オフロードバイクで走る様々な路面の中でも、特に下りに苦手意識を持っているライダーは多いと思う。「登りはアクセルを開けていけばなんとかなるけど、下りはビビってしまってうまく走れない」というような声もよく聞く。
単純な話だが、バイクはアクセルを開けているほど安定してくれるため、下りでビビってアクセル全閉…では当然ながらマシンは不安定になる。そのため、滑りにくいライン取りをすること、適度にアクセルを開けてやりつつ、ポイントポイントでうまくブレーキをかけてやることが大切なのだ。
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今シーズン、JNCCのCOMP-Aクラスで優勝争いを繰り広げ、8月には自身初出場となるG-NET戦、HIDAKA ROCKSで見事完走を果たした内嶋亮。実はこの内嶋、2009年まではプロのMTBライダーとして活躍していた。そして現在ではMTBイベントの運営を生業としており、運営業務の合間に積極的にMTBトレーニングを行うことでJNCCでの成績を伸ばしてきた。
そんな内嶋が、10月20日、自身が運営に携わるMTBのエンデューロシリーズ「ENS(ENDURO NATIONAL SERIES)」の第4戦、白馬岩岳大会の最高峰AAクラスにエントリー、見事総合優勝を飾った。
下りのタイムを競うラリー形式
この競技はラリー形式のMTBの種目であり、リエゾンと呼ばれる主に登り区間を自走で漕ぎあげ、ステージと呼ばれる主に下りの区間をタイムアタックし、そのステージタイムの合計で順位が決まる。オフロードバイクの世界で例えるならオンタイムエンデューロで、テストのコースが下りメインになっているということだ。
白馬岩岳大会ではスプリント力が問われるショートコースのステージ1と、ロングコースのステージ2が用意され、内嶋は共にトップタイムを叩き出した。
「積極的にMTBの練習を取り入れている今シーズンですが、レースに出場することで、より追い込んだ効果の高いトレーニングになると思い、久しぶりにMTBのレースに参戦しました。JNCCを走っていたおかげでレース感はそれほど鈍ることなく、2つのステージ共に集中して走ることができました。
MTBでもライン取りの考え方はオフロードバイクとほとんど変わらず、心拍数の上がった状況でもラインを外さないことや、滑りやすい路面をしっかり読み取り、ブレーキのタイミングや加重のかけ方をしっかりイメージすることが重要です。つまりMTBとオフロードバイクはとても共通点が多いのです。レース中の脳内はJNCCを走る時と同じ感覚でした。
また、MTBで習得できるテクニックとして、フロントタイヤのグリップ感があります。急な下りでグリップさせるための重心の位置や、地形を活かしたブレーキングによる速度コントロールなどがマスターできれば、JNCCほうのきの名物クリフハンガーのような激下りも、自信を持って安定した走りができるようになります。ぜひオフロードバイクのライダーにもMTBに挑戦してみて欲しいですね」
当たり前だが、内嶋はオフロードバイクに乗っていても、やはり下りを得意とする。ハードエンデューロに使われる、他のトップライダーがバイクを降りるような「ありえない激下り」でもスタンディングしたまま華麗に降りていくのだ。
レンタルでも始められるMTBトレーニング
ENSはオールマウンテンという、前後サスペンションが付いたMTBがあればチャレンジできる競技で、JNCCと同じように気軽に参加できるレース。また、いきなりMTBを買うのは敷居が高いので、未経験の人には長野県の富士見パノラマリゾートがオススメ。ここではレンタルが充実しているので、体験するにはもってこいなのだ。ただ残念ながら、これからのシーズンはスキーのためMTBはおやすみ…。
また、電動MTBが進化を遂げている現在。自転車は登りを漕ぐのがしんどい…という人でも気楽にMTB競技に挑戦できる環境が整っていると言えるだろう。
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