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1000万円オーバー高級セダンの大穴──新型ボルボS90試乗記

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1000万円オーバー高級セダンの大穴──新型ボルボS90試乗記

マイナーチェンジを受けた新しいボルボのフラグシップセダン「S90」にサトータケシが試乗した。ドイツ製高級セダンとは異なる味わいとは?

なかなか個性的な存在

マニュアルを操るのはやっぱりオモシロイ──新型ホンダ・シビック試乗記

パワートレーンが刷新された、ボルボのフラッグシップサルーンであるS90に試乗した。従来のS90は48Vのマイルド・ハイブリッド・システムを採用していたけれど、プラグイン・ハイブリッドに変更となったのだ。マイルド・ハイブリッドはモーターだけで走るEV走行ができなかったけれど、プラグインハイブリッドはそれが可能になるという違いがある。

参考までに、日本仕様のS90のパワーユニットは、2.0リッター直列4気筒ガソリンターボ・エンジンとモーターを組み合わせた、プラグイン・ハイブリッドのみとなる。

また、おなじタイミングでボルボはグレード構成の見直しも図っており、最上級グレードの「アルティメット」と、標準仕様の「プラス」の2段構えとなる。ただしS90に関しては、アルティメットのみの設定で、つまり日本に導入されるS90は、プラグイン・ハイブリッドとアルティメットを組み合わせたモノグレードとなる。

というわけで対面したボルボS90・RECHARGE・アルティメット・T8・AWD・PLUG-IN HYBRIDは、なかなか個性的な存在だ。ほぼ同じサイズのBMW「5シリーズ」やメルセデス・ベンツの「Eクラス」もプラグイン・ハイブリッド仕様をラインアップするけれど、あちらが後輪駆動であるのに対して、S90は4輪駆動であることがひとつ。また、Googleのオペレーションシステムを採用することで、自宅にいるときと同じように、「OK, Google」と話しかけて、Googleマップや音楽アプリを操作できるのも、S90の特徴だ。

プラグイン・ハイブリッドシステムを起動してスタート……する前に、話が横道にそれることをお許しください。

筆者は秋花粉に悩まされるのだけれど、ボルボS90のステアリング・ホイールを握っている間は、そのツラさから解放される。その理由は、ボルボが世界に先駆けて開発したというエアピュリファイヤーという空気清浄システムだ。車内に侵入する有害な粒子や花粉を最大で95%除去すると謳っている。どうやらこの謳い文句通りに機能しているようで、ボルボS90の車内は快適だった。

ありそうで意外と少ない閑話休題。

プラグイン・ハイブリッドシステムを起動して、スウェーデン産のクリスタルを用いて、スウエーデン王室御用達のオレフェス社が手がけたというクリスタル・シフトノブをDレンジにセットする。

バッテリーがたっぷりと蓄えられていたので、EV走行をメインにするピュアモードをセレクトして走る。おもしろいのは、タッチスクリーンから車両のセッティングを変更すると、アクセルペダルの操作だけで速度をコントロールする、いわゆるワンペダルドライブができること。

しかもブレーキを踏まずに停止状態までワンペダルでコントロールできる。ワンペダルに慣れると、いちいちブレーキペダルに踏みかえるのが煩わしく感じるようになる。ただし慣れないと、かなり急激に減速Gが立ち上がるから、だれかを乗せる前に、まず自主練でスムーズに減速する術を身に着けておくことをおすすめしたい。欧州での参考値では、フル充電の状態だと54kmのEV走行が可能とある。

充電量が減るとエンジンが始動するけれど、この時に振動や大きな音が発生することはなく、車内の平穏は保たれる。19個もスピーカーがついているオプションのBowers&Wilkinsプレミアム・サウンド・システムが、素人の耳にもわかるぐらいのいい音で音楽を鳴らす。

瀟洒なインテリアとあいまって、このクルマの車内はラウンジ感が半端ない。

パワートレーンの滑らかさに負けず劣らず、乗り心地もスムーズだ。4本のサスペンションがしなやかに伸び縮みすることで、路面から突き上げるショックを和らげている。前方に路面の凸凹が見えて、これくらいの衝撃がくるだろうと身構えていると、実際に伝わるショックは予想の6~7割程度で、いい意味での肩透かしを食らう。ショックを乗り越えた後の上下動も、一発で収まる。いい脚だ。

パワートレーンはスムーズだし、室内は静かだし、乗り心地は快適だし、オーディオの音はいいし、東京から名古屋、仙台ぐらいの出張だったら、新幹線よりこっちを選びたくなる。

高速道路で試した先行車両に追従する機能が実にスムーズに作動したので、そんな思いがさらに強くなる。

頭の中がスカッとしたり、心がカッカと火照るような、わかりやすいクルマではない。反対に、心が穏やかになり、頭の中がすっきりと整理されるようなクルマだ。こういうクルマは、ありそうで意外と少ない。

文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.)

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みんなのコメント

16件
  • ベンツやBMWでは無く、人と違う外車に乗りたい人のいい選択肢になっていると思います。
  • エアクリーンシステムはV40にも搭載されていますよ。
    このモーターとエンジンによる4WDはかなり秀逸で違和感を全く感じさせず、安全性も極めて高いと評価されています。
    北欧の凍結した悪路には4WDがベストと言えそうですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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