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【現実の環境でテスト】メルセデス・ベンツEQA 250試乗 一般道/高速道路/峠道で検証

掲載 更新 27
【現実の環境でテスト】メルセデス・ベンツEQA 250試乗 一般道/高速道路/峠道で検証

メルセデスEVの先兵2台

執筆:Kenji Sasamoto(笹本健次)

【画像】試乗したEQAと、急増中のEQファミリー【全モデル】 全106枚

撮影:Daisuke Ebisu(戎 大介)

EVの現状と未来について、現在、発売されているクルマの試乗や新しい技術の紹介をしながら、EVを取り巻く状況の変化をレポートし、読者の皆さんに総合的な知見を得てもらうことが、この特集の意義である。

アウディeトロンに続く第2回目は、メルセデス・ベンツが現在発売しているEQA/EQCの2車種の内、EQA 250の試乗を行ってみた。

本来、最低でも、2週間程度を試乗し、天候を含め、あらゆる環境でテストをしたいところだが、メルセデス・ベンツ・ジャパンの試乗車は、最大1週間しか借りられないそうで、多忙な時期と重なったため、甲府に1往復しかできなかった。

従って、データとしては、やや偏ったものになるかも知れない。

メルセデス・ベンツは、2025年からは、EVの車台を3種類に統一し、徹底した電動化を行ってゆくと発表している。

その先兵が、EQA/EQCの2車種であり、今後、続々と他のカテゴリーでも、新車が発表されるはずである。

試乗したEQA 250について

今回、試乗したEQA 250は、薄い青色で、正式には、デニムブルーと呼ばれるボディカラーを持ち、内装はレッドステッチ入りのブラックレザー仕様である。

ボディサイズは、4465×1850×1625mm(全長×全幅×全高)であるから、かなり小ぶりで、いわゆるコンパクトSUVに分類されるサイズだ。

床下に装備されるリチウムイオン・バッテリーの容量は66.5kWhで、最大出力は190ps、最大トルクは38.2kg-mである。

車両価格は、消費税込みで640万円であり、試乗車は更にAMGライン(47万2000円)、パノラミックスライディングルーフ(17万円)などのオプションが合計86万5000円追加されて、726万5000円となっている。

クルマを受け取った時のオドメーターの距離は5897kmで、満充電から37km走行済みであったが、念のため、ガレージで充電を始める。

16時52分に充電を始め、満充電になる時間は20時47分とダッシュボードに表示された。

充電後の走行可能距離は388kmであった。カタログ上の最大走行距離は422kmであるから、これまでに試乗した人の走行スタイルは、やや、ダイナミックに走っていたのだろう。

すんなり「ベンツに乗っている感」

翌日、甲府に向けてスタート。

まず、驚いたのは、これまでのメルセデス・ベンツのフィーリングをそのまま受け継いでいて、何の違和感もなくすんなりと「ベンツに乗っている感」がしたことである。

これは、動力源が変わってしまうというような重大な局面では、とても大切なことで、長い間、メルセデス・ベンツを乗り継いできた人が、すぐに慣れることの重要さをよく理解していると思う。

因みに、私も、W123の300Dを皮切りに、これまで約40年の間に、230TE、300TEなど9台を乗り継いでいるので、ベンツの味については分かっているつもりだ。

では、メルセデスらしさはどんなことなのか、と言われると、なかなか表現が難しいが、リニアな感触のステアリングや、硬めなのに柔軟なサスの動き方、各部の操作のかっちりしたクオリティ感などから、生まれてくるのだろう。

ただし、今回は、実は、すぐにでも改良をして頂きたい、とてもがっかりしたことがあった。

EQA、とてもがっかりしたこと

改良して頂きたいこと。それは、ETCを入れようと助手席側のダッシュボードを開けようとしたら、なかなか開かないのである。

ロックされているわけでもないし、単純なプラ製のフックなのだが、かみ合わせが悪いのか、全く開かず、何度か、ダッシュボード自体を叩いたりして、ようやく開いたが、このようなレベルの低い工作精度は、かってのメルセデスでは有り得ず、一体どこの国のクルマかと呆れた。

恐らく、オーナーの何人かはステーそのものを折ってしまうだろう。

同じことは、充電用のプラグの収納カバーの開閉でも言えて、この2点だけで、毎日使う人は嫌になるだろう。

ジャーナリストの立場というより、永らくメルセデスに乗ってきた一ユーザーの立場からも残念でならない。

現実の環境でEQAをテスト

気を取り直して、中央道に向かう。今回は、運悪く、相模湖あたりで、事故が発生し、約6km、通過に40分かかる渋滞に遭遇したが、特に問題はなく甲府に到着。

オドメーターは6011kmを指していたので、114kmを走行したが、この時点での走行可能距離は226kmだったので、通常の162km分の電気を消費したことになる。

甲府に到着したのは16時頃。早速、3.2kWの普通充電器でセットすると、残電気は59%で、満充電になるのは午前2時37分、すなわち、約10時間がかかると表示された。

翌朝、充電完了後の残走行距離は385kmと表示された。

本日は、山梨県内のシャトレーゼヴィンテージゴルフ場で開催されている日本シニアオープンゴルフを観戦した後、近くの高原で撮影を行い、その後、深夜に川崎に戻るスケジュールだ。

前日の台風も去って、台風一過の素晴らしい天気に恵まれ、さわやかな高原をEQAで走るのは最高だ。

このEQAは、オプションの20インチホィールを履き、タイヤはコンチネンタルのエココンタクト235/45R20が組み合わされていて、硬めのサスペンションと相まって、ワインディングでの走りはとても楽しい。

撮影が終了し、渋滞がまだ残る中央道を走り、川崎に到着したのが23時。

夜間の渋滞の中でも、特に問題になることは無かったが、ライトがオンになると、室内のパープルのステッチが光り、一瞬ギョッとする。

きれいだと瞬間は思うのだが、しばらくすると、場末のスナックにいるような気分になってくるのが辛い。このようなギミックは果たしてどうなんだろうと思う。

さて、帰宅時のオドメーターは6187kmを指していた。従って、この日は合計176km走行したことになる。

但し、メーター上では残走行距離は191kmで、46%の残となった。

家で、充電をセットすると、満充電になる時間は翌日の12時25分と出て、13時間の充電時間を要することになった。

メルセデスらしさ存分に感じる

今回の試乗で、EQAはメルセデス・ベンツらしさを存分に感じさせるEVであることが判った。

これは、既存のユーザーがスムースに移行するには、とても大切なことだと思う。

もう、EVだからと言って、特別なことを表現する時代は完全に終わっている。

その意味で、このEQAはお勧めである。

400km近い走行可能距離も魅力だと思う。しかし、急速充電はともかく、普通充電の容量を何とか上げて、時間短縮をしたいものだ。

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みんなのコメント

27件
  • 本気でEVをガソリンと置き換える気があるなら
    こんなちょい乗りではなくもっと長距離高負荷の走行でみないと駄目だよ。
    途中で充電が無いようなシチュエーションではデメリットが見えてこない。
  • こんな中国向けの恥ずかしい車には乗れないね
    センス悪すぎだろ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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