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熱々のスポーツマインド トヨタGRカローラへ試乗 304psの1.6L 3発ターボ+四輪駆動

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熱々のスポーツマインド トヨタGRカローラへ試乗 304psの1.6L 3発ターボ+四輪駆動

熱々のホットハッチに対する意気込み

ヒーローは突然現れた。トヨタが本腰を入れてGAZOO(ガズー)・レーシング社を立ち上げたのは2017年。以来、2019年のGRスープラに始まり、2020年のGRヤリス、2021年のGR86と、素晴らしい量産モデルを市場へ贈り続けている。

【画像】熱々のホットハッチ トヨタGRカローラ 競合モデルと写真で比較 全175枚

ドライバーを喜ばせるスポーツカーでありながら、価格はお手頃。英国でも多くのクルマ好きの心をしっかり掴んだ。2022年には6速MT版のスープラを追加するなど、ラインナップは着実に強化されている。

そして今回、筆者がステアリングホイールを握ることができたのは、最新のGRカローラ。ラリーステージから引っ張り出してきたような見た目で、強いインパクトを放つ。

膨らんだフェンダーラインに、ボンネットやボディサイドに開けられたエアベント、空力的に磨かれたフロントバンパーなど、隅々までリアルな雰囲気を漂わせている。目的はただ1つ、速く走ることのようだ。

GRカローラには、コア、サーキット、モリゾウという3種類の仕様がある。最後のモリゾウが1番ハードコアで、トヨタのスポーツマインドがどれほど熱いのかを証明している。

何しろ、リアのパワーウインドウにスピーカー、テールゲートのワイパーだけでなく、リアシートまで省いて軽量化されている。GRカローラの車重は約1500kgだというが、モリゾウ仕様は1470kgに仕上がるという。

アルミホイールは軽い18インチで、6速MTはクロースレシオ化。クイックなチューニングのトルセンLSDも前後に装備される。トヨタとして、過去最も熱々のホットハッチを生み出そうという意気込みが伝わってくる。

GRヤリス譲りの1.6L 3気筒ターボは304psへ

ただし英国人にとって悲しいお知らせなのが、GRカローラは英国に上陸しないという事実だろう。理由は明確には伝えられていないが、GRヤリスが導入済みだからだと、1人の関係者は話していた。この土地には、より適していると。

別の関係者は、排気ガス規制が理由だと匂わせていた。何か障壁が存在するのだと思うが、英国は世界最大のホットハッチ市場だということを忘れないで欲しい。残酷な決定だ・・。

とはいえ、AUTOCARは英国以外でも読まれている。ひと足先に北米で開かれた試乗会で、その仕上がりを確認することにした。筆者としては、苦々しい思いが増すだけかもしれないが。

GRカローラが内包するのは、基本的にはGRヤリスのハードウエア。その獲得には、ベースとなるカローラのボディ強化が必要だった。スポット溶接は349か所追加され、パネルの接着部分は合計で約2.7mも増やされている。

さらにGRカローラ・モリゾウの場合は、接着部分の長さが約3.3mも追加され、合計で約6.1mに。ストラットタワー部分の補強も施される。これにより、剛性を大幅に高めたという。

ボンネット内に納まるのは、GRヤリスでもおなじみの1.6L 3気筒ガソリン・ターボエンジン。最大トルクは 37.6kg-mと変わらないが、最高出力は263psから304psへ1割以上も向上している。モリゾウ仕様では、最大トルクも40.7kg-mへ強化される。

サスペンションや四駆システムは専用設定

サスペンションは、フロントがストラット式でリアがマルチリンク式。こちらもGRヤリスの改良版となる。スプリングとダンパーはGRカローラの専用品だが、モリゾウではモノチューブ・ダンパーへアップグレードされるそうだ。

トヨタがGR-FOUR(GRフォー)と呼ぶ四輪駆動システムは、ノーマル・モード時に前後60:40の割合で駆動力を分配。スポーツ・モード時は30:70へ切り替わり、リアタイヤが主軸になる。ダイヤル上のボタンを押すと、50:50の割合も選べる。

インテリアはノーマルのカローラと大きな違いはない。スポーツシートとステアリングホイール、シフトレバーが違う程度といっていい。といっても、不満に感じることはないと思う。

筆者が惜しいと感じたのが、高めの座面。ボディ構造を再設計し、衝突試験を経た再認証を得なければ、シートの位置を低くすることは難しいのだろう。

エンジンを始動させると、お手頃なヤリスにも似た3気筒らしいノイズが聞こえてくる。ステアリングホイールやペダルなど、操作系の重み付けは一貫していて好印象だ。

エグゾーストも3本出しの専用品で、日常的な環境で運転している限り、中央の大きなマフラーは機能しない。アクセルペダルを蹴飛ばし4500rpmを超えた辺りからバルブが開き、3本目が働き出す。そこで放たれる和音は、若干刺激に足りないようだが。

サーキットでは水を得た魚

GRカローラは、すこぶる速い。3000rpm以下での反応の限り、0-100km/h加速5.0秒以下というダッシュ力に疑問を抱く。しかし、人影のない郊外の道で引っ張れば、ガズー・レーシングの主張へ納得できる。全力を試すならサーキットが必要そうだ。

GRヤリスと同様に、グリップやトラクションは驚異的。そこから、雄大な操る自信がドライバーに生まれる。

コーナリングスピードの高さにも息を呑む。ただし、車重が200kg軽いGRヤリスほど敏捷には感じられない。自在に調整していけるような身軽さも及ばない。

これは、ひと回り大きいGRカローラへ、ガズー・レーシングの技術者が異なる特性を与えたため。GRヤリスにはない、高次元の安定性を求めたという。

筆者としては、もう少し公道の速度域でクルマとの一体感や自由度を高めて欲しかったと思う。サーキットでは、GRカローラは水を得た魚のように暴れまわれるだけに。

ハイスピードでベストラインを縫うようなスタイルでも、ブレーキを引きずりながらターンインし、そのままドリフト状態で脱出するようなWRCスタイルでも、GRカローラは意欲的に応えてくれる。サイドブレーキも走行中に使えるよう、手引きのレバーだ。

シャシーはドライバーの味方。ひたすら運転を楽しませてくれる。

広いリアシートで家族とのドライブも可能

GRカローラ・サーキットと比較し、モリゾウでは保持力の高いバケットシートも味方してくれる。一方で、最大トルクの発生域は250rpmだけだが高く、常用域では増強されている事実を感じにくい。

幅が10mm広いミシュラン・カップ2タイヤはグリップ力に勝るが、アンダーステア傾向も僅かに増している様子。派手なドリフトへ持ち込める速度域は、少しだが上昇している。しかし、操縦性の精度は磨かれており、意のままに操れる特性は変わらない。

新しいGRカローラのスリリングな走りを堪能するなら、サーキット仕様で充分かもしれない。主に走るのが一般道だとしても。

新しいトヨタGRカローラなら、ゆったりしたリアシートに友人や家族を乗せて、一緒のドライブも楽しめる。モリゾウでなければ。GRヤリスでは、多少の我慢が必要なことだと思う。

予想通り、英国へ上陸しないことが残念でならないニューモデルだ。

トヨタGRカローラ・モリゾウエディション(北米仕様)のスペック

北米価格:5万995ポンド(約739万円)
全長:4410mm
全幅:1850mm
全高:1455mm
最高速度:241km/h(予想)
0-100km/h加速:5.0秒以下
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:1470kg
パワートレイン:直列3気筒1618ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:304ps/6500rpm
最大トルク:40.7kg-m/3250-4650rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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みんなのコメント

104件
  • まぁ私は古い人間なので純粋に踏み倒してみたい。そう言う観点からすると面白そうなクルマ。
  • カローラが高くなったのではなくて、日本人が貧乏になっただけです。
    海外からみたら割安です。
    まあ、その貧乏な立場が歯がゆいですが・・・
    手が届かないので、スイスポにします。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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