MotoGPで各メーカーが激しい競争を繰り広げている今、空力開発はルールの中でパフォーマンスを絞り出して行く上で、“最後のピース”になっているとKTMのジャック・ミラーは語った。
MotoGPでは2010年代半ばにドゥカティがウイングレットを導入。パフォーマンスを高めるドゥカティに続けと言わんばかりに、他のライバルメーカー達もエアロデバイスの開発に力を入れるようになった。
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近年は過剰な空力開発やデバイスの発達がレースの質に影響を及ぼしていることが問題視されるようになってきてはいるが、2024年もこの分野への投資は進められ、アプリリアやKTMが新機軸のデバイスを投入してリードする姿を示している。
KTMでRC16を走らせるミラーは、今のMotoGPでは空力開発がバイクのパフォーマンスを上げる上で費用対効果も良く、十分に発展の余地がある最後の領域だと彼は考えている。
「そこが大事な部分なんだ」とミラーは言う。
「僕らは何年間も電子制御やエンジン、タイヤなどの開発に資金を投じてきた。そして今、僕らはやれることの最後のピースに来ている」
「アプリリアの誰かが『エンジンよりも空力開発の方が安い』と言っていたと思う」
「そして、それは本当のことだ。MotoGPのエンジンを再開発はしたくないだろう。クレイジーだ。そしてエアロはボルトオンで簡単にできて役に立つモノなんだ」
「でもこれはどこで終わるのか? どこまで続けるのか? それは僕も分からない」
2024年シーズンの新マシンの中では、特にアプリリアが空力開発で注目を集めた。マシンのテール部分に搭載された大きなウイングや、スイングアームからリヤホイールにかけてのカバーなど、空力でより攻めの姿勢を見せていたためだ。
ライダーのアレイシ・エスパルガロは2024年型マシンの持つアドバンテージを強調しつつ、こういった空力への依存度が高まっていることは「ゲームの一部だ」と語った。
「かなりラインが変わってきているのが分かるけど、大海原へ漕ぎ出すことはできないわけで、これはゲームの一部なんだ」
「好むと好まざるとに関係なくね。これは何度も言ってきたことだ。それがルールブックだし、ベストな存在になる必要がある。僕らのバイクは空力的にはかなり優れているみたいだ。だからポルティマオではダウンフォースの追加が役に立ってくれることを期待しているよ」
「みんながたくさんエアロに取り組んでいる。僕らのエアロはかなり良い。そしてウチのように優秀な空力エンジニアリングチームがいると、コーナーでしっかり荷重がかかっても、直線での抵抗はさほどでもないんだ」
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