを購入されました」
関西圏の日産販売店担当者は次のように話します。
「AUTECHが販売しているマルチベットというベッドを装備品としているグレードがあるのですが、そちらはアウトドアを好む人からは好評です。
一方でファミリーカーとして見ますとカラーは白や黒、シルバーなどしかなく外装の面でシエンタやフリードほど凝っている車種ではありません。
また安全装備などもシエンタやフリードと比べると比較的弱いのでそういった面でもファミリーカーとしての需要は低いといえます。
今までその2車種と比べる人はいませんでしたが、もし比較するならばNV200バネットは容量がその2車種と比べると非常に広いです。
またマルチベッドというグレードを選べばアウトドアに使いやすいベッド付きの車種となるのでその点においては十分購入を検討することができると思います」
※ ※ ※
商用車ベースであることから、フリードやシエンタとの直接比較とはならないのが現実のようです。
しかし、デザイン性で劣っているわけでは決してなく、広い室内を持つためにアウトドアなどでかえって使いやすいという利点もあります。
“比較買い”よりも“指名買い”が多いのが現実のようです。特にAUTECHのカスタマイズ仕様「マルチベッド」は、2列目以降を平らなベッドにすることが可能です。
アウトドア愛好家にとってこれ以上ない“遊びクルマ”となる可能性を秘めています。
ちなみにワゴンの価格は233万2000円~となっており、シエンタ/フリードの中間帯になっています。
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