冬タイヤの定番銘柄 11代目に
text:AUTOCAR JAPAN編集部
【画像】ブリザックVRX3発表会 9月1日発売へ【全111サイズ】 全11枚
ブリヂストンが今年の冬を見据えて、新スタッドレスタイヤ「ブリザックVRX3」の発表を行った。
その技術説明のなかで「2世代分の進化」というフレーズが使われたのは、タイヤという成熟市場の製品では珍しいことだった。
そもそもブリザック・シリーズは、1988年に立ち上げられたロングセラー・ブランドだ。
北海道札幌市のタクシー装着率は69.5%。さらに、北海道/北東北の主要都市では、装着率が20年連続でスタッドレスの1位(いずれもブリヂストンタイヤジャパン調べ)と、降雪地域での知名度・実績は圧倒的。
新モデルの「ブリザックVRX3」は、そのシリーズの11代目となる。
先のフレーズが使われたのは、VRX3の氷上ブレーキ性能について、製品開発管掌が言及した際のことだった。
従来型のVRX2に比べて20%向上というのが、その根拠。
VRX3を履いた車両と、VRX2を履いた車両を同条件で走らせ、同じように氷上でブレーキングする映像は、制動距離の差が出て分かりやすい。
一般的なスタッドレスタイヤのパンフレットでは、多くの新製品が従来型に対して10%前後の氷上ブレーキ性能アップを謳うのが常だから、たしかに2世代分の進化ということになる。
どのようにして、これだけの大差を実現したのか?
水を吸い上げるストローのように
ブリザックシリーズの技術的なコアは発泡ゴム。
ゴム内部に無数の気泡と水路を設けている。
凍った路面でグリップが弱まる原因となるのは水の膜だ。それが、タイヤと氷(路面)の間に入り、密着を妨げる。
従来のブリザックは、ゴム表面に現れる1つ1つの気泡に水が入ることで、タイヤの接地を高める考え方だった。丸い気泡に、いかに多くの水を入れるかに拘っていた。
VRX3では、気泡に“水を吸い上げる”という役割をもたせたのが新しい。
これは毛細管現象(capillary action)を利用したもので、水の入ったコップにストローを入れたとき、ストロー内部の水がコップの水面より上にくることを思い出せば分かりやすい。
また、太いストローと細いストローをコップに入れると、後者の方が水を高い位置まで吸い上げる。
VRX3の気泡の断面図を見ると、縦に長い楕円となっているのが確認できた。丸い気泡に比べて、同じ体積でも吸水力がアップするわけだ。
ライフ性能の長さ タイヤ各社が重視
近年は、ユーザーがスタッドレスタイヤを買い替えるまでの期間が長くなってきたとブリヂストンは指摘している。
使用期間の最後の冬に、どれだけ性能を持続できているかは、安全面で大きなポイントとなるし、効きが長ければリピーターの獲得にも繋がる。
スタッドレスタイヤは、路面の細かな凹凸とタイヤを密着させてグリップを得るから、低温下の雪道・凍結路で柔らかさを保つゴムは不可欠。
一般的にゴムを柔らかくするにはオイルを用いるが、次第に抜けてゴムは硬化してしまう。
タイヤメーカーがスタッドレスのライフ性能を重視するようになってから、ゴムの性能維持、オイルのレシピ、その配合技術は各社の腕の見せ所となっている。
VRX3が「2世代分の進化を遂げた、新しい次元のブリザック」と紹介されるもう1つの理由がここにある。ライフ性能については、オイルの抜けにくさに加えて、発泡ゴム自体を硬くならないようにしており、開発の視点が一歩進んでいるのだ。
同社が開発したポリマー「ロングステイブルポリマー」がその技術的なトピック。これは、時間が経っても抜けにくく、ゴム分子とともに留まるような発想の新素材である。
柔らかさを維持することに直接繋がるから、VRX3の効き持ち性能の効果は、4年使用後でも実にVRX2の新品以上だとブリヂストンは胸を張る。
その性能を市販製品として発表するまでには、ナノレベルの分析の進歩と配合技術の生わざが組み合わさる必要があっただろう。
これ以外にも、トレッドパターンの設計思想を変えるなどして、冬タイヤに求められる性能を全方位で高めたとされるブリザックVRX3。
氷上をテスト走行する機会を得たので、ブレーキ性能やコーナリング性能などのインプレッションは改めてご報告したい。
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みんなのコメント
色々試したけど、客を乗せて安心して踏めるって言うグリップ力ではブリザックがやはり間違いないね。
価格も少し高いけど、我々は事故を起こさない事が一番重要ですから。