英国を代表するカテゴリーとして名を馳せる、BTCCイギリス・ツーリングカー選手権の2024年開幕戦が4月26~28日にドニントンパークで開催され、タイトル奪還を狙う2022年王者トム・イングラム(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)が予選ポールポジションからの連勝を達成。
最終レース3では、新規創設のトヨタ陣営サテライトチームより参戦するエイデン・モファット(LKQユーロ・カーパーツ・ウィズ・シネティック/トヨタ・カローラGRスポーツ)が、リバースグリッドから幸先の良い開幕勝利を手にしている。
約20年ぶりのBTCCフル参戦に臨む元世界王者ロブ・ハフ「カローラはかなり快適だ。でも忙しいね!」
量産車のホワイトボディに、駆動方式を問わない前後共通サブフレームを有するNGTC規定車両で争われるなど、独自路線を維持するツーリングカー選手権は、今季2024年よりグリッド間で最大2倍にもなる共通ハイブリッド機構の出力アップや、新たな予選方式“Quick Six(クイックシックス)”の導入など、タイヤ使用ルールの改変も含めて多数の新機軸が盛り込まれる。
年間エントリー台数こそ20台に留まったが、ともに前人未到の5冠を目指すディフェンディングチャンピオンのアシュリー・サットン(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)や、コリン・ターキントン(チームBMW/BMW 330e Mスポーツ)など“量より質”を地で行く実力派が揃う。
しかし、そのターキントン擁する名門ウエスト・サリー・レーシング(WSR)は、開幕直前まで空いている4番目のシートを埋める可能性を模索したものの、このドニントンパークの週末には間に合わず。4冠王者の僚友を務めるアダム・モーガンと、同じくサテライトチームから参戦するタイトル候補、ジェイク・ヒル(レーザー・ツールズ・レーシング・ウィズ・MBモータースポーツ/BMW 330e Mスポーツ)の3台でレースウイークに挑むこととなった。
「BTCCで20年目のシーズンを迎えること自体が信じられないが、その間に得た経験をすべて活用するつもりだ。開幕ドニントンだけでなく今季全体に向けて、出来る限りの準備を整えてきたよ」と、改めて意気込みを語ったターキントン。
「目標はいつだってドライバーズ、チーム、マニュファクチャラーズのタイトルを獲得することであり、この冬にWSRがBMWに加えた改良により、タイトルを争う陣営として最終戦に挑む確率が高まったと信じている」
こうして始まったレースウイークは、幕開けのフリープラクティス(FP)から2回のセッションともにヒョンデのエースが躍動すると、そのタイムで分割されたQ1の上位6台がQ2に進むクイックシックス・フォーマットでもイングラムの速さは衰えず。Q2終盤で完璧なラップをマークし、キャリア通算7回目、今季最初のポールポジションを獲得した。
「本当に素晴らしいよ。この冬はクルマを改善するために大変な努力をしてきたが、チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれた」と感謝の言葉を述べた30歳のイングラム。
「僕らの“ハードワークの冬”は非常に順調に進み、これまでのところすべてが計画どおりに進んでいる。僕らは可能な限り速く走れるよう全力を尽くし、明日の戦いに臨むつもりだ」
しかし明けた日曜はレスターシャーのサーキットを大雨が襲い、タイムスケジュールが大幅に遅延する事態に。正午には試験的な10分間のウォームアップセッションが実施されるも、前日予選で「マシンが規定時間内にピット前にいなかった」として、出走が認められないハプニングを経験した元WTCC世界ツーリングカー選手権王者ロブ・ハフ(TOYOTA GAZOO Racing UK/トヨタ・カローラGRスポーツ)を含め、トラック上の水量の多さにより複数名のドライバーがオールドヘアピンでコースオフを喫してしまう。
■4冠コンビを退けたモファットが2021年以来の勝利
その後、なんとかダンプコンディションまで回復したところでようやくスタートが切られると、2列目からトラクションに優れるFR勢のBMW艦隊、ターキントンとヒルがフロントロウ2番手の王者サットンを飲み込んでいく。
しかし現役王者の意地を見せたサットンは、直後のマクリーンズでターキントンを刺し返して表彰台圏内に復帰すると、首位を守っていたFFヒョンデをドライブするイングラムは、サム・オズボーン(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)のクラッシュにより複数周に渡ってセーフティカーが出動しても集中力を乱さず。リズムを維持してリスタートを決め、盤石のライト・トゥ・フラッグを達成してみせた。
続く15時50分開始のレース2でも、終盤にタイヤ摩耗が顕在化したFR勢の苦心を突き、18周のうち残り4周の段階で勝負に出たイングラムが、下りのクレナー・カーブでヒルのインサイドを突き首位浮上に成功。直後のオールドヘアピンでは王者サットンもBMWを抜き去り、勝者以外のふたりがポジションを入れ替えての連続表彰台となった。
現地18時を過ぎて開始された最終レース3では、この日曜を最後尾発進から12位、9位とポジションを挽回してきたハフが主役のひとりを演じることに。リバースグリッドの恩恵とFRの利点を活かし、スタート直後こそモーガンのBMWが先頭を走ったものの、SC明けのブレーキングでロックアップを喫して後退。すぐさまハフがリードを取り戻す。
しかし、その背後に迫ったのがスピードワークス・モータースポーツ(SWM)の仲間でもあるモファットで、バックストレートで元世界王者に照準を合わせたサテライトのカローラは、すぐさまコピスで勝負を仕掛けて予想外のオーバーテイクに成功する。
ここからタイヤ摩耗に苦しんだハフに代わり、ターキントンとサットンの“4冠コンビ”がイエロー&グレーのカローラを追走したものの、背後の2台よりハイブリッドの出力に勝るモファットが毅然とした態度でディフェンスを見せ、2021年以来となる移籍後初勝利を手にしてみせた。
「最初のレースではグリッド最後尾からスタートしたが、それは僕らのクルマのペースのせいでなく、新しい予選ルールが僕らに大きなペナルティを与えただけだった」と振り返った勝者モファット。
「週末を通じてクルマの感触は素晴らしかったけど、この週末は勝利のことは気にせず、表彰台を争うだけでも素晴らしいことだったはずだ。ここ数シーズンは僕にとって厳しいシーズンだったし、今季はふたたび自分のペースを見せて勝つことが重要だった。最初の週末にそれを達成できたのは非常に意味があることさ!」
これで連勝発進を決めたイングラムが選手権の暫定首位に立ち、3戦連続表彰台のサットンが追随するという、激戦を予感させる構図となった2024年のBTCCシーズン。続く第2戦は5月11~12日にブランズハッチで開催される。
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