スーパー耐久のST-TCRクラスでチャンピオンを獲得した#97 Modulo CIVIC TCRの中野信治は、昨年とは違う体制でシリーズを戦い、自身も刺激になったことが多かったと語った。
昨年から始まったST-TCRクラスにシビックTCRで参戦している中野。昨シーズンは2勝を挙げる活躍を見せるも、肝心なところでトラブルやアクシデントに泣かされ、シリーズタイトル獲得はならなかった。
85kgの“ハンデ”を克服、97号車シビックがST-TCR王座獲得
2年目の2018シーズンはチームメイトが一新され、植松忠雄、大津弘樹、小林崇志が加入。マシンもFK8型のシビックTCRにスイッチされたが、開幕2連勝と幸先の良いスタートを切ると、中盤戦も数々の困難を乗り越え第3戦、第4戦で2位表彰台を連続して獲得した。
第5戦もてぎではクラス2位以内に入ればシリーズチャンピオンが決定する状況にあったが、タイトル獲得がかかった週末は、今シーズンの中で一番の試練となる1戦だった。
レース前に性能調整が入り、シビックTCR勢の最低重量が30kgプラスされた。さらに97号車のウエイトハンデは55kg。当初の状態より85kgも重い状態で、ストップ&ゴーのコースレイアウトで知られるツインリンクもてぎを攻略しなければならなかった。
さらに木曜日、金曜日に行われた専有走行ではトラブルが連発し、ほとんど走り込めない状態。週末の天候も不安定で、予選ではぶっつけ本番でドライコンディションの中でのタイムアタックを強いられた。
やはりウエイトハンデが大きく影響してか、予選はクラス最下位となる8番手。かつてない困難な状況に、中野も音を上げかけていた。
「もてぎの週末は本当に大変でした。もうトラブル、トラブル、トラブル……という状態で、ドライコンディションでまともに走れていない中で予選に臨まなきゃいけない状況でした。1回ちょっと『あー!もー!』と思いましたが、チームもドライバーも諦めずに戦ってくれました」
しかし、これで諦めないのが97号車。決勝では大津が第1スティントで3番手までポジションをあげると、第2スティントの植松も着実な走りをみせ、一時はクラストップに躍り出る場面もあった。そのまま、後半に入って中野、小林とバトンをつないでいき、クラス2位でフィニッシュ。最終戦岡山を待たずにチャンピオンを獲得した。
これまでF1やインディカーをはじめ、国内外の様々なシリーズで参戦経験を持つ中野だが、実はシリーズチャンピオンを手にするのは今回が初めて。「それ(キャリア初タイトルということ)を言われるのが……悔しいというか何というか……恥ずかしながら、初タイトルです」と控えめに語ったが、その表情は笑顔に満ち溢れてた。
また、今シーズンは大津と小林と組んでシリーズを戦ったことで、刺激になった部分も多かったという。
「僕もリフレッシュさせてもらえて楽しいし、若い子たちがどういう走りをするかだったり、どういうアプローチをするのかを間近で見られるのはすごく楽しいし、刺激を受けました。逆に走り以外の部分で、レースに向き合うためのやり方などを2人に吸収してもらえたらいいなと思って1年間やっています」
「彼らには、これから未来(のレースキャリア)がありますから頑張ってほしいし、出るからには結果を出せるような環境を作れるように年長者として頑張ってきました。その結果が、こうしてチャンピオン獲得という形で報われたのは非常に嬉しいです」
そして中野は、どんなに困難な状況下でもドライバーだけでなくチームスタッフ全員が、それぞれの持ち場でベストを尽くしてくれたことが、今回のシリーズチャンピオンにつながり、もてぎラウンドの決勝での強さにつながったと語った。
「(もてぎ戦の)レースが2位だったという部分は少し悔しいですが、トラブルで週末まともに走れなかったことを考えれば上出来な結果だったと思います。エンジニアも作戦をいろいろ考えてくれて、それを実行してくれるドライバーがいて、ピットストップもメカニックがミスなくやってくれました。チームの組織力がしっかりしていたからこその結果だったと思います」
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