WEC世界耐久選手権に51号車フェラーリ499Pのドライバーとして参戦しているジェームス・カラドは、フェラーリAFコルセが2023年シーズンの残り2戦で23ポイント差を逆転するためには「ちょっとした運」が必要であるという考えをSportscar365に語った。
カラド、アレッサンドロ・ピエール・グイディ、アントニオ・ジョビナッツィの3人は、6月に行われたル・マン24時間“100周年記念大会”で優勝し、ダブルポイントを獲得。これによってトヨタ以外のドライバーではランキング最上位につけている。ドライバー選手権首位につけるトヨタ8号車のセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮の3人と2位フェラーリ勢との差は23ポイントだ。また、AFコルセ51号車と同ポイントでトヨタの7号車(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス)もランキング2位に並んでいる。
結局違反は見つからず。レースから40日、ル・マン24時間のリザルトがようやく“正式”に
7月に開催されたシーズン第5戦モンツァ6時間では8号車のトヨタGR010ハイブリッドは6位という結果に終わったが、これからの週末に同様のことが起きても、この差を縮めるのは難しい課題であることをカラドは認めている。
■不運の開幕戦からル・マン優勝、タイトル争いへ
「現実的に、チャンピオンシップを勝ち取るには運が必要だと思う。僕らの速さはレースで勝つために必要充分とは言えないと考えている。絶対とは言い切れないけどね」とSportscar365に語ったカラド。
「最大限ポイントを獲得できるようにベストを尽くすさ。バーレーンで優勝すれば38ポイント(編注:8時間または1000マイルレースは獲得ポイントが1.5倍)だから、そこで状況が変わる可能性はあるね」
「ル・マンの後、パフォーマンスが上がっていないんだ。モンツァでは少し苦戦したしね。僕たちドライバーは全力を尽くして優勝を狙うだけだ。最大限の努力をするよ」
51号車フェラーリ499Pの戦いを振り返ると、始まりは開幕戦セブリングでのピエール・グイディのアクシデントだった。続く第2戦ポルティマオではブレーキ・バイ・ワイヤ・システムに問題が発生するなど、AFコルセの“エースカー”クルーにとってシーズン序盤は決して真っ直ぐな道のりとは言えない状況にあった。
その後、スパではカラドが最終ラップにオーバーテイクを成功させ3位フィニッシュ。ル・マンでは歴史的優勝を飾りダブルポイントを獲得し、トヨタ8号車とのポイント差を大幅に縮め、タイトル争いに加わることができる場所まで漕ぎ着けた。
■ハイパーカー1年目で健闘を見せるAFコルセの努力
長年にわたり戦ってきたGTEプロカテゴリーからハイパーカークラスに移ってきたカラドは、「今シーズンは未知の世界だった」と述べた。
「パフォーマンスがあることは知っていたし、同時に信頼性が弱点になり得ると思っていたんだ。でも、実際はマシンの信頼性は高く、個人的には良い意味でショックを受けたよ。ル・マンではメカニカルな問題もなかった。小さな電気的なトラブルはあったけど解決できたし、クルマは完璧だった」
「チームはこのクルマを早く戦えるクルマにするべく努力しているし、チームは素晴らしい仕事をしてくれているよ。シミュレーターでの作業や信頼性のチェックなど、彼らとの作業は絶え間ない。2台のマシンがどちらもワールドタイトルを狙える位置にいるのは彼らのおかげだ」
カラドはハイパーカークラス参戦1年目となったここまでの2023年シーズンを次のように振り返った。
「1年目ということもあるし、多くのことを学んでいるよ。僕たちとしては少し不運だった面もあるね」
「セブリングではアクシデントに見舞われて、ちょっとした悪夢のようだった。モンツァもタフなレースだったね。スタート直後の接触で勝負権を失い、緊急のピットストップで戦略から外れてしまったんだ。これらの出来事はすべて、もっと良くすることができたはずだ。でも、とにかく努力を続けて、自分に何ができるかを見極めるしかない」
「ポルティマオではブレーキディスクが3枚しかない状態でフィニッシュしたんだ。信じられないことだよ。もう1台(AFコルセ50号車)はル・マンで石がラジエターを突き破ってしまい、大きくポイントを失った。誰にでも浮き沈みはあるものだが、とにかく仕事に集中するしかないんだ」
終盤戦の第6戦富士と最終戦バーレーンは、フェラーリ499Pにとって、まだ未経験のサーキットだ。一方で、トヨタのGR010はどちらでも優勝した経験を持っている。しかしカラドは、AFコルセのGTEプロクラスでの経歴を考えれば、フェラーリの競争力や準備に大きな違いはないと考えている。
BoP(バランス・オブ・パフォーマンス:性能調整)によれば、富士での499Pはモンツァの時よりも7kg重くなるが、最高出力は8kW(約10ps)高くなり、各スティントで使用できるエネルギーも増加する計算だ。
「練習走行も何度か行ったし、ファクトリーのシミュレーターもかなり正確だった」と話すカラド。
「ベースとなるセットアップについては充分な知識を持って臨むことができるよ。僕にとって、富士はいつも良いコースだしね。GTEプロでは良い結果を残してきた」
「バーレーンは、ハイパーカーでは経験がないけど、誰もが特性を理解している。正直なところ、とくに驚くようなことはないと思っているよ。これまでと同じように対処していくだけさ」
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みんなのコメント
つまらんだけ
岸田と豊田章男はケツアナ兄弟だからな