WEC世界耐久選手権のLMP2クラスに参戦するベルギー籍のチームWRTは、2022年のWEC第3戦ル・マン24時間レースに3台目のオレカ07・ギブソンをエントリーさせると発表し、この車両のドライバーとしてGT3界で活躍するミルコ・ボルトロッティ、ドリス・ファントールと契約したことを明らかにした。
今季のWECに2台体制でフル参戦するWRTだが、ル・マン24時間には1台を追加し、3台体制で戦うことが明らかとなった。ボルトロッティとファントールは、ロルフ・イネイシェンと3台目のオレカ07をドライブする。
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ボルトロッティとイネイシェンはLMP2デビューとなる。ファントールはELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズの2016年スパ4時間レースで、WRTが走らせたリジェJS P2・ホンダをドライブした経験を持つ。
なお、ボルトロッティはランボルギーニ・スクアドラ・コルセのファクトリードライバーであり、ファントールはアウディスポーツと契約を結んでいる。
3人のドライバー全員が以前にGT3のレースでチームWRTからエントリーしており、ファントールは昨年のファナテックGTワールドチャレンジ・ヨーロッパでスプリントカップのタイトルを獲得している。
ボルトロッティは2020年のアウディファクトリードライバー時代にWRTでレースをしており、ADAC GTマスターズではアウディR8 LMS GT3をイネイシェンとシェアしていた。また、3人は2020年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権デイトナ24時間レースにも共に参戦し、GTDクラスで3位表彰台を獲得している。
「LMP2でこの伝統的なレースにデビューすることはまさしく素晴らしい気持ちであり、スタートするのが待ちきれない」とボルトロッティは語っている。
「許可を与えてくれたランボルギーニ・スクアドラ・コルセと、このユニークな機会を与え、信頼してくれたチームWRTにとくに感謝したい」
「短期間に学ぶことはたくさんあるが、チームWRTとは過去にも仕事を成功させているので、プロセスはスムースなものになるだろう」
アウディのエースであるファントールはGTクラスでル・マンの経験があり、2017年にはフェラーリのカスタマーであるJMWモータースポーツでLMGTEアマクラスを制している。
また、ハブオート・レーシングのポルシェ911 RSR-19でエントリーした2021年のル・マン24時間では、予選でファクトリー勢を抑え、LMGTEプロクラスのポールポジションを獲得する速さを見せていた。
「ル・マンで再びレースをすること、そしてチームWRTで、数シーズン前にはGTでチームメイトだったロルフとミルコとともにレースをすることは、もちろん非常にエキサイティングだ」とファントールは語っている。
「この機会を与えてくれたチームWRTと、それを受け入れてくれたアウディスポーツに感謝したい」
「僕らはこれからクルマに慣れる必要があるが、それは問題にならないと思う。全員ができることを実現できれば、とても良い結果が得られると確信している。最高のものを期待し、それを目指そう」
イネイシェンは昨年、ハーバース・モータースポーツのポルシェでル・マンデビューを果たしている。
「GTカーでの1度の経験の後、初めてLMP2カーに乗る。これはさらなるチャレンジとなる」とイネイシェンは語っている。
「とはいえ、WRTにおいてそれに挑戦することは最適だと思うし、ドリス、ミルコとともに、チームのために良い仕事ができることを願っている」
WRTの追加のル・マンエントリーは、チームが昨年のル・マンで優勝したことで1枠、ELMSのタイトルを獲得したことで1枠、合計2台分の自動招待枠を獲得することで可能となったものだ。つまり、2022年のル・マンに対して4台の車両をエントリーさせる権利を、WRTは保持している。
しかしながらチーム代表のヴァンサン・ボッセは以前、3台目のエントリーは可能であるものの、4台の車両を走らせる可能性については否定していた。
「昨年達成した成功により、2台のエントリーに加えて、ル・マンでこのような強力なラインアップを持つ3台目の車両を投入できることを、嬉しく思う」とボッセは述べている。
「2021年はル・マンでのデビューにあたり、可能な限りベストな方法で挑戦することができた。今年は3台のエントリーを実行するというチャレンジに挑む必要がある」
「ロフルとミルコがチームに戻ってきて、そしてル・マンではドリスが我々のチームで初めてレースをすることになり、とても嬉しい。彼らはすべてWRTファミリーの一員であり、(ル・マンでの)連覇を達成するため、チームの取り組みに大きく貢献してくれるだろう」
「ランボルギーニ・スクアドラ・コルセとアウディスポーツの双方に、それぞれミルコとドリスの参戦を許可してくれたことを感謝したい」
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