ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤは、MotoGPエミリア・ロマーニャGP決勝レースを転倒リタイアで終えたが、彼はミシュランタイヤにその一因があるとみているようだ。
土曜日のスプリントでは見事にホルヘ・マルティン(プラマック)を攻略して勝利したバニャイヤだが、決勝レースは奇妙な展開の末に最悪の形で幕を閉じた。
■バスティアニーニ「ギリギリだけど良いオーバーテイクだった」優勝決めた”接触”追い抜きには批判も
ポールポジションにつけながらスタートで出遅れ、ターン1ではマルティンに先行を許したバニャイヤだったが、直後のターン2ですぐに首位を奪還してみせた。
しかしバニャイヤのレースペースは苦しく、長くリードを保つことができなかった。マルティンだけでなく、チームメイトのエネア・バスティアニーニにも交わされてしまったのだ。
さらに後続のペドロ・アコスタ(GASGAS)やマルク・マルケス(グレシーニ)にも追いつかれるかといった苦しい状況だったバニャイヤは突如としてペースアップ。1分30秒台と、他のドゥカティ勢と比べても速いタイムで周回を重ねた。しかし状況が好転すると思われていた中、残り7周のターン8でバニャイヤは転倒。リタイアとなってしまった。
バニャイヤの転倒は、バイクを倒し始めたところで突如フロントタイヤのグリップを失ったような形の奇妙なクラッシュだったこともあり、レース後バニャイヤはミシュランタイヤの性能の低さが転倒の原因だと主張した。
「レース序盤からフロントタイヤのフィーリングが悪く、ハードブレーキングができなかったんだ。それから、15周を過ぎたあたりからリヤタイヤが効き始めたんだ。こんなことが誰かに起きたのは初めてだと思う。そんなこと聞いたこともないし、起きたこともない。リヤタイヤが15周も機能しなかったなんて、信じられないよ」
バニャイヤは、転倒した瞬間も含めて過剰なリスクは冒していなかったと認めた。
「タイヤが機能し始めた後、ハードブレーキングは出来なかったけどリカバリーができた。金曜午後のように、ミディアムタイヤで最速だったからね」
「クラッシュのときも、僕はかなりまっすぐに走っていたし、特に何もせずに早めにブレーキをかけた。1分30秒8のファステストを出したラップより18メートル早くね。そこがリミットだなんて分からなかったし、ハードブレーキングにトライしようともしていなかった。まるで路面に穴が開いていたみたいな……もちろんなかったんだけど特別な感じだったんだ」
レース後、バニャイヤはミシュランの担当者とも話すことができたという。
「何が起こったのかについて話すためにチームと多くの時間を過ごした。ミシュランのマネージャーとも一緒にいた。15周を過ぎたあたりからリヤタイヤが効き始めたのがはっきりわかるからだ。突然タイムがコンマ数秒落ち始め、その後3~4周を1分30秒台で走り、0.4秒追い上げることができた。これは普通じゃない。普通というのは1分30秒1で走り出して、そこから上げていくんだ。1分31秒8でスタートし、何も変えていないのに、1分30秒台で走れるようになることではないんだ」
バニャイヤがリタイアした後、彼の前を走っていたマルティンとバスティアニーニは激しい優勝争いを展開。ファイナルラップにはかなり強引にオーバーテイクを仕掛けたバスティアニーニが優勝を果たした。
このオーバーテイクについて、マルティンは当然批判。マルク・マルケスもペナルティに相当する動きだったと考えているが、バスティアニーニの優勝によってタイトル争いのダメージを多少抑えられたバニャイヤの意見は異なるようだ。
「レース中のオーバーテイクだ。普通だと思う。誰かがスチュワードが調査したのは普通じゃないと言っているのを聞いたことがある。同じようなことが僕にも起こったことがある。インドで、ホルヘとね。そういうことがたくさんある。あれはレースでのオーバーテイクだし、ペナルティを科すのは理にかなっていない。今回は正しい決断が下された」
最後にバニャイヤは、タイトル争いにおける自身の状況を振り返り、ドゥカティがコントロールできない何かによって、またしても重要なポイントを失ってしまったことを悔やんだ。
「またしても、ドゥカティがコントロールできないことでポイントを失ってしまった。またしても手の届かない、実力の及ばないことでポイントを失ってしまったんだ」
「今後もこのようなことが続くのかどうかわからない。いずれわかることだ。でも、そのことを頭から追い出して、残りのことに集中するのは得意なんだ」
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みんなのコメント
タイヤのワンメイクを廃止して、来季に向けたシーズンオフに各メーカーでプレゼンやったら良い。
ムラがあるか否かはそれを数回やったらわかるのでは?
まぁ、日本メーカーを追い出す事に躍起になっていた現運営人にはそんな気サラサラ無いんでしょうけどね。