現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 3年目に躍動の角田裕毅、いま振り返るF1デビューイヤー。イモラで狂った歯車「やっぱり”何か”があったと思う」

ここから本文です

3年目に躍動の角田裕毅、いま振り返るF1デビューイヤー。イモラで狂った歯車「やっぱり”何か”があったと思う」

掲載 2
3年目に躍動の角田裕毅、いま振り返るF1デビューイヤー。イモラで狂った歯車「やっぱり”何か”があったと思う」

 アルファタウリの角田裕毅は、F1デビューを果たした2021年シーズンについて、エミリア・ロマーニャGP予選でのクラッシュからシャシーを交換するまでの間、何かがおかしかったと振り返った。

 F1参戦3年目を迎えた今季の角田は、抜群の安定感を発揮。マシンのパフォーマンスが苦しい中でも多くのレースでポイントを争い、3度の10位入賞。その走りはパドック内外で高い評価を受けている。

■F1ドライバーに会えちゃうかも!? レッドブル、日本GPへ向けて怒涛の特別企画4連発

 そんな中で角田は、メディアブリーフィングで何度か、デビューイヤーに感じた違和感について触れた。

 この点について詳しく聞くと、角田は2021年第2戦エミリア・ロマーニャGP予選でのクラッシュが様々なきっかけになってしまったと説明した。

「正直なところ、僕には大きな疑問符があるんです。誤解しないんでほしいんですが、シーズン前半に良い走りができなかったのは、100%僕の責任です。それまで自分の弱点を感じていなかったのに、それが誇張されてしまったんです」

 そうmotorsport.comに語った角田。プレシーズンテストを2番手で終え、デビュー戦となったバーレーンGPでも9位に入賞するなど順調な滑り出しを見せたものの、攻めた結果のクラッシュにより自分の新たな一面に気づいたのだという。

「F2を去るまでは順調でしたし、大きなクラッシュもありませんでした。F1でもバーレーンでのテストも含めてスピンやクラッシュもしませんでした。なので僕は『限界まで攻めているのか?』と自問自答するようになり、もっとプッシュするようになってイモラでクラッシュしました。同時に自分が限界を超えていることがわかったので、とてもハッピーな気分にもなりました」

「でもそれ以来、新しい自分、新しい一面を発見したような気がします。あの事故のせいで、限界を超えるのが怖くなったんです。それで少し自信を失い、それから疑問を持つようになり、どうやって自信を取り戻せばいいのか分からなくなりました。自信を取り戻すのにとても時間がかかり、そこから悪循環に入って限界を超え、何度もクラッシュしてしまいました」

 この年のアルファタウリはマシンの競争力が比較的高かったこともあり、角田はその後も度々ポイントを獲得するが、チームメイトのピエール・ガスリーと比べると差をつけられていたのも確かだ。

 角田はイモラでのクラッシュ以降リヤのグリップに苦しみ、次第にマシンに何らかの不具合があるのではないかと考えるようになったという。しかし角田はルーキー。チームはしばらく様子を見ていたが、ついに第15戦ロシアGP後にシャシー交換を行なった。

「同時に、リヤエンドが本当に弱くなっているのを感じていました。イモラでクラッシュして以降、ターンインするとすぐにリヤが滑りすぎてしまうようになりました。ラップタイムもピエールからコンマ6~7秒遅れてしまうようになりました」

「ロシアGPのFP1は最悪でした。ラップはいい感じだったのに、常に1.5秒遅れでした。今振り返ると……10レースが終わったあたりからシャシーに疑問を感じ始めたんです」

「チームやエンジニアと少し話をするようになったんです。でも明らかにチームは、僕がルーキーだから僕の問題だと考えていました。経験も少ないし、それは理にかなっています」

「バーレーンの予選ではQ2に進出し、初戦でポイントを獲得したのに、イモラでクラッシュした後は急に(パフォーマンスが)落ちてしまった。だから、ちょっと疑問を感じていたんです」

「そのシャシーで走ったのはロシアが最後でした。それまでにすでにたくさんのレースをこなしていましたが、ついにチームも僕のシャシーに疑問を持ち始めたんです」

 これにより、マシンの感触も良くなりガスリーとの差も縮まった角田。そして最終戦アブダビGPでは4位に入り、素晴らしい形でデビューイヤーを締めくくることができた。

「シャシー交換して次のレースはトルコでした。僕にとってそこでのレースは初めてでしたが、それ以降はピエールとコンマ4秒か5秒の差で、コンマ7~8秒も遅れることはなくなりました。そして最後の3レースは、普通のクルマに乗っているように感じられるようになりました」

「でもあのときは、すでに多くのレースが終わって、自分のことを疑い、色々なことへのアプローチを変え、たくさん悩み、考えすぎてしまっていました」

「そしてシャシーを変えたら突然、ラップタイムが(ガスリーに)近づきました。でも同時に失った自信も大きく、それを取り戻し立ち直るのに多くの時間がかかりました」

「最後の4レースはいい走りができました。それでも、まだ完全に自信を取り戻したわけではなかったけれど、最後に4位になることができました。シャシーを変えてから複数回Q3にいけましたし、やっぱり何かあったんだと思います」

 デビューイヤーの悩みを乗り越えた角田は、フィジカルの面でも充実したドライバーに成熟し、素晴らしい今季シーズン前半戦を過ごした。夏休みを経て臨むシーズン後半戦では、さらに上位を目指していきたいところだ。

関連タグ

こんな記事も読まれています

レクサスLBXが絶好調! 日産ノートオーラも売れている! 日本には「高級コンパクト」の潜在需要があり
レクサスLBXが絶好調! 日産ノートオーラも売れている! 日本には「高級コンパクト」の潜在需要があり
WEB CARTOP
トヨタ次期「セリカ」に期待! 「まもなく登場?」 8代目「次期型」20年弱ぶりに復活!? みんなの声は
トヨタ次期「セリカ」に期待! 「まもなく登場?」 8代目「次期型」20年弱ぶりに復活!? みんなの声は
くるまのニュース
オーストリアでの接触で友情にヒビ? ノリス、フェルスタッペンが責任逃れをするなら「リスペクトを失う」
オーストリアでの接触で友情にヒビ? ノリス、フェルスタッペンが責任逃れをするなら「リスペクトを失う」
motorsport.com 日本版
[カーオーディオ・素朴な疑問]メインユニット…カロッツェリア『サイバーナビ』のオーディオ機器としての実力は?
[カーオーディオ・素朴な疑問]メインユニット…カロッツェリア『サイバーナビ』のオーディオ機器としての実力は?
レスポンス
高級ファミリーカーの新提案──新型アウディQ6 e-tron試乗記
高級ファミリーカーの新提案──新型アウディQ6 e-tron試乗記
GQ JAPAN
マセラティ MC20/MC20 チェロ【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
マセラティ MC20/MC20 チェロ【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
【正式結果】2024年F1第11戦オーストリアGP決勝
【正式結果】2024年F1第11戦オーストリアGP決勝
AUTOSPORT web
2024年5月欧州新車販売は前年比2.6%減。HEVがシェアを伸ばしている
2024年5月欧州新車販売は前年比2.6%減。HEVがシェアを伸ばしている
カー・アンド・ドライバー
6速MTもある日産「新型スポーティセダン」発表! 生まれ変わった“精悍”顔に「カッコイイ」の声も! 新型「セントラ」約340万円からチリに登場
6速MTもある日産「新型スポーティセダン」発表! 生まれ変わった“精悍”顔に「カッコイイ」の声も! 新型「セントラ」約340万円からチリに登場
くるまのニュース
日産の最高級SUV!新型「インフィニティQX80」北米で登場 全長5.4mのフルサイズSUVがフルモデルチェンジ
日産の最高級SUV!新型「インフィニティQX80」北米で登場 全長5.4mのフルサイズSUVがフルモデルチェンジ
VAGUE
【古いクルマのオーナーこそ必見】この夏〝中古車バブル〟到来中! 愛車を高く売りたいなら、この7月がベスト
【古いクルマのオーナーこそ必見】この夏〝中古車バブル〟到来中! 愛車を高く売りたいなら、この7月がベスト
月刊自家用車WEB
あなたのスマホをしっかりホールド! ドライブライフの車載スマホホルダー「HLD02」が登場
あなたのスマホをしっかりホールド! ドライブライフの車載スマホホルダー「HLD02」が登場
月刊自家用車WEB
トヨタ“次期型”「ハイエース」いつ登場!? デビュー20年目の「大人気“商用バン”」どうなる? “超静音モデル”化に期待か
トヨタ“次期型”「ハイエース」いつ登場!? デビュー20年目の「大人気“商用バン”」どうなる? “超静音モデル”化に期待か
くるまのニュース
今気になるモデルの『○』と『×』
今気になるモデルの『○』と『×』
グーネット
スズキが「本格“軽”SUV」実車公開! 次期「スペーシアギア」!? 超カッコイイ「“ジムニー”顔」&「斬新内装」のアウトドアカスタムお披露目
スズキが「本格“軽”SUV」実車公開! 次期「スペーシアギア」!? 超カッコイイ「“ジムニー”顔」&「斬新内装」のアウトドアカスタムお披露目
くるまのニュース
【ポイントランキング】2024年FIA F2第7戦シュピールベルク終了時点
【ポイントランキング】2024年FIA F2第7戦シュピールベルク終了時点
AUTOSPORT web
ポルシェやランボも作れそう……「あたり」固体しか生まない設備も人材も日本最高峰!!! GRファクトリーが凄すぎる
ポルシェやランボも作れそう……「あたり」固体しか生まない設備も人材も日本最高峰!!! GRファクトリーが凄すぎる
ベストカーWeb
ファンティック「キャバレロ フラットトラック125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
ファンティック「キャバレロ フラットトラック125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ

みんなのコメント

2件
  • クビにはならないけど、他チームからなオファーもない
    遅いマシンを上手く走らせる事もできないし
    雨に強いわけでもない
    口が悪いからメカに嫌われてる
  • すまん、ずーっと若手芸人だと思ってたw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村