今年も伝統のマカオGPの季節がやってきた。今年で71回目の開催。1983年からは”F3世界一決定戦”的な立ち位置のレースとなり、後にF1などで活躍するドライバーが数々参戦してきた。アイルトン・セナやミハエル・シューマッハーなどがその筆頭格であろう。そして今年からマカオGPは、F3マシンではなく、フォーミュラ・リージョナル車両であるタトゥース製のマシンで争われる形となる。
F3規格となって以降、マカオGPを勝った日本人ドライバーは、これまで僅かふたりだけ。2001年の佐藤琢磨と、2008年の国本京佑である。
■父・琢磨顔負けのアグレッシブさ! マカオ参戦の佐藤凛太郎から漂う“最速のDNA”「最近は怖さが減って、楽しくなっちゃって(笑)」
そのうちの佐藤琢磨の息子が、2024年のマカオGPに挑む。佐藤凛太郎である。佐藤凛太郎は今季、日本のFIA-F4選手権に参戦中のドライバーだ。
佐藤凛太郎を起用することになった理由について、TGMの池田和広代表は「彼自身の速さに惹かれた」と語り、さらに次のように続けた。
「アグレッシブなんですよ。悪く言えばちょっと危ないんですけど……(苦笑)。でも速いドライバーって、そういう要素を兼ね備えているんですよね」
では、父親である佐藤琢磨は、マカオに挑む息子・佐藤凛太郎についてどう見ているのか? スーパーフォーミュラ最終ラウンドの際に尋ねると、次のように語ってくれた。
「池田さん、TGMさんから素晴らしいオファーをいただいて、本当に凛太郎で大丈夫なのかなと思います(笑)」
そう佐藤琢磨は語った。
「ライセンス的にもクリアできていなくて、推薦状がないと行けない状態だったんです。でも、若手選手にとっては素晴らしいチャンスだと思うので、色んなことを勉強するためにも、精一杯走ってみてもらいたいと思います」
佐藤凛太郎はmotorsport.comのインタビューに「最近は怖いのが分からなくて、楽しくなってきてしまって……(笑)」と語っていた。また、池田代表も前述のとおり「アグレッシブなんですよ」と佐藤凛太郎を評価する。これらの発言・印象は、父譲りのモノように感じられるが、どうも佐藤琢磨はそうは思っていないらしい……。
「僕とはだいぶ違うドライバーかもしれません。でも、彼なりに本当に頑張っていると思うので、引き続きよろしくお願いします。見守ってあげてください」
「最近は怖いのが分からなくなってきた」と佐藤凛太郎が発言していたことを伝えると、父・佐藤琢磨は嬉しそうにこう答えた。
「いいんじゃないですかね!(笑)」
父・佐藤琢磨の勝利から23年……息子・佐藤凛太郎は今年のマカオでどんな走りを見せるだろうか?
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