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新型エクストレイル完全解剖【8】ライバル先取り対決

掲載 22
新型エクストレイル完全解剖【8】ライバル先取り対決

新型車比較・ライバル車対決 [2022.08.29 UP]


新型エクストレイル完全解剖【8】ライバル先取り対決

新型エクストレイル完全解剖【7】コンプリートカー&アクセサリー

NISSAN 新型エクストレイル完全解剖
【1】コンセプト&プロフィール
【2】ファーストインプレッション
【3】エクステリア
【4】インテリア
【5】シャシー&パワートレーン
【6】装備&ユーティリティ/まとめ
【7】コンプリートカー&アクセサリー
【8】ライバル先取り対決

新たな基準となる資質が十分な新型エクストレイルに対し、同クラスの現行ライバルたちの実力はどの程度か。各車のストロングポイントが新型エクストレイルに対してどの程度通用するのか、点数比較も交えて考察する。

●文:川島茂夫

現行各車もポイントを
絞れば侮れない実力あり
 走行性能的にはアリアのシリーズ式ハイブリッド車になるだろうと予測していたが、電動化による性能の磨き込みが予想以上。VCターボによる効率向上や電力供給の支援も効いているのだろうが、電動の使い方の上手さで他社を一歩リードしている。
 とくに注目したいのは悪路踏破能力。後輪駆動モーターの100kWに耐えるだけの駆動容量を備えているのだ。今回の試乗では試せなかったが、この設計容量と電動の精密制御とのコンビなら、乗用車型プラットフォームのSUVで最高レベルの踏破性も不可能ではないだろう。しかも、オンロードでの安心感と扱いやすさ、走りの質感はミドルSUV最上級。キャビン実用性も良好で、多方向に高水準でまとまったモデルだ。
 当然、ライバル車も多岐に渡る。悪路踏破性込みのアウトドア趣味系、長駆レジャーのオンロードツーリング系、内外装の雰囲気も欠かせないプレミアム系等々。総合力はともかく、要点を絞った評価ではエクストレイルと好ライバル関係となるモデルも少なくない。その代表的モデルとの優劣や相違点の比較は自分らしい嗜好や使用環境に最適なSUVを選ぶためにも必須である。


NISSAN 新型エクストレイル

●価格:319万8800~449万9000円 ●発売日:7月25日(FWD車は9月予定)

【対決1】vs ハリアー/RAV4

定番人気モデルが真っ向勝負!!
ガソリン車のコスパは
大きな武器となる
 ハリアーは高級ワゴン趣味のSUV、RAV4はオフロードも見据えたSUVの本流。トヨタのミドルSUV2車はSUVの両極と言ってもいい。
 走りの快適性や車格を感じさせるゆとりはエクストレイルの得意な領域。現行型になってハリアーの走りはよくなっているが。車格相応の上といったレベル。ただ、内外装の志向がこれだけ異なると走りの差を埋めてなお余る可能性が高い。飽きたなら話は別だが、ハリアーを乗り継いできたユーザーがエクストレイルに乗り換えるとは感が難い。 
 一方、悪路対応を軸にした対RAV4では中々評価が難しい。RAV4の悪路踏破性をリードするのはダイナミックトルクベクタリングAWDを装備したガソリン車。ハイブリッド車はエクストレイルと同じく後輪電動駆動を採用しているが、モーター出力は40kW。スペックがすべてではないにしてもハイブリッド4WD対決ならエクストレイルが有利なのは間違いない。
 ただ、ハリアーもRAV4もガソリン車の出来のよさが見所のひとつ。コスパ重視でガソリン車を引き合いに出せばエクストレイル以上に魅力的である。


TOYOTA ハリアー

●価格:299万~504万円 ●発表年月(最新改良):'20年6月(未実施)

都会派のプレミアムSUV市場を切り拓いたハリアーは、ことさらヘビーデューティ感覚を主張したりはしない。インテリアの仕立ては高級セダン/ワゴンのそれだ。

TOYOTA RAV4

●価格:277万4000~410万6000円 ●発表年月(最新改良):'19年4月('21年12月)

同じプラットフォームのハリアーとの棲み分けは明快だ。4WD中心のラインナップで、トレイルモードをはじめとする悪路対応機能も充実している。

裏面が樹脂のデッキボードで荷室はフラット。レジャー用途で重要な積載能力も万全だ。

新型エクストレイルを100として

ハリアーのプレミアム性は95

RAV4の万能性は85

【対決2】vs CX-5

ハイウェイで遠出するなら?
運転する手応えを求める
ならCX-5もまたアリ
 安心感と意のまま感を高水準でまとめたのがCX-5のフットワークの特徴。挙動や反応の手応えのある操縦感覚はスポーティな心地よさがあるが、クルマ趣味がないと多少煩わしくもある。神経を使わずに不安なく操れるという点ではエクストレイル。パワートレーンについてはディーゼル車の高速性能と燃費は高く評価できるが、余力感や加速のキレのよさではエクストレイルに及ばない。エンジンを回す心地よさもやはりクルマ趣味での魅力であり、車格や質を求めるなら静かで力強くのほうが一般的。操る楽しみとか手応えも求めてこそのCX-5。エクストレイルは家族や友人と楽しめるツーリング性能が強味である。


MAZDA CX-5

●価格:267万8500~407万5500円 ●発表年月(最新改良):'16年12月('21年11月)

3タイプのパワートレーンそれぞれに個性がある中、高速ツーリングで言えば走りの余裕と燃料コストからディーゼルがイチオシだ。

●SKYACTIV-G 2.0

●SKYACTIV-G 2.5

●SKYACTIV-D 2.2

ガソリンNA(自然吸気)の2ℓと2.5ℓ、そして2.2ℓのクリーンディーゼルターボを設定。実用燃費に目を向けた2.0、ゆとりと静粛性の2.5、力強さのディーゼルといった位置付けだ。

新型エクストレイルを100として

CX-5のツーリング性能は85

【対決3】vs フォレスター

アウトドアの相棒ならどっち?
ともに上出来なSUV
選択の肝はパワトレだ
 悪路踏破性はかなり追い込んだ状況で比較しないと優劣がつかないだろう。キャビンの実用性は3列シート仕様がエクストレイルのアドバンテージだが、アウトドア趣味なら2列シート仕様が基本。キャビンユーティリティも僅差。パワートレーンの性能以外は決定的な差がない。
 フォレスターのウイークポイントはハイブリッドの動力性能と燃費。どちらも電動化の恩恵が大きいとは言えず、動力性能も燃費もクラストップレベルのエクストレイルに比べると分が悪い。動力性能面ではターボ車の出来がよく、同型パワートレーンでは燃費も納得。パワフルな加速とエンジンを回す楽しみをも求めるなら勧められるモデルである。


SUBARU フォレスター

●価格:293万7000~330万円 ●発表年月(最新改良):'18年6月('21年8月)

実際の用途を考えると、悪路踏破性能以前にまずレジャーシーンでの使い勝手が大切。積載性への配慮も優秀だ。

新型エクストレイルを100として

フォレスターのアウトドア適性は90

【対決4】vs アウトランダー

電動4WDの制御レベルは?
姉妹関係にあるPHEV
走りのキャラにも個性が
 プラグイン関連を除いたパワートレーンとプラットフォームではエクストレイルと姉妹車の関係にあり、両車のフットワークの違いは求めた走りのよさの方向性の違いと考えるべきだろう。エクストレイルの走りはゆとりを感じさせる滑らかさであり、ドライバーの運転誤差を補正して穏やかに収束させるような操縦感覚。これに対してアウトランダーPHEVは深いスリップアングルに入るまでドライバーの操作に従順であろうとする。どちらも常に最適解を求めるような制御なのだが、どちらかと言えばエクストレイルが無事是名馬型ならアウトランダーPHEVは縦横無尽型。運転スタイルとの相性が肝心だ。


MITSUBISHIアウトランダー

●価格:462万1100~532万700円 ●発表年月(最新改良):'21年10月(未実施)

未舗装路のみならず、サーキットを攻めることも可能な自在なハンドリングを実現している。

新型エクストレイルを100として

アウトランダーの電動4輪制御は100

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みんなのコメント

22件
  • KICKS試乗してみたけど他同クラスのHV車両(ヤリスクロス、ヴェゼル)に比べて車内は静かでした。エクストレイルもちょっと試乗してみたいな。
  • 絶対、解剖なんてしてない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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