MotoGP第10戦スティリアGPのMoto3クラス決勝が行なわれた。優勝はペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Ajo)だった。
今季はレッドブルリンクで2連戦を行なうMotoGP。その初戦となるスティリアGPの決勝日は、朝から雨模様となった。Moto3決勝のスタート時間には雨自体は降り止んだが、路面はしっかり濡れており、ウエットレースが宣言されてスタートを迎えた。
■ルーキーにして現在Moto3首位に立つペドロ・アコスタにシュワンツとミラーから称賛の声
予選ではデニス・オンジュ(Red Bull KTM Tech 3)がキャリア初のポールポジションを獲得。2番手と3番手にはセルジオ・ガルシア(SANTANDER Consumer GASGAS)とロマーノ・フェナティ(Sterilgarda Max Racing Team)が並んだ。ポイントリーダーのアコスタも4番手につけている。
ただオンジュはスタートまで3分を切った後にタイヤをスリックへと交換するギャンブルを実施。それによってスターティンググリッドは最後方となってしまった。
他のライダーはほとんどがウエットタイヤを選択して23周のレースのスタートを切る中、ホールショットを奪ったのは3番グリッドのフェナティだった。ただフェナティはそのポジションをキープすることができず、オープニングラップを終えての首位はガルシアだった。
ただ1周目を終えた段階では、早くもガルシア、アコスタ、フェナティの3台が後続に2秒の差をつけて逃げる展開を築いた。ただフェナティは他に2台のペースについていくことができず、徐々に遅れていくこととなる。その後もトップ2はその後もハイペースで走行を続け、3番手以下との差を拡大し続けた。
4番手集団は、ジャウマ・マシア(Red Bull KTM Ajo)、佐々木歩夢(Red Bull KTM Tech 3)、マクシミリアン・コフラー(CIP Green Power)の3人。彼らは徐々にフェナティとの差を詰め、10周目には完全にフェナティも吸収することになった。
先頭のガルシアとアコスタはテール・トゥ・ノーズの状態で度々自己ベストを更新し合う走りを続けた。レース半分となる12周を消化した段階では、早くも後続に8秒もの大差をつけた。
13周目にはアコスタがガルシアをオーバーテイクするも、ガルシアはすぐに抜き返す。ただアコスタはガルシアから離れずピタリと後方に食らいつき、オーバーテイクの機会を伺う状況が続いた。
アコスタは再三にわたってガルシアに攻撃を仕掛けるも、その度に抜き返されてしまい、ついに最終ラップを迎えた。
その最終ラップ、アコスタはターン1でガルシアをオーバーテイク! しかしガルシアも諦めず、ターン3の飛び込みで並びかけると、両者が接触。アウト側に居たアコスタはコース外にはじき出されてしまい、ガルシアが首位を守り切ったかに見えた。
しかし勝負が決まったのは最終コーナーのひとつ手前のターン9だった。ガルシアはブレーキングでアコスタにイン側に入られて先行を許すと、その直後にフロントタイヤがグリップを失って転倒。アコスタは最終コーナーを先頭で立ち上がり、トップチェッカーを受けた。これで今季5勝目である。
転倒してしまったガルシアだが、即座に立ち上がってマシンを再始動。コースに復帰して2位でフィニッシュすることができた。3位にはマシアとの争いを制したフェナティが入った。なおPPを獲得しながらも最後尾からのスタートとなったオンジュは、最終的に21位でレースを終えた。
日本勢は5位でフィニッシュした佐々木が最上位。山中琉聖(CarXpert PruestelGP)が7位、國井勇輝(Honda Team Asia)が8位、鳥羽海渡(CIP Green Power)が12位、鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)が15位と、5名全員が入賞を果たした。
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