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【ヒットの法則449】ダッジJCはSUVっぽいクロスオーバーミニバン、大人数乗車でその真価を発揮した

掲載 更新 3
【ヒットの法則449】ダッジJCはSUVっぽいクロスオーバーミニバン、大人数乗車でその真価を発揮した

ダッジJC(別名ジャーニー)はSUVっぽさも漂わせる7人乗り3列シートのクロスオーバーミニバン。2007年のフランクフルトモーターショーでデビューし、2008年にはダッジ5番目のモデルとして日本に導入されることが正式に決定した。Motor Magazine誌はノルウェーはオスロ近郊で行われた国際試乗会に参加、今回はその時の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年8月号より)

外観を眺めただけではジャンル分けは困難
「JC」という型式名称をそのまま用いたネーミングは日本と中国だけのもの。ダッジが放つこのニューモデルは、世界では「ジャーニー」と呼ばれる。最近の世界販売の好調を反映してか、ノルウェーはオスロ近郊で行われた国際試乗会にて対面したこのクルマ、実際のところ長期旅行を意味するその名が、まさにぴったりの1台に仕上がっていた。

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見ての通り、外観を眺めただけではジャンル分けは困難だ。フォルムはミニバン的だが、そこまで上背はなく、明確なフードの存在とあわせて背の高いステーションワゴン風とも言える。下半身は逞しく、大径タイヤとそれを包み込む大型フェンダー、さらには余裕のある地上高がSUVっぽさも漂わせている。クロスオーバーと呼ぶのが、結局は適当だと言えそうだ。

しかも、フロントマスクにはクローム仕上げの十字グリルを戴く。全長4888mm×全幅1834mm×全高1672mmというスリーサイズは、ホンダ・オデッセイより全方位に数cmずつ大きい程度だが、その存在感は相当なものだ。

室内レイアウトは3列シート7人乗り。そのプロポーション、さらにはスライドドアを使わず4枚ともヒンジドアとしていることからも、JCがたとえばアメリカンミニバンの雄、グランドボイジャーのような正統派ミニバンとは違った方向を志向していることは明らかだ。しかしながらシートアレンジは多彩。日本車にだって決して負けてはいない。

まず前席は、助手席に備わる背もたれの前倒し機構が目をひく。トレイ状になったところに小物を置くこともできるし、長尺物を積むにも重宝するはず。また、その座面を引き起こすと、そこにはさらに大型の収納ボックスも用意されている。

2列目シートは60: 40分割可倒式。前後120mmのスライドとリクライニングも可能だ。また、この2列目も足元フロア部分に大容量の収納を用意。子供の遊び道具などを入れておくことができる。散らかりがちな車内、これは重宝するはずだ。

ヒンジ式のドアは90度まで大きく開き、しかも2列目シートはワンタッチで座面を跳ね上げ前方にスライドできるため、3列目への乗り込みも手間取ることはない。この3列目はさすがに広大とは言えず、足元スペースを確保するには2列目をある程度前に出す必要がある。しかし補助用としては十分。もちろん人を乗せない時は荷物スペースに充てることもできる。荷室の最大容量は2296Lというから、これで足りないという事態には、そうそう陥ることはないだろう。

大人数や荷物を積むことでさらに増すJCの味わい
では走りっぷりはどうか。今回、主に試したのは日本にも導入予定のV型6気筒2.7Lエンジン+6速ATの組み合わせである。

このエンジン、率直に言って強い印象を残すタイプではない。回しても楽しくないし、とくにパワフルということもないという意味だが、しかしゆったり走らせている分には、実用域ではそれなりの粘りも感じさせるなど好ましい面も見せる。また、

6速ATのおかげで低い回転域を常にキープできるようになったのは大きな進化だ。キックダウンレスポンスなどはもう少し、と思わせるのだが、やはり適度な速度で流している分には、不満は浮かんでこない。

試乗したのがオプションの19インチタイヤを履いた仕様だったせいもあってか、乗り心地は硬めの印象だった。日本仕様は専用銘柄の17インチを標準とするというから、また印象は違ってくると思われるが、いずれにせよ基本セッティングは、7人乗車もしくはある程度積載した状態を前提に行われているのだろう。

それゆえに逆に3人以上で乗ると落ち着きが増してくるのも確か。2人乗車では気になったリアの突き上げ感がナリを潜めてくる。実はそれはハンドリングについても言えることで、直進性、舵の座り感など最初は物足りなさを感じた部分も、乗車人数が増えるほどに気にならなくなってくる感があった。

要するに、大人数あるいはたくさんの荷物を積み込んで、ゆったり走らせてこそ光ると言うことができるだろう。家族や気の置けない仲間との時を忘れたロングトリップ。日本にいるとなかなか現実味のない話ではあるのだが、まさにそんな「ジャーニー」への想いを喚起するのが、このJCというクルマである。日本上陸は年内。秋から冬の間あたりとなる予定だ。(文:島下泰久/Motor Magazine 2008年8月号より)



ダッジ JC 2.7SXT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4888×1834×1672mm
●ホイールベース:2890mm
●車両重量:1685kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:2736cc
●最高出力:185ps/5500rpm
●最大トルク:256Nm/4000rpm
●駆動方式:FF
●トランスミッション:6速AT
※欧州仕様

[ アルバム : ダッジ JC はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

3件
  • 現行三菱アウトランダーと同じプラットフォームのやつですね。
    アメリカでもっとも安い7シート車として今年までほぼ変更なしで売られていました。
    (そして発売から10年経っても信頼性は最低レベル)
  • やはりセールスマンは「You乗ってみたらいいじゃない?」って言うのかな?

    ダッジはナイトロを繋ぎで乗ったけど壊れっぷりが尋常じゃない 顔つきの割に軟弱過ぎ
    少しは良くなったのかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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