フォーミュラEのプレシーズンテストは10月24日からスタートしたが、初日午後の走行開始を前にパドックで火災が発生。中断を余儀なくされた。
WAE(ウイリアムズ・アドバンスト・エンジニアリング)のガレージでバッテリーから火の手が上がったのだが、直ちにサーキットは封鎖され、チーム関係者は速やかに避難。被害は大きくならずに済んだ。
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FIAとWAEによる調査の結果、「(他の)バッテリーには故障したユニットと同じような症状は見られない」との結論に達し、テストは26日の午後から27日にかけて問題なく再開された。
初日午前のセッション1、26日午後のセッション2、27日午後のセッション4はミッチ・エバンス、27日のセッション3はニック・キャシディと、いずれもジャガー勢がトップタイムをマークした。
また、セッション中盤に行なわれた27周の模擬レースでは、同じくジャガーのパワートレインを使ったエンヴィジョン・レーシングのロビン・フラインスがトップとなっている。
なお、火災発生が発生したWAEのガレージにはマヒンドラのガレージが隣接しており、消火作業の影響を被ってしまった。これによりニック・デ・フリーズが1セッションを欠場することに。開幕までの間に失った走行時間分の補填が認められている。
開幕に向けて各チームがチェックを進めるテストの中で発生したバッテリー火災に対する懸念は決して小さくないものだが、アプト・クプラのルーカス・ディ・グラッシは緊急クルーによる事故への対応と、ドライバーに状況を伝えたFIAを称賛した。
「正直なところ、今回の件についてはとても安心していられた」
そうディ・グラッシは語った。
「フォーミュラEが誕生して10年でバッテリー火災が1回しか起きていないという実績はすごいことだと思う」
「F1を含め、内燃機関を使ったどのレースシリーズよりもずっといい。だから、このような出来事が1回あったとしても、まったく問題ないと思う」
「フォーミュラEの対応には驚かされた。20分後にはすべてが安全に隔離され、全員が避難し、火は収まり、燃え広がることもなかった」
「だからリアクションは素晴らしかったし、事前に何が起こったかを知っていたので、クルマの中では100%安全に運転できた」
ディ・グラッシの言うように、2014年にフォーミュラEがスタートしてから、バッテリーに関する大きな問題が起きたのはこれが初めてだった。
フォーミュラEのGen3マシンは予選時やアタックモード時に最大出力350kWを発揮するが、この事故を受けて予防措置としてセッション2以降はマシンの出力が300kWまでに制限された。
また今回、今季中の導入を目指す”急速充電ピットストップ”で使用する急速充電プラグのテストも行なわれていたが、セッション2以降は低電圧でのテストとなっている。
テストで使用され、WAEに送り返されたバッテリーをすべてチェックしたものの、Gen3初年度だった昨シーズンに使われたモノと同じ仕様であったことをFIAは認めた。
「我々はバッテリー技術の最先端にいる。今のバッテリーは600kWで充電が可能で、この容量を持つバッテリーは世界でも他にないと思う」
そうディ・グラッシは付け加えた。
「技術の限界に挑戦しているときは、こういうことが起こるものだ」
「シーズンは計画通りに進むと思うし、すべて順調だよ。おそらく僕が一番リラックスしていたと思う。すべての対策は適切な方法で行なわれたと思う」
ポルシェのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタは、バッテリーの限界に挑むというディ・グラッシのコメントに同意し、今回の事故はモータースポーツと公道でのEV技術に関して貴重なデータを提供するものだと述べた。
「ここでウイリアムズやフォーミュラE、電気自動車を批判したり、ネタ探しをしたりすべきではないと思う」と彼は『Autosport』に語った。
「これはコース上でストップしたマシンのバッテリーから火が出たわけではなくて、バッテリーを調査している最中に起きたことなんだ」
「そして、どちらかといえば、それはポジティブなことだとさえ言える。10年の歳月を経て、ついにバッテリーを発火させる方法が見つかったんだ。これによって将来的には、公道やサーキットを走るすべての電気自動車の安全性が高まるだろう」
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みんなのコメント
ヒョンデとかどうなってんのというレベル