12月2日、富士スピードウェイで『NISMO FESTIVAL 2018』が開催され、2018年シーズンを戦ったニッサン系ドライバーやチーム監督、マシンなどが集結。第2世代フォーミュラEマシンの国内初走行なども行われ、3万1500人のファンがイベントを楽しんだ。
2018年で21回目の開催を迎えたニスモフェスティバルは、その年のレースを戦ったニッサン系ドライバーやマシンが集結し、シーズンを通してサポートしてくれたファンに感謝を伝えるイベント。また往年の名車たちも登場し、当時の興奮を再現するようなデモランも行う点も見どころだ。
ニッサンの第2世代フォーミュラEマシンが日本初走行。リーフ・ニスモと“EV編隊”で魅了/ニスモフェスティバル2018
第21回目のニスモフェスティバルは太陽は顔を出さなかったものの、終始薄曇りのなか開催。12月に入ったこともあり、時おり寒さを感じる天候となったが、早朝から多くのレースファン、ニッサンファンが足を運んだ。
レーシングコースではニスモロードカーのオーナーによるパレードランやニッサンのモータースポーツ史を彩ったレーシングカーによるデモラン、レーシングカー同乗体験、サーキットサファリなどが行われた。
今年はニッサンのモータースポーツ活動60周年の節目ということもあり、1958年のオーストラリアラリーに参戦し、ニッサンのモータースポーツ史の1ページ目を刻んだダットサン1000セダン・富士号も、その勇姿を披露している。
また、イベントでは12月15日に開幕する2018/19年ABBフォーミュラE選手権に投入される第2世代マシン“Gen2”や11月30日に発表されたEV(電気自動車)レーシングカー『ニッサン・リーフ・ニスモRC』によるデモランも行われ、ファンの視線を集めていた。
そのほか、グランドスタンド裏のイベントステージでは、スーパーGT500クラスを戦ったドライバーと触れ合えるハイタッチセッションやサーキットに華を添えるレースクイーンによるステージ&フォトセッションも行われ、多くのファンがイベントを満喫していた。
■近藤真彦監督、「昨日シェイクダウンした」ニュル参戦GT-R GT3でサプライズ登場
15時から行われたフィナーレでは、ホームストレート上にイベントへ参加したドライバーとチーム監督、レースクイーン、マシンが集合。ここでは2018年のピレリ・スーパー耐久ST-Xクラスでシリーズチャンピオンを獲得したY's distraction GTNET GT-Rの浜野彰彦、星野一樹、藤波清斗にチャンピオン獲得の花束が贈られた。
そして先日、結婚を報告した一樹には、サプライズでさらに花束が贈呈され、ドライバーやファンからあらためて祝福を受けると、一樹も笑顔で応じていた。
このままイベントは閉幕かと思われた直後、突如ピットレーンからエンジンの咆哮が響き渡ると、ピットから2019年のニュルブルクリンク24時間耐久レースを戦うニッサンGT-RニスモGT3がサプライズで登場。
明るいレッドを基調としたカラーリングをまとったGT-R GT3はピットレーンを逆走して最終コーナー方向へ向かうとUターンして、グランドスタンド前で停車。コクピットからKONDO Racingの近藤真彦監督が姿を現してファンを驚かせた。
「昨日シェイクダウンしたばかりのクルマで、メカニックやドライバーから『絶対にぶつけないでくれ』と言われてて。すごいプレッシャーのなか運転してきました」と近藤監督。
「日本のレースはもちろん全力を尽くしていきます。ドイツ(のニュル24時間)でそう簡単に勝てるわけではないことは重々承知しています。少なくとも3年かけて、いいところをみせて3年目には必ず勝つという気持ちで頑張ります」
最後にニスモの片桐隆夫CEOが代表してファンに対しシーズンを通した応援へ感謝を述べるとともに「日産自動車が電動化、クルマの自動化をリードしようという選択のもと、モータースポーツに関しても電動モータースポーツの最高峰であるフォーミュラEに挑戦することになりました」と来シーズンへの展望を語った。
「フォーミュラEで経験の深いe.ダムスとのパートナーシップのもと、4名のドライバー、すべての関係者、日産自動車の叡智を結集し、総合力で激戦のレースに挑戦したいと思います」
「(フォーミュラEは)ちょうど2週間後(の12月15日)に開幕を迎えます。ぜひニッサン、ニスモのファンにまずフォーミュラEを知っていただき、日本で一番フォーミュラEに詳しい熱心なファンになっていただきたいと思います。ぜひ観戦していただき、応援していただきたいです」
「スーパーGTのGT500に関しては、ちょうど1年前、この場で『雪辱を果たします。そして、ここでみなさまと喜びを分かち合いたい』という話をいたしました。しかしながら、それが叶わず、本当に申し訳ありませんでした」
「我々も進化したつもりでしたが、ライバルの進化が勝っていたというのが実態でした。しかし、このまま終わるわけにはいきません。時間は限られていますが、今はクルマ、タイヤといったハード面のみならず、戦略といったソフト面も含めて、聖域を設けずにすべてを見直して雪辱を果たしたいと思っています」
「フォーミュラE、スーパーGTというモータースポーツの二本柱に加え、KONDO Racingのニュル24時間への挑戦など、来年も有力なカスタマーチームが世界の有名なレース、チャンピオンシップに参戦する予定です。そのすべてをニスモとしても支え、いい成績をお伝えしたいと思います」
片桐CEOの必勝を誓ったコメントに、グランドスタンドに集まっていたファンも熱いコールで応じ、熱気を帯びるなか、2018年のニスモフェスティバルは幕を下ろした。
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