新型「フォードF-150ラプター」は最高で333mmの地上高を確保するなど、卓越したオフロード走破性能を実現
2月3日、フォードは北米市場を中心に高い支持を得ているピックアップトラックの新型「F-150」に、オフロードでの走破性をさらに引き上げた「F-150ラプター」(以下ラプター)を設定。今夏より市場導入すると発表した。
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ラプターは、2009年に設定されたF-150の派生モデルで、「バハ1000」をはじめとする砂漠を舞台にしたレースに出場するマシンからインスピレーションを受けて登場した。このラプターが新型F-150にも設定されたわけだ。
新型ラプターには、専用の5リンク式リヤサスペンションを含めて、専用設計されたランニングギアを搭載。従来モデルに比べてホイールトラベル(ホイールの上下方向の可動距離)を大きくとることで、悪路走破性を高めているのが特徴だ。
コイルスプリングは、クラス最長となる24インチ(約610mm)サイズが採用されている。これに組み合わせるショックアブソーバーは減衰力調整機能を備えた電子制御式で、内部バイパスショック機能を持つ新世代「FOXライブバルブ」。これらにより、地形の変化に素早く対応し、砂漠での長時間の走行に対する信頼性を高めている。
減衰力調整機能は、サスペンションの高さなどを検知する各種センサーから値を読み取り、1秒間に500回減衰率を変化。路面から受ける衝撃を、人間の脳が視覚から入る情報を処理するのと同じ速度で応答する。
タイヤサイズは量産フルサイズライトトラックでは最大となる35インチまたは37インチ。特別に開発されたBFグッドリッチ製の「オールテレインT/A KO2」タイヤは、最大のトラクション性能とハンドリングを提供する。
35インチタイヤを装着した場合、ラプターのアプローチアングルは31度、ディパーチャーアングル23.9度、ブレークオーバーアングル22.7度で、12インチ(約305mm)の障害物をクリアできる。一方、37インチタイヤの場合は13.1インチ(約333mm)の地上高が確保され、33.1度のアプローチアングル、24.9度のディパーチャーアングル、24.4度のブレークオーバーアングルを実現。
パワートレインは3.5L V型6気筒ツインターボの「EcoBoost」エンジンと10速ATの組み合わせ。燃料タンクは36ガロン(約136L)の容量を持ち、一回の満タンで500マイル(約805km)の航続が可能とのこと。
走行モードは、滑りやすい路面に対応する「スリッパリー」のほか、牽引モードの「Tow/Haul」、「スポーツ」、「ノーマル」、「オフロード」、「バハ」、「ロッククロール」の7モードを設定。各モードに合わせてステアリングギヤ比やトランスファー、スタビリティコントロール、アクティブバルブエキゾースト、アクティブダンピングシステム、スロットルマッピング、変速ポイントが最適化される。
さらに、オフロードでのクルーズコントロール機能を実現する「トレイルコントロール」も搭載。ドライバーは速度を設定するだけで車両がスロットルとブレーキを自動で管理し、タフなオフロードでもステアリング操作に集中できる。
エクステリアデザインはタフなオフロード性能を感じさせる、頑丈でアグレッシブなイメージを発散。フロントマスクは専用デザインで、ブラックアウトされたグリルや、「パワードーム」フードが特徴的。フロントバンパー下部には耐久性の高いスチール性スキッドプレートが装着され、タフなオフロード走行に対応させている。
そんなタフな走りを実現する一方、ラプターはハイテクなコックピットの持ち主でもある。12インチディスプレイによるデジタルメータークラスターでは、専用グラフィックスとアニメーションによってオフロードデータを含む多彩な情報をオンデマンド表示。センターパネルに備わるカスタマイズ可能な12インチディスプレイでは、画面を分割してナビや音楽、車両の各種機能を同時に表示することができる。
コネクティッド技術も導入されており、ユーザーは「FordPass」アプリを利用することでドアの施錠・解錠を遠隔操作できるほか、タイヤの空気圧や燃料レベルの確認。さらに室内照明や、牽引している場合のトレーラー盗難警報や照明のチェックが可能だ。さらに将来はトレイルマップやトレイルターンアシストといったアップデートメニューが提供され、オフロード走行での利便性をさらに高めることも可能になる。
インフォテイメントシステムはフォードの最新世代版「SYNC 4」を採用。より自然になった音声認識機能を備えているほか、スマートフォンのワイヤレス接続によるApple CarPlayやAndroid Autoへの対応、さらに「Ford+Alexa」などの「SYNC AppLink」アプリをシームレスに統合できる。搭載されるスピーカーは、18スピーカーで構成するバング&オルフセン製サウンドシステムだ。
インテリトリムはアルミニウムが標準で、カーボンファイバーパッケージをオプション設定。オプションではさらにレカロ製バケットシートも用意されている。
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