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F1メカ解説|ほろ苦デビューとなったウイリアムズのアップデート。しかしその効果は確認済み……軽量化がさらに進んだ?

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F1メカ解説|ほろ苦デビューとなったウイリアムズのアップデート。しかしその効果は確認済み……軽量化がさらに進んだ?

 ウイリアムズはF1オランダGPに、今季初めての大規模アップデートを投入した。このアップデートは十分に効果を発揮したものの、複数の問題が組み合わさり、ほろ苦い”アップデート初戦”になってしまった。

 ウイリアムズは今季開幕から大きなアップデートを投入してこなかったが、サマーブレイク明け初戦のオランダGPにこの新パッケージを持ち込んだ。この新しいパッケージは大いに効果を発揮し、フリー走行と予選でアレクサンダー・アルボンが上位につけることになった。アルボンは今季の激戦のF1において、Q3に進出を果たしたのだ。

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「アップデートが好結果を生み出し、非常に接戦の中団グループの中で、 Q3に戻ることができた」

 チーム代表のジェームス・ボウルズはそう語り、さらに次のように続けた。

「金曜日に行なったロングランも好調だった。中団グループから抜け出し、実際にフェラーリのペースと重なる瞬間もあった。このことは、シーズン序盤の状況とは全くことなる」

 しかし土曜日に、全てが崩れ去った。まずはFP3で、ローガン・サージェントがミスを犯して大クラッシュ。マシンを大破させてしまったのだ。これでサージェントは、予選に出走することすらできなかった。

 一方でアルボンは前述の通りQ3に進出したものの、予選後の車検にひっかかってまさかの失格。新しいフロアの幅が規定以上に広かったことが明らかになったのだ。

 この問題については比較的容易に解決することができたが、予選タイムは抹消。これによりウイリアムズの2台は、グリッド最後尾からスタートすることを余儀なくされたのだ。期待を持って挑んだ週末は、事実上台無しとなってしまった。

 オランダでポイント獲得のチャンスを逃すことになってしまったウイリアムズは、悔しさを滲ませる。しかし今後のグランプリでも、フリー走行や予選で見られたパフォーマンスを続けられるのか、チームとしてはそれを確認したいとしている。

 ではウイリアムズは、オランダGPにどんなアップデートを持ち込んだのか? それは基本的には、空力面の改善と軽量化という2本柱である。



 今回のアップデートで特に目立ったのは、サイドポンツーンのデザインに関するアプローチの変更である。上の写真のうち、左が今回投入された新仕様。右が従来仕様のモノだ。

 そもそもウイリアムズは今季マシンFW46のサイドポンツーンに、アンダーバイトスタイル(開口部の下端が前方に伸びるデザイン)を採用していた。しかし今回投入されたアップデート版では、逆に上端が前方に伸びるオーバーバイトに変更した。これにより、必要となる冷却性能を維持しながら、空力的な自由度を赤めている。

 またこのような変更は、他の複数のチームもシーズン前半に済ませたことだ。

 ボディワークにも変更が及んでいる。サイドポンツーン下部の”アンダーカット”と呼ばれる抉れの部分が拡大。カウルの段差の形状にも変化が見られる。

 この変更により、後方に向かう気流はサイドポンツーンの側面を沿うように周り、アンダーカットが激しくなったことで車体中心部の露出が増えている。この車体中心部の形状は、以前のモノと似ているものの、より攻撃的になった。

 これらの変更に伴い、フロアエッジとエッジウイングにも変更が加えられている。最も視覚的に明らかな変更点は、エッジウイングの上に反り返ったようになっている部分は、前後一体整形ではなく、複数のウイングに分割されたように見える点であろう。

ロールフープ部にも変更

 ロールフープ部にも変更が加えられた。これは、マシンの軽量化を意図した面もあるようだ。

 エアボックスの形状は、以前のほぼ長方形の形状(写真◯の内部)から、より丸みを帯びた形となった。そしてその内部は以前は上下に構造が区切られていたものが、よりロールフープ本来の形状に近い、逆V字型となった。

 この変更には、当然空力的な意味合いもある。しかしウイリアムズは、軽量化することを優先させたようだ。

「周辺のカウルのエアロ形状や、中央ラジエターへのダクトに細かい変更が加えられている。それは全て、車体の重量を減らすためなんだ」

 そう語るのは、ウイリアムズのチーフ・テクニカル・オフィサーのパット・フライである。

「適度に軽くなったのは良いことだ。しかしまだ少し重い。今年の後半にはさらにいくつかのアップデートを予定しており、それによって重量制限にちょうど収まることになるだろう」

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