2基の駆動用モーターで598ps
直近の7年間ほど、英国で最も売れているポルシェはSUVのマカンだった。だが、もはや違う。純EVのタイカンがベストセラーとなっている。
<span>【画像】最高の純EV ポルシェ・タイカン 競合する純EVモデルと比較 全124枚</span>
税制的なメリットも含めてといえるが、タイカンの魅力の高さを証明している。3年ほど前にタイカンが発表された時、こうなると予想した人はどれほどいただろうか。
そんな人気のタイカンに、モデルの訴求力を一層拡大する選択肢として、GTSが登場した。最も速いタイカンではないが、最もスポーティなタイカンというべき仕様で。
GTSとして差別化するべく、フロントバンパーのスポイラーやサイドウインドウのトリム、ヘッドライト・インナーなどをブラックアウト。インテリアは人工皮革のようなレーステックス素材と、アルミニウムで仕立てられている。
見た目だけではない。2基の駆動用モーターは、合計の最高出力が680psではなく598psに制限されているものの、タイカン・ターボと同じユニットを搭載。肝心な最大トルクは、86.3kg-mと同値のままだ。
1つ下のグレードに当たるタイカン 4Sの場合、GTSでは標準装備となるパフォーマンスプラス・バッテリーをオプションで選ぶと、合計の最高出力は571psに設定される。最大トルクは66.1kg-mとなり、小さくない差がある。
その結果、0-100km/h加速は3.7秒と、0.3秒ほどGTSの方が鋭い。4.0秒を切るようなハイエンド・スペックでは、大きな違いといえるだろう。
恐怖を覚えることなく走りへ夢中になれる
ポルシェ・タイカン GTSの英国価格は、10万4190ポンド(約1583万円)から。タイカン 4Sより約2万ポンド(約304万円)高い金額だ。
しかし、アダプティブダンパーにトルクベクタリング機能、スポーツサウンド、パフォーマンスプラス・バッテリーなどが標準装備される。4Sでは、約1万7000ポンド(約258万円)相当のオプションだから、パワー差も含めれば納得できると思う。
アルミホイールは専用の20インチが標準で、オプションで21インチが用意される。サスペンション自体のチューニングも、GTS専用となる。
今回、タイカン GTSの試乗を許されたのは、ポルシェが指定したアメリカ・カリフォルニアのウィロースプリングス・サーキットのみだった。しかし、過去に運転したタイカンの経験からして、一般道での乗り心地が滑らかなことは疑いようがない。
ターボやターボS級の、圧倒するような動力性能を備えてはいないものの、筆者はそこまで必要だとは感じなかった。むしろ、タイカン GTSの598psでも充分以上。恐怖を覚えることなく、走りへ夢中になれる。
ステアリングフィールも良い。操縦性には素晴らしくまとまりがあり、落ち着きすら感じる。車重2.3tもある大きなサルーンであることを、忘れさせてくれるほど。タイカン 4Sが純EVのベストだという筆者の考えは、修正する必要がありそうだ。
タイカンのスイートスポット
ウィロースプリングス・サーキットには、160km/h近い速度で曲がれる高速コーナーがある。序盤ではアクセルペダルをフラットアウトできるが、後半で徐々にタイトになり、ブレーキングと同時にステアリングを切り増ししていく必要がある。
車重の軽くないタイカンにとっては、あまり良い条件とはいえない。曲がりきれなければ、モハーベ砂漠へ突っ込むだろう。
一般的な感覚では、車重2.3tのクルマなら手こずる場所だ。しかし、タイカン GTSは違った。なにか魔法にでも掛けられているようだった。
巨大な遠心力がボディに生じていることは、身体に伝わってくる。しかし、まったく意に介さずタイカン GTSは旋回していくのだった。車重が半分のクルマであるかのように。
これまで、ポルシェ・タイカン 4Sが現在売られている純EVのベストだと、AUTOCARでは評価してきた。しかし改めよう。タイカン GTSがベストだ。熱すぎず、冷たすぎず、丁度良いバランスにある。最先端の技術を搭載し、装備も非常に充実している。
もし自分でタイカン GTSを選ぶなら、四輪ステアリングは追加するだろう。試乗車にも装備されていたオプションだ。
ポルシェ自らも、このGTSをタイカンのスイートスポットだと表現している。特に仕上がりが優れていることを示すものだと思う。筆者も強く賛同する。
よほどの飛躍がない限り、ポルシェ・タイカン GTSより優れた評価を得る純EVは、しばらく出現しないのではないだろうか。
ポルシェ・タイカン GTS(欧州仕様)のスペック
英国価格:10万4190ポンド(約1583万円)
全長:4963mm
全幅:1966mm
全高:1395mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:3.7秒
航続距離:409-503km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2295kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
バッテリー:83.7kWhリチウムイオン(実容量)
最高出力:598ps
最大トルク:86.3kg-m
ギアボックス:1速オートマティック(フロント)/2速オートマティック(リア)
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みんなのコメント
どれもそれに見合った妥協のない作り。
デザイン含めて一目でポルシェとわかり
なおかつデザインが優れている。
抱える車種数が少ないからこそここまで完成度を高められるのだろうか?それとも力の入れ方の差か?
同グループで共有しているアウディのGTも素晴らしく
恐らくEVスポーツではこの2車種が独占状態に思える。
iシリーズでかなり先行していた印象のBMWも
今となっては黒歴史といったところか。
でもまだ私は
むしろ今のうちにガソリン車を堪能したい。
もうターボしか選択肢が無くなりつつあるのが残念ですが