レース仕様への大掛かりな架装は基本必要なし!
車種が同じでチューニングできる範囲も厳しく制限され、運転の技術とセットアップが勝敗を分けるワンメイクレース。昔からのレースファンにはシビックにミラージュ、スターレットやマーチなどでお馴染みだが、いまイチバン注目を集めているのは新型のGR86/BRZだ。
「ただ参戦するだけで年間1000万円必要」って本当? 新型GR86&BRZ「ワンメイクレース」参戦するためにかかるコストは
すでに車両そのものは発表されており、レースも2022年7月の開幕が予告されている。ちなみに現時点で購入できるワンメイクレース車両、ほかにはいったいどんなモノがあるのだろうか? ライトウエイトからスーパーカーまで有名どころを紹介したい。
トヨタ・ヤリス カップカー
まずはナンバー付き車両によるレースの歴史を拓いた、ヴィッツの後継モデルに相当するトヨタ『ヤリス』から。エンジン系はレギュレーションで改造できないためフルノーマルだが、サイドバー付き6点式ロールケージ/サスペンションキット/オイルクーラー/6点式シートベルトなどが装着され、価格は6速MTが217万1100円、CVTが238万100円となっている。当然ながら6速MTとCVTは別々のクラスで、東西いずれのヤリスカップにも参戦が可能だ。
マツダ・ロードスターNR-A
続いては2002年から続くマツダ『ロードスター』の、ナンバー付き車両によるパーティレース。旧型のNCECによるシリーズも継続中ではあるものの、いま新車で買えるのは現行型のND5RCの『NR-A』グレードで、277万7500円。
主要な装備は車高の調整ができるビルシュタイン製ダンパー、そしてフロントタワーバーに大径ブレーキローターなどなど。ナンバー付き車両のレースに参加するため必要な、ロールケージ/前後牽引フック/バケットシートは別に揃えなければならず、すべて足すと330万円くらいになりそうだ。
年間を通したシリーズポイントが付与される『NDシリーズ』および、シリーズポイントなしで勝ち負けにあまりこだわらない『NDクラブマン』のふたつに参加できる。
ポルシェ・911GT3カップ
次はPCCJ(ポルシェカレラカップジャパン)用の車両、ポルシェ『911GT3カップ』を見てみよう。ベースは現行型の992世代で、エンジンはNAながら510ps/470Nm、出力もレブリミットも先代モデルを上まわっている。ウインドウはすべてポリカーボネイト製で、重量はわずか1260kgだ。価格は3465万円となり、購入者には2022年のPCCJ全戦エントリーが義務付けられる。
フェラーリ488チャレンジEVO
最後は同じくスーパーカーのフェラーリ。1990年代から独自のワンメイクレースを続けており、2020年からは『488チャレンジEVO』を使用している。ル・マン24時間レースなどで得たノウハウをフルに注ぎ込み、エアロダイナミクスやサスペンションは市販車から大幅に進化。
車両を含め価格は未公表ながら、従来の『488チャレンジ』を所有するオーナーには、パーツを交換するアップグレードパッケージも用意しているとか。
まとめ:予算があるなら購入して参戦してみるべし!
今のところ現実味があるのはヤリスとロードスターに限られるが、ワンメイクレースは戦闘力に差がないからこそ楽しいしやり甲斐もある。予算が許すなら経験して損はないはず! なお、ホンダ『N-ONE』のワンメイクレースは、ノーマル車両を買ってから部品を装着するシステムで、新車のレースカーとしては販売していないため割愛した。
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